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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/15 (Sun)

 

 

どうしても次数が多くなってしまったので、二つに分けました。
しかもかなり、中途半端なところで

なので、2のほうはかなり短いです。
2とつけていいのか、と悩むくらい。

こんなに次数制限のことで悩んだのは初めての経験でした。

なので2とありますが、実質2つで一つのようなお話です。
読みにくいとは思いますが、ご了承ください。

 




 



おっめでと~~てば!!」

部屋中に大きな声が響く。

「さっき綱手ばあちゃんに聞いたってばよ!おまえご意見番になるらしいなぁ。すげぇってば!」

バタン、とドアを開け、ナルトはドア脇にいたシカマルに嬉しそうに声をかけた。

その言葉を聞いて、みな驚きで、シーンと沈黙が続く。

シカマルは任務の打ち合わせの真っ最中だったのだ。

その任務の参加者はサクラ、いの、キバなど同期のものやシカマルと知り合いのものばかりだったのは、不幸中の幸いかもしれない。

しばらく沈黙が続いた後、えぇ!!?と驚きで騒ぎ出す。

シカマルはあの馬鹿、と頭を抱え、机に突っ伏した。

「あんた本当なの!?今の話!」

「すげーじゃねぇか!何で隠してたんだよ!?」

シカマルの周りにはすごいすごい、と我先に、と人が集まってくる。

いすに座ったまま、いまだシカマルは突っ伏したままだ。

「シカマル~?どうしたんだってばよ?」

「うっるせぇ!なんでおまえはそーゆー事を軽々しく口にすんだよ?」

シカマルの様子を伺いに近づいてきたナルトの方をガッとつかみ、ぶんぶんと揺らした。

半ばやけだ。

くそーとナルトに八つ当たりをするようになるとの体を揺らすシカマルを見て、一同は同じような事を予想した。

 

やっぱり、面倒くさくてなりたくないんだろうな…と。

 

ぶんぶんと揺れるナルトの頭を見ながら、シカマルは綱手にご意見番を頼まれた時のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

そうあれは、3日ほど前のこと。

 

 

いつものように任務書の処理をしていると。

シカマルに来るように伝えるように。そう同僚に言われた時のことだった。

 

あの時綱手の呼び出しを無視していれば、何度思ったことか。

 

 

 

 

 

 

「奈良シカマル。お前ももう中忍になって五年がたったな。一番に中忍へと昇格したのにいまだ上忍試験を受けないのはお前らしいが…。調度いい。是非おまえに火影ご意見番として…今のご意見番について勉強してもらいたい。」

予想だにしなかった綱手の頼みにシカマルはわずかだが動揺する。

そして。

めんどくせぇ。

さすがに綱手の前では言わなかったが、心の中でまず初めに浮かんだ言葉だ。「いいか?」

「俺まだ、中忍ですし、そんな責任の重いことできないっすよ。」

「おまえが目立ちたくないために上忍に上がらないことは知っている。しかしおまえに対する評価はもうすでに里外にまで知られている。このまま中忍として里外の任務に出られては、お前が危険にさらされる可能性が高くなるのだ。」

そう、シカマルは中忍ながら、その評価は軒並み上がっていた。

中忍試験が終わって、早五年。

里が大蛇丸によって受けた被害はとてつもなく大きかった。

その穴を埋めるためなのか、忍びの質が高かったのか、他の同期の忍びはほとんどが中忍、上忍へと昇格していた。

一番に中忍へと昇格したシカマルは、そのまま出世街道をまっしぐら。

という周囲の期待を裏切って、上忍試験を受けようとはしなかった。

任務も十分にこなし、上忍の実力を持っているのに、である。

周囲の思惑など気にせず、シカマルは木の葉の里のために、と戦略・術の開発・暗号分析など、様々な分野において功績を挙げた。

しかしあくまでも名前は出さず研究成果を里に提出していたので、表立って騒がれることはなかった。

だがそれが何度も繰り返されれば、隠す事などできない。

その噂は里内はもちろん、里外にも広まった。木の葉の里には頭の切れる策士がいると…

 

