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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/16 (Mon)
其の一.縁談が多数、火影のもとに来たる。
 
火影、それは木の葉の里の中で最高の忍びであることを意味する称号である。
そして現在火影と呼ばれるのは三代目である猿飛
歴代の火影の中でも最強といわれ、プロフェッサーの異名を持つ。
そんな火影にも悩みというものは存在する。
 
 
「ふぅ~どうしてかのぅ。」
ため息をつきながら書類に次々に判を押す。
ものすごい速さで目を通している。
 
 その悩みの種となっているのは、いい年になったのにいくつになっても結婚しない養い子にあった。
火影には実子が何人もおり、孫もすでに生まれている。
しかしそれとは別に実の子供のように可愛がっている子供がいたのである。
その子は昔は里中から嫌われていたが、今では押しも押されぬ里一番の忍者として認められており時期火影の最有力候補である。

その名前をうずまきナルトという。

今年で20という節目を迎え、いい縁談が次々と火影のところに舞い込んできていた。
縁談の候補として、大名の娘や木の葉でも名家として名高い日向家でさえ名乗りを上げていた。
しかしナルトは、くのいちからだけでなく男にも人気はあった。
なぜならナルトの容姿は美麗で男ながらも、その所作は色っぽく十分に色の任務にも就けるほどであった。
もちろん火影が頑として反対したので、惜しまれつつもその手の依頼を受けることはなかったが。
そのせいだろうか、縁談の候補が女より男から多数申し込まれている。
 
「あやつにいくら話しても、返事は無しのつぶてじゃし…はてさて相手にどのような対応をすべきか…」
うぅんと頭を悩ますが、答えは一向に出てこない。
頭を抱えだした火影に、驚いたのは横にいたお付の忍びである。
先ほどまでは悩みつつも、手を動かしていたので仕事は進んでいた。
しかし今は悩みに心を奪われつつあり、進み具合が怪しくなってきたからだ。
「火影様!お手がおとまりになっておりますぞ。」
その叱咤により、火影は意識を取り戻したが頭の中は縁談のことでいっぱいである。
縁談の候補がどれも家柄の高いものばかりなのでどう返事をすればよいか悩んでしまうのだ。
 
「しごと終わったってばよ!」
元気な声でノック無しに入ってきたのは、火影の頭を占領していたナルトであった。
ナルトの顔を見て、これ幸いと仕事をほっぽりだして縁談の写真をかき集めた。
横の忍びはその仕草に渋い顔をするが、火影は気にせず部屋を少しの間退出するように言った。
「おぉ!よい所に着たのぅ。この前話したじゃろぅ。ほれ!縁談の事じゃ。たくさん来ておる。ちょっとだけでも見てはくれぬか。」
「えぇ!俺ってばそういう話はお断りだってこの前言ったてばよぉ。」
いやそうな表情を作り、腕を振り上げ顔の前で罰の形を作った。
「そういうでない。相手はどれもいいとこのお嬢様じゃ。木の葉のものもたくさん立候補しておるぞ。」
「えぇ!!ほんとぉ~?誰がいるの?」
「まず日向家のヒナタ、こちらはハナビでもよいそうじゃ。犬塚家のハナ、少し年上じゃの。それから山中家も立候補はしておるがこちらの娘はそれほど乗り気ではないらしい。木の葉よりも他の里からの縁談の方が多いのぅ。火の国、水の国、風の国など大名や富豪の娘が目白押しじゃ。こんなにもててうらやましいのぅ。」
「ふーん、そんなにうらやましいなら変わってやるってばよ?ほ・か・げ・さ・まv」
思わず顔を赤らめそうになるほど魅惑の表情で見つめてくるナルトだが、火影の背中には大粒の汗が流れていた。
ナルトが怒っているのが、空気を伝わってわかるのである。
「で、その中で選べって?」
「出来ればそうしてほしいのじゃが…それとは別に息子を持つ家からの縁談もあるぞ。一応耳に入れておくが。」
「え?そ、それって誰?」
先ほどとは違い、少し期待のこもった眼差しのナルト。
ひょっとしてそっちの方向に好きなものでもおるのかと火影は察す。
孫が見られないのは残念じゃが、この子が少しでも寂しさを感じないのであればたいしたことはない。
火影は一抹の不安を感じつつも、そう納得することにした。
 
