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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/15 (Sun)

 

 

そう、仕方が無いと思ったのだ。

 

そのときは。

しかし後から考えてみると学ばなければならないこと、これからしなければならないことが山積みで。

それを考えると、頭が痛くなるほどだ。

 

周りにこの事を教えてしまえば、これからの事がますます現実味を帯びてくる。

だから、周りにも親にさえこの事を教えなかったというのに。

それなのに…

 

 

 

「こ・い・つ・は~~!!」

「ほぇ?何だってばよ~!?」

振り回されて目が回ってきたナルトをシカマルは気にすることなく振り回し続けている。

「シカマル!その辺にしておきなさいって!」

少しナルトのことが可哀想になったサクラは、シカマルの手首をつかみ止めようとした。

「そ、そうよ。それに何で隠してたのよ?水臭いわね!」

サクラがナルトを開放させたところで、イノが意気消沈しているシカマルに詰め寄った。

「隠してたわけじゃねぇよ!ちょっと現実逃避してただけだっつーの。」

「あ、そう。まぁシカマルだしねぇ。」

「だな。」

うんうん、とうなずくイノとキバ。

「なんでだってば?これってすごい事なんだって、綱手のばあちゃんが言ってたってばよ?うらやましいってばよ!」

先を越された!と悔しそうに地団太を踏むナルトと一緒になって、キバも悔しがる。

そんなに悔しいなら代わってくれよ、と本気で思うシカマル。

なかなか上手くいかないものである。

 

 

 

 

はぁ、とため息をつくシカマルを見て、サクラはくすっと笑った。

「何笑ってるのよ?」

「え?シカマル大変そうだなぁと思って。」

「まぁね。面倒くさがりなのに、一番仕事してるって感じよね。」

「そうね。でもご意見番って事はエリートよね?」

「う~ん。そうなるわね。似合わないけど。」

「ってことはこれからシカマルの人気もっと上がるんじゃないかしら。」

「そ、そうかもしれないわね。」

ややどもったようなイノを見て、サクラは面白そうに笑った。

「な、何笑ってんのよ?」

「ちょっと面白くて、イノの反応が。」

「な゛!?何言ってんのよ!私は全然気にしてなんか無いよ。」

イノは焦ったように言い返した。まったく説得力は無かったが。

「はいはい。そういうことにしておいてあげるわ。」

「…その言い方むかつく。」

サクラに言いくるめられたような形になり、何か納得のいかないイノ。

「ただ、アカデミー時代からは想像できないなぁと思って。」

「まぁ、それはアカデミーの頃なら同感だったわ。下忍になってからは違うけど。」

「ふぅん。」

ニヤニヤと笑い出すサクラ。話題を変えようと、サクラ自身のことについて質問した。

「そ、そういえばあんたはどうなのよ?ナルト。あんまり待たせるのもかわいそうよ。」

「ナルトは…私にとっては弟のようなものだし。それに他に好きな人がいるんじゃないかとおもう。」

「え?そうなの?あんた一筋なのかと思ってたけど。」

意外なサクラの返事にイノは少し驚く。

「たまに切なそうな顔するのよね。遠くを見て…」

そのときのことを思い出したのか、幾分サクラは心配しそうにナルトの方を見つめた。

 

「どうしたってば?サクラちゃん。」

サクラの視線に気がついたのか、どうしたのかと問うナルト。

他のものもナルトの言葉を聞き、何が、とまた騒ぎ出す。

「な、なんでもないわよ!」

全然大丈夫と大げさに手を振りながら、サクラはごまかそうとした。

「ナルト。ああ言ってるんだから、大丈夫だろ?」

シカマルがそう言い、ナルトはしぶしぶ納得した。

「それよりおまえ聞いたこと何でもかんでも話しすぎだぞ?」

「ごめんってばよ~!でも皆でお祝いしたいと思って。」

しゅん、と落ち込んだように肩を落とした。

一連の二人のやり取りを見て、サクラは飼い主と犬みたいだと思った。

落ちこんでいたナルトをかばうように、サクラは間に入った。

「確かになるとも悪かったけどどうせ知られることになるのだからこの辺で許してあげなさいよ。」

ね、といわれ、シカマルはいい足りなそうな表情ではあったが納得する。

「ナルト、よかったわね。」

とサクラはナルトの方に振り向きながら、言った。

しかしナルトの表情はあまり芳しくないようだ。

 

サクラの後ろでは、シカマルに詳細を聞き出そうとまだ騒いでいた。

「なぁなぁ。それでどうすんだよ。」

「何かあったら俺のことよろしくな。」

「……」

 

「だぁぁ!!うるせぇ!俺のことは気にしねぇでいいから、さっきの続きするぞ!」

シカマルの怒声がその場に響き渡り、シーンと静けさを取り戻す。

シカマルは立ち上がり、任務の連絡を呆然としている皆に手早く済ませた。

わかったか、と確認されて。

コクリ、と皆は驚きつつも、勢いに押されてうなずいた。

シカマルは机の上に広げていた書類をかき集めてまとめた。

 

そして。

じゃあ、他の仕事あるから。

またな、と手を振ってその場からシカマルは退散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

出て行ったドアのほうを唖然と見つめ。

 

「あいつ、行動早すぎ。」

 

キバの声を皮切りに、プッと皆は笑い始めた。

 

 

あいつ絶対いろいろ聞かれるのが嫌だったんだぜ。

 

とか。

 

あんなに早く動くシカマルって初めて見たよ。

 

とか、話し合いながら。

 

 

 

 

この日を境にシカマルがご意見番に抜擢されたという噂は木の葉中に広まり衝撃を受けたという。

シカマルのもとに人がわんさかと集まり、面倒くさくなったシカマルが切れたとかなんだとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、人生なんてどうなるのか、誰にもわからない。

 

それはとても実感のこもった言葉で。

 

あんた大変ね。

 

哀愁を感じさせるくらいに背中に影を背負っていて。

思わず労わりの言葉をかけてしまった。

しかしシカマルの胸中はよくわかっていたけれど。

 

きっと綱手様は胸を躍らせて喜んでいるだろうと。

 

綱手はあれでも私の大切なお師匠様だから。

弟子として近くで見てきた分、火影としての大変さを嫌というほどわかっていた。

シカマルがご意見番になることで綱手が少しでも楽になるのなら、シカマルには悪いけど嬉しいことだと思う。

自分ではまだ焼くには立てないということが、少しだけ悔しいけれど。

 

だから。

 

 

自分にできることがあったら、手伝ってあげよう。

 

 

本人に直接言わなかったけれど。

 

それは私のちょっとした恩返し、のつもりだっただけなのに。

 

それがちょっとしたことで終わらなかったのはいうまでもない。

 

 

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