 

だが。

「それとご意見番との話は関係ないと思います。」

あくまでも断る意思を曲げようとしないシカマル。

しかし何といわれようと綱手はあきらめる気はなかった。

「お前は私がどれだけ大変な目にあっているかを知らないからそんなことをいえるんだ。」

鬼気迫る形相で綱手はシカマルにせめよった。

 

そう。

火影に就任してから五年。

木の葉の復旧もあいまって、就任してから来る日も来る日も書類整理。

ギャンブルをする暇どころか、寝る暇を惜しんで綱手は奮闘していた。

珍しいことに。

そんな中。シカマルのその噂が火影の耳に入り。

そんな優秀な人材がいるのに使わないのだと頭を抱え、そして狂喜した。

急務を急ぐ仕事は山ほどあるのだ。

この忙しさから開放される、と。

「面倒くさい事だという事は百も承知して頼んでいる。里のためだと思って耐えてくれ。」

「俺にはまだ早すぎます。」

このやり取りが延々と続き。

このまま話しても埒が明かないと、綱手はギッ、と目を光らせシカマルをにらむ。並の中忍、上忍だったら、冷や汗をかくのではないだろうか。

しかしシカマルは動じもせず、ただ綱手をじっと見つめていた。

「………」

「………」

「どうしても、お前にはご意見番になってもらうぞ。」

黒い瞳には感情の乱れを感じさせなかった。

この男が少しでも野望を持っていたら、と考え、綱手はその考えを否定する。

もし持っていれば、それは里にとって脅威となっていたからだ。

この才能が里外に流出したら、と考えると恐怖を覚えるくらい、シカマルの功績はすばらしいものだったから。

 

二人がにらみ合う事、1時間。まだ答えは出ない。

「うわぁ!まだやってたんですか!?」

ドアを開けて入ってきたシズクは、シカマルがまだいた事に驚く。

シカマルが来て数十分してから、話の邪魔になる、と外に出ていたのだ。

「こいつがどうしても首を縦に振らないんでねぇ。」

はは、と力無げに綱手は笑った。

綱手の目が笑っていない事に気づき、シズクはもっと外にいればよかった、と後悔した。

「俺は本当になりたくないんで。こんな若造の言うことなんか、上層部の人も聞かないと思いますよ。」

「ま、ぁ。それは徐々にわからせていくしかないだろう。」

はぁ、と深くため息を漏らして、綱手を呆れたような顔で見た。

「な、なんだよ?」

「いえ、こんな考えなしの人が火影でこの里は大丈夫なのかと思いまして。」

「なんだと~!!このクソ餓鬼、人がしたでに出てれば!!?」

ぶん、と腕を振り上げて殴りかかろうとした綱手をシズクは慌てて抑える。

「ちょ、綱手さまぁ!やめてくださいって!」

「離せ!あいつだけは生かしちゃおけん!」

離そうとする綱手に必死にしがみつくシズク。

綱手にデコピンされるだけでも、体が吹っ飛ばされるほどの威力を持っているのだ。

ただでさえシカマルは体力よりも頭なのに、綱手にどつかれたらどうなるか。
考えただけでも恐ろしい。
しかしシズクは綱手を止めようと頑張りながらも、シカマルの明らかに綱手を挑発したような発言に疑問を抱く。

ああ言えば、綱手が怒るのはわかりきったことだ。

シカマルの顔を見ると、先ほどと変わらない…ボーとしたいつものシカマルがいた。

この怒り狂った綱手を前に動揺しないなんてすごい、と思うとともに、焦ってないなら手伝ってください!と言いたくなった。

それは違うだろ、とシカマルなら突っ込んでいたかもしれない。

「離せ!」

体にまとわりついていたシズクを振りほどき、綱手は机を乗り越えてシカマルの首元をつかんだ。

「おまえ、わかってるんだろうねぇ。」

シズクにとめられて、平常心を取り戻したようだ。

先ほどよりやや落ち着いた口蝶だ。

「何が、でしょうか?」