「まず犬塚家と日向家じゃ、保険としてキバとネジも候補に入って折る。そして油女シ、うちはサスケ。他の里ではあるが、砂の里からも来ておる。砂影本人からじゃから、無理だとは思うがのぅ。最後にお前の担任のカカシじゃな。あやつだけは勘弁してほしいが…」
名前を聞き終わった途端がっかりしたナルト。
どうやらあげた人の中に、気になる人はいなかったようである。
「それだけぇ~!俺ってば。それありえないってば!ましてや最後のカカシって…きしょすぎ!ぜってぇやだ!」
はっきり、きっぱり、すっきりとカカシ全否定をするナルトに少し安心する火影。
正直カカシを選んだら、カカシをどこか遠くにでも飛ばしてやろうかと思っていたのだ。
カカシは忍びの中でも上ランクの実力の持ち主ではあるが、長時間の遅刻をする、18禁の本を道端で読むなど、人としての常識が足りぬどころか、おかしすぎるところがある。
火影は実力は評価してるが、性格に難ありと思っていたのだ。
そんな男と付き合えば、ナルトが苦労するのは目に見えているのでもとより反対する気だったのだ。
そう決意していたので火影が安心するのも無理はないだろう。
「ふぅむ。この縁談に乗り気なのはもと7版と8班とガイの班か…まぁおぬしの班だったサクラはお主にとって姉のような存在じゃしのぅ。しかし10班のメンバーはおらんのぅ。まぁあそこのもので候補者になりそうなものは山仲イノくらいじゃが。その娘も乗り気ではないというし…」
チラッとナルトの方にやると、ふいっと目をそらされた。
ふむ…これはどうやら元10班に好いておるものがいるのではないだろうか。
その中で…考えられるとすれば、あやつしかおらぬじゃろうな。
頭もよいし、下忍時代も仲がよかったらしいし。
確かにあやつならばナルトも幸せになれるかもしれん。
じゃがあやつは中忍の試験を一発で通ったのはいいが、その後上忍試験を受けるでもなくのらりくらりとやっておる。
才はあるんじゃがのぅ。
やる気がどうにも足らんのだが、常識だけはありそうだのぅ。
この場に立候補してない点も奥ゆかしいし…興味がないだけかもしれんが。
あやつの班のものが率先して立候補していない点から見ても、あやつには底知れぬ魅力があるのかもしれんのぅ。
「ナルトよ。気になったものはおらんようじゃのぅ。じゃがもうそろそろ身を固めてもらわんことにはきりがないぞ。この際男でもよいので周りに発表してしまうのじゃ。まぁその男はみなに恨まれるかもしれんがのぅ。」
ナルトの考えを見越した火影の提案に驚きつつも、暗い表情で答えた。
「でもそいつってば立候補していないし…俺に興味がないのかも」
そういいながらどんどん落ち込んでいった。
全く普段はいらぬときまで自信満々なのにこういうときは普通に不安になるナルトであった。
 
「そやつとはどうなのじゃ?気持ちを伝えたことはあるのかのう?」
「ううん。そんなの俺からなんて恥ずかしいし~まぁちょっとくらいはあるけど…」
照れた表情でぽつぽつと話し出す。
それはナルトに惚れている者たちが見れば襲い掛かるような表情だったかもしれない。
「そいつのこと最初はなんとも思ってなかったんだけど…何度も助けてもらううちにかっこいいかなぁて思うようになっちゃって!まぁ顔もそんなに悪くないし、一番常識人っぽいってば。」
「そうか、そうかそんなにシカマルはいい男であるのだのぅ。」
バッという音が聞こえるくらいの勢いでナルトの顔は高潮した。
顔がほてってきたのを自覚したのか、腕で顔を隠そうとする。
そのまだまだ幼い様子に最近大人びてきて淋しいと感じていた火影は少しだけ安心する。
「……なんでわかったんだってば?」
じろりと火影をにらみつけるが、先ほどと違い赤い顔をした様子では迫力はあまりない。
「候補に上がっていない男で、親しいものといえばあやつしかおらんじゃろ?
まぁあやつならばおぬしのことを理解してくれるかも知れんのぅ。
ただやる気がなさ過ぎる。
おぬしの横に立つならばそれ相応のものでなければ許可は出来んぞ?」
「うぅ~ん、あいつもやる気出せば、かなりやれるんだけど…たぶんガチンコでやっても、どうなるかわかんないかも。」
「何!そんなにあやつは強いのか?
意図的に上忍試験を受けてないとはいっても、まだ中忍じゃぞ?」
「だって下忍の頃から何回も助けてもらったし、今でも任務とかで相談に乗ってもらってるってばよ?」
「ほぅ。そうなのか?そんなにおぬしに親切ならば脈ありかも知れんぞ?」
「え?で、でもあいつってば誰にでも親切だし、めんどくせーとかいいつつも困ってる人いたら助けてるし…わからないよ。」
話しているうちに、不安になってしまったのだろうか。
さっきまで赤かったナルトの顔がいつの間にやら切なくゆがんでいる。
「ふ~む。まぁその件はわしにまかせい!おぬしの幸せのためじゃ。いざとなったらわしの権限で何とかしてするわぃ。」
ほっほっほと、笑う火影にナルトは心配そうに聞き返す。
「でも…そんな無理やりは嫌だってば。俺のこと何にも思ってないなら一緒になっても楽しくないってばよ?」
「う、まぁ大丈夫じゃ!一緒におれば情がわくかもしれんし、第一!ナルトを嫌がるやつなんておらんじゃろう。」
「そうかなぁ。」
「そういうことじゃ。ほれ、いつもの自信を取り戻さんか!じゃあ他の縁談は断ってよいのじゃな?」
「うん…お願いします。…でもあいつに無理はしないでくれってばよ?」
手を合わせながら、頼みますと頭を下げた。
礼儀も何も気にしないナルトなだけに、どれだけシカマルのことを本気で思っているのかが伺える。
 
ふぅ。一応縁談の件は決まったが、これからが大変じゃ。何しろ里内だけでも縁談を持ってきた家の数は多いのじゃから。まぁこれも未来の火影様のためじゃ。
 
 
それまでわしは生きておるかのう。
その姿を見たいわぃ。
未来を思い、たそがれる三代目火影であった。
 
 
 
 
 
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