■ 片想い中の 20 のお題
02.特別になりたい
自覚した瞬間から、君は俺にとって特別な人。
でも君は俺のことをどう思ってるんだろう??
二人の会話を聞いた後、俺はふらふらとした足取りで家に戻った。
シカマルがこんなこと言うなんて思わなかった。
今まで俺の周りにいた連中は自分が一番な奴ばかりで、今の仲間もそうだったから。
だからそれが当たり前で淋しいとも、悲しいとも思うことなんてなかった。
でも今は
初めてほしいと思った。
初めて自分から…願ってしまった。
特別になりたいと。
でも俺は嫌われ者の狐つきの化け物で。
あいつに見せているのは偽りの自分。
本当の自分なんて誰にも見せたこと、ない。
アカデミーにいる時だって、シカマルのことこんな風に思わなかった。
だって目立たなかったから。
ただ他の奴と違っていじめたり、同調しないから変なやつだなぁと思ってたけど。
でもキバやチョウジと一緒に俺と遊んだことある、数少ないクラスメート。
これからどう接したらいいんだろう。
今までと同じになんて、できない。
どうすればいいんだろう。
どうしたら君の特別になれるのだろう。
毎日がそれだけで頭がいっぱいになる。
目に浮かぶのはあいつの笑った顔だけ。