久しぶりの更新です。
最近忙しくて、、、
って言い訳なんですけど。。。
この状態が早くても夏まで続くので、しばらく投稿できそうにありません
時間を見つけて、がんばります!!
「じゃあな。」
「あぁ、借りは返すぜ。」
またな、と手を振りながら砂の3兄弟は木の葉を旅立った。
見送っていたのはシカマルただ一人。
チラチラとテマリが何度も振り向き、手を振り、やがて姿は見えなくなった。
シカマルは3人の後姿が見えなくなっても、しばらくその門の前に立っていた。
ぼんやりと、その先を見つめながら。
深く頭を下げる。
本当にありがとう、と感謝の気持ちをこめながら。
今回里に無事帰還できたのは、三人のおかげといっても言い過ぎではないだろうから。
危なかったシカマルと同じように、他の仲間もピンチを救われたと聞く。
女に助けられたなんて、情けねぇ、と思いながらも。
同盟国としてであっても、助けに来てくれた三人に。
そして自暴自棄になっていたシカマルを、親父と一緒に発奮をかけてくれたテマリに。
甘いといわれるかもしれないけど、任務よりも誰一人死者がでなかったことを誰よりも喜んでいたのは。
シカマルだったのかもしれない。
中忍になったばかりといっても。
サスケを連れ戻すという任務を受け入れたのは俺で。
隊長として…任務を遂行できなかった責任は俺にある、と。
大切な人を失いそうになって、初めて忍びの…暗く重い部分を知った。
知識として知っていても、えてして経験しなければ理解できないことは多いものである。
戻ってきた仲間はどいつも瀕死の重症で。
俺はといえば、自分で折った小指の傷だけ。
不甲斐無さと後悔で、押し潰されそうだった。
強敵を追い、戦いになるたびに一人、二人…と仲間に足止めをしてもらいサスケを追うことを優先した。
その判断に疑問を抱く暇もなかった。今考えても、それが正しかったのかなんてわからない。
ただ無事に、死ぬなよ、と願いながら。
最後にはナルト一人、お前じゃなきゃ駄目なんだ、と先へ向かうように後押しした。
いつもはいがみ合っていても、二人の間には俺たちの知らない…そして俺たちの班のように切ることの出来ない絆があると思っていたから。
運命をナルトただ一人に託し、俺は音忍のくのいちの戦いに集中した。
いいところまで追い詰めるも、力が足らず、テマリに危ないところを救われて。
漫才のような掛け合いをしながら、里に戻り、仲間が重症で死にそうだということを知る。
そして。
チョウジの手術をしている部屋の前で。
友の死を目の当たりにし、俺には無理だ!そんな力なんてない。
と、逃げ出そうとしてした俺を引きとめようとしてくれたのは親父と、今回は世話になり通しだったテマリ。
そして。
火影様からもたらされた仲間の手術成功という一報。
ピン、と糸のように張り詰めていた緊張が一瞬にして崩れる。
体に広がる安心感。
よかった、と。
柄にもなく涙腺が緩んで、本当に情けない。
だが。
今回一人も命を落とさなかったことは運が良かっただけの話。
また同じようなピンチで死なないとは限らない。
親父の言うように俺がいてもいなくても。
任務に就くことは…木の葉が木の葉である限り、それは永遠に続くことだ。
俺が逃げたとしても、仲間は任務で死と隣り合わせであることに変わりはない。
後で、仲間の死を知らされるだけ。
だから。
新たな決意を胸に。
もう一度、里の外へと頭を下げた。
*****
「はぁ~~。」
胸いっぱい吸い込んだ息を吐き出して、頭を机へと突っ伏す。
そこは三代目火影にナルトが特別に与えられた個室で。
任務のない夜にはよく火影が様子を見に訪れてくれていた。
任務のない夜は大抵そこで待機していることが多かったから。
他の暗部と交流のないナルトの部屋を訪れるものもなく、静かに夜は更けていく。
サスケと一戦交えてから、木の葉の病院に入院して。
怪我はあっという間に治り、退院とあいまった。
もちろん入院中も暗部としての仕事はこなしていたけれど。
病院にいると、誰かしら見舞いに来てくれたから。
特に…隊長としての責任を感じていたのか、シカマルは何度も見舞いに来てくれた。
俺だけにではないのはわかっていたけど。
会えるだけですごく、嬉しかったんだ。
