やっぱり短文。
せっかく面白いお題なのに、いかされていないような気がするのは私だけでしょうか
片思い中に20のお題
03.君に振り回される自分がいる
あれから。
会うだけで、心が揺れて、頭が真っ白になって。
動揺なんてしている自分が信じられない。
以前と自分が変わったなんて気づきたくないのに。
会えば、鼓動がドキドキと。大きな音を立てて、壊れそうなくらい。
綱手探しの旅から帰ってきて、突然アイツと出くわしてしまった時も。
突然だったからか、驚きに悲鳴を上げることもできなくて。ただ、心臓だけが死にそうなほどドキドキと脈打っていた。
昔から自分を偽ってきたから、表情に出るのを抑えるのは容易なことではあったけど。
俺の正体を知る両隣にいた綱手と自来也は気づいたかもしれない。
おまけにシカマルの父親もいて、じろりと見られやっぱり憎まれてるのかなと…そう考えると悲しくなった。
シカマルの父親だけあって、そっくりだから。
ただ、まとう雰囲気はかなり違って、シカマルにある甘さが消えて、鋭くなったような。
シカマルが大人になったらこうなるのかなと、少し見とれてしまったのは俺だけの秘密。
こんな気持ちは初めてで。
うれしいような、恥ずかしいような。
怖いような、戸惑う気持ち。
「よう。ナルトじゃねーか。おまえこんなとこでどうしたんだよ?」
「あ!シカマルだってば。俺ってば、五代目様を探す旅から帰ってきたんだってば!新技も身に着けてすげ~んだってばよ!」
「へぇ~じゃあ後で見せてくれよ?」
ドキ!!
「い、いいってばよ!じゃあ後で誘いに行くってば!」
「おう、じゃあな。」
手を振りながら、シカマルは父親と一緒に去っていく。
俺は手を振りながら、どうしようかと悩んでいた。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
誘ってしまった!シカマルの行動で一喜一憂してしまう。
ほんとうにヤバイ!汗をだらだらかきながら、その場で固まっていると。
ポンポン。
肩をたたかれた。俺に気配を感じさせないとは、
「お~い?ナルトくん。何をそんなに動揺してるのかな?」
ビク、と震えそうになる方を何とか抑え、平静を装って。
「何でもないっすよ?何でも。」
あの後、シカマルとの関係を二人はしつこく追及してきたけど、俺は何とかごまかした、つもり。
そんなはずかしーこと言えねーつーの。
あの二人は俺の正体を受け入れてくれて、感謝してくれた人達。
火影のじいちゃんが死んで、俺の正体を知る数少ない味方。
シカマルとは別の意味で、大切な人たち。本人にそんなこと絶対に言わないけれど。
じっちゃんが死んだ今、とても感謝している。
時期火影が綱手でなければ、俺はどう処遇されていたかわからないのだから。
しかし。その二人は確実に面白がっているのは事実で。
何かに感づいたのか、俺にいろいろなアドバイスを無理やりくれて。
何で気づかれたのか、まったくわからない。
でも大きなお世話だけど、ちょっと感謝。
どうしていいかわからなかったのでその忠告に感謝しつつ、思い出す。
その1.いつもと違う服装でおしゃれをする。
その2.目潤ませてをじっと見つめる。
その3.さりげなくほめる。
その4.自然に体と接触する。
など、1は服装を変えるだけなので簡単だけど、他のは出来るかどうか…
とくに4なんて絶対出来ない。
恥ずかしすぎる。
なんて考えながら。
さっさと誘いに行こうと思っても、体が動かない。
思い通りに動かないなんて。
でも君に振り回される自分が少し好きかも…なんて思ってしまって。
もう末期症状かも。
とりあえずいつもオレンジのハデハデジャージなので、今日は大人しめでちょっと柄の入っている青いシャツに黒い短パンで決めてみた。
手首には付けたこともない、ブレスレット。
誰かのためにおしゃれをしている自分自身を恥ずかしいと感じているのは気のせい…ではないと思う。
とりあえず君の家に誘いに行こう