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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/13 (Fri)

先日キリバンのリクエストを頂いた際に、夢現/恵理香様に小説を頂いてしまいましたvv
恵理香様のサイトではシカマルがとてもかっこよく描かれております☆
お時間がありましたらどうぞv
このたびはすばらしい小説を頂き、うれしくて涙ぼろぼろです!
シカナルコ+αでナルトがとてもかわいいですvv
シカマルもわが道を行く感じが良いです☆
そして私にはないラブラブな感じがありますv
本当にありがとうございました!(^▽^)



 


 



燻り始めた気持ち

 

 

 

 その日は朝から嫌な予感がしてたんだ――――。

 

 


「シッカマル~!」

 ふわりと長く伸ばされた金色の髪が持ち主の動作に合わせて波打った。

 ナルトがだるそうに歩いているシカマルの背中を目掛けて地を蹴る。
 が、目指した背中は寸前でひょいと右にずれた。
 その為慌てて着地をする破目になったナルトは右に我関せずと言いたげな顔をして立つシカマルを睨みつけた。

「何で避けるんだってば?」

 むぅ、と唇を尖らせて抗議するナルトにシカマルは面倒くさそうに顔を傾けて視線を下に向けた。

「何でって、そりゃあお前あれだろ? 面倒くせぇからだ」
「んなの理由になってないってばよ!」

 もっと納得のいくような理由を説明しろとばかりに身を寄せるナルトに2人の様子を離れた場所から見ていたキバはむかむかとする胸中に違和感を覚えた。
 あの2人の仲が良いのは今に始まったことではない。
 それこそ、2人はナルトがアカデミーに入学する前から交流があったと聞いたことがある。
 ナルトの入学に1年遅れてアカデミーに通うようになったシカマルが現れたとき、ナルトは心底嬉しそうに無邪気に笑っていた。そしてどこか纏う雰囲気が柔らかく・・・・・そう、シカマルがすぐ傍にいることで安心したように少々無防備になった。
 今、当時ナルトが置かれていた環境や立場を思えば、幼い頃から共にいた相手が再び一緒にいる時間が増えたことに対する安堵からきていたのだろうけれど、ナルトが女だったということを知って以来、そこにあったナルトのシカマルに対する感情が単なる友情や信頼、親しんだ者へ対する気安い思いだけだったのかは純粋に思えない。
 シカマルが、ナルトが一人で孤独を味わい、そして苛まれていた頃から共にいたと思うと、誰よりも信頼され安堵できる場であると思えるほどの仲を築いていたのだと思うと、異様にむしゃくしゃする。
 この感情は何なのだろうか、とじゃれあう2人を遠く見つめながらキバは思った。
 けれど、これ以上自身の中に芽生え始めた感情の正体を探ろうとすれば、きっとナニカが変わってしまうことを悟っていた。

 

 

 

 


 離れた場所で立ち尽くし、こちらを見ているキバの存在にシカマルは早くから気付いていた。
 同じ中忍同士といえど実際の忍として生きてきた経験は勝っているのだ。同期だからという思いから油断をしているのであろう人間(忍)の気配をよむことなどシカマルにとっては何をするにしても容易い。

 

 シカマルは、彼らが何も知らずに笑って同じ年頃の友人達と外を遊び回っていた頃から“忍”をしている。
 “忍”とは耐え忍ぶ者、という意味が含まれている。
 誰よりも「事」の次第を理解でき得る頭を持ち、それが故に知らなくても良いこと、知らないほうが良いことを知り、理解してきた自分は、次第に蓄えられてきたドロドロした気持ちやムカつきを抑えるのに自然と上手くなった。
 一度、父に言われ忍の世界を見たことがある。
 そこに渦巻く闇を見た時、反吐がでるようだった。
 自分の夢は、そこそこ出世してそこそこ稼いで、ある程度の年に結婚して、ゆったりとした余生を過ごすことだ。
 だが、それは所詮夢であることを知っている。
 自分には叶わない現実であると理解しているがゆえに、望んでしまうのだ。
 全てが面倒で、どうでも良いと思いながら過ごしていた時、出合ったのが里の深い闇に落とされてしまったナルトだった。
 今思えば、何故そこまでしてナルトのことを知りたがったのか、それは本人には絶対に言えない理由だと理解しているが、当時は笑えるほど単純に動いていた。
 ただ知りたい、という欲求に突き動かされて知りえた情報に、シカマルは再び忍の・・・・・いや、里の闇を知った。
 大人の身勝手さに付き合わされ、何が悲しくて虐げられなければならないのか知らないナルトに、シカマルは最初同情の念を持っていた。
 自分には父も、母もいる。頭にいらぬ存在を飼ってはいるが父はそれを承知しているし、きっと母も承知している。それでも自分に対する態度は変わらないし、愛情というものが注がれているのだと感じれる。
 頭の存在は自身の言動で第三者にはどうとでも捉えさせることができる。
 だが、ナルトの場合はその存在自体が問題なのだ。

 

 

 

 


 つらつらと過去を思い出していたシカマルは、ナルトがシカマルの首に両腕を回してだらりと垂れ下がった状態で不貞腐れていることなど目に入っていない。
 ふ、と目を閉じたシカマルにナルトが何かを思いつき、悪戯っ子のような顔をして笑んだことにも、不覚ながら気付かなかった。


 ちゅっ

 微かにならされたリップオンと感じた感触に、シカマルははっと瞼を押し上げた。

「おまえ・・・!」

 かっ、と顔を赤く染めるシカマルに、ナルトはしてやったりと笑んだ。
 艶やかに笑んでみせたナルトに、シカマルはくそっ、と声を出さずに毒づいた。

 


 油断は禁物。

 


 彼女を相手に少しでも思考の海へ沈もうとするのは自分にとって有益ではないと実感しながら、シカマルは満足気に笑うナルトに仕返しを、とばかりに自身の唇を彼女のソレに押し付けた。

 

 

 

 

 

 


*-*-* オマケ *-*-*


「ナルト・・・どうしてシカマルくん何かをっ!」

「いやーやるなぁ、渦巻も」

「・・・シカマル(覚えていろ。何故ならお前はそれだけのことをしたのだからな)」

「いやー! あれぞまさに青・春っ!!」

「ナ、ナルトさん・・・・・君がそれで幸せなのなら、僕は、僕はっ!!」

「シカマルもナルトも幸せそうだね~」

 自分の背後から恨みのこもった声や能天気な声、熱血的な声にほのぼのとした声が不意に聞こえ、キバははっと我に返った。
 突然のナルトとシカマルのいちゃいちゃシーンに、唖然と立ち尽くしていたキバは慌てて背後を振り返った。
 そして見たものは里内でも里外でもその名を轟かす某元暗部現上忍やそのライバルだと自称している上忍、面白そうに自身の教え子を見ている上忍に、同期の忍と暑苦しい見知った忍だった。
 ぱくぱくと呆気に取られているキバに、チョウジがのほほーんと、

「キバも残念だったねー」

 全くそう聞こえない声音で慰めの言葉を向けた。

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