だけど。
しばらく会えなくなる。
それを考えるだけで、胸が痛くなって。
苦しくなる。ギュゥ、と。
はぁ。やっぱり無理やりにでも任務もらってくれば、よかった。
することがないと、どうしてもシカマルのことを考えてしまうから。
頭を冷やそう、とナルトは仮面をはずしたまま部屋の外へとでた。
外にでて、ほほにあたる冷たい夜風が気持ちいい。
ぼー、とたたずんでいると、背後から近づく気配にナルトは気がついた。
上忍でも気付かないくらい、かすかな気配を。
「綱手か?」
「…はははは。よくわかったな。」
驚かそうと出した手をささっと隠し、つくろうように笑う。
気付いてないと思っていたのに。
ナルトの察知能力に綱手は舌を巻いた。
少し休憩をしようと外にでると、ナルトの姿が見え脅かしてやろうと気配を消して近づいたのに。
おもしろくない、と思いながらも、元気のなさそうなナルトの表情に気付く。
先ほどの会話を思い出し。
やはり…
「よし!暇そうだねぇ、なら今から私に着いておいで!」
グィッとなるとの腕を引っ張り、ずいずいと綱手は明かりのついている町のほうへと進んでいく。
戸惑うナルトを気にすることなく。
「ど、どこ行くんだよ!」
「いいから!今日は私のおごりだからね!」
あはは、と笑いながら、綱手のスピードは落ちることはない。
このまま姿を消してもいいのだけど。
後が面倒くさそうだ、とさじを投げ。ナルトは抵抗を止めたのだった。
*************
「綱手、本当にここに入るの?」
「もちろんだよ!あんたは…髪の色とほほの傷だけ変えればいいから。」
店の前で綱手に抗議するも、聞く耳を持たず。
更に姿を変えれば大丈夫、といわれ、
「はぁ~」
と仕方なく、髪の色を黒にしてほほの傷を消すナルト。
綱手に弱いのか、それとも女自体に弱いのか…とりあえず今日は捕まった俺の負け。
次からは絶対に捕まらないようにしよう、と決意して。
店の暖簾をくぐったのだった。
「二人なんだけど、大丈夫かぃ?」
「おや火影様でしたか、ちょっと待ってくださいね?座敷の方が今いっぱいで、カウンターの方か開いてないんですけどよろしいでしょうか?」
「わかった。じゃあカウンターで頼む。」
「わかりました。それではこちらの席へどうぞ。」
いすを二つ下げた後、店長らしき男は奥の方へと戻っていった。
綱手は座ったあと、きょろきょろと辺りを見回す。
そこで飲んでいる客はどれも見慣れた顔ばかり。
ナルトの任務を任されたものもいるのだろう、綱手のほうを恨めしそうに見ている。
まぁ、そこにいるもののほとんどが綱手のほうを見ていたのだが。
「おい、カカシ。綱手様が飲みに着てるぞ?」
「え?lほんとに?珍しいこともあるもんだね。」
ははは、と笑いながら、綱手のほうに視線を向ける。
「ほんとね。あ、一緒にいるのって誰かしら、見たことがないんだけど…」
ナルトの後姿を見ながら、首をかしげる。
「確かに、俺も火影様が飲みに着てるのなんて初めて見たよ~。」
酒を注ぎ足しながら、話しているこの三人。
猿飛アスマ、畑カカシ、夕日紅という。
偶然にもナルトと綱手の入った店は三人の馴染みの店だったのだ。
「噂ではかなりの大酒飲みという話だけど…実際はどうなのかしら?」
「その噂正しいと思うよ。俺もその噂聞いたことあるし。」
「あ、私たち挨拶に行かなくていいのかしら?」
「そうだな。行ったほうがいいとは思うぞ。」
酒を飲む手を止めてアスマは紅に応えた。
空になった酒瓶の数は10本を超えている。
しかし3人には顔色にも変わった様子は見られなかった。
しっかりとした足取りで三人は立ち上がり、綱手たちのほうへと向かった。
「おい。カカシたちがここ、いるんだけど。」
「え?そうかい?まぁ、あんたは変化しているんだから、ばれないだろ?」
「そういうことじゃないだろ!」
のんきな綱手にナルトは焦れて思わず声を荒げる。
しかし綱手は気にすることなく、メニューを見ながら次々と注文をし始めた。
はぁ、とため息をこぼしながら、カカシたちが近づいてくるのを感じた。
「綱手!あいつらが近づいてきてるんだけど?」
「へ?何?」
メニューから目を放し、綱手はナルトのほうへと向いた。
「だから…もう遅い。」
「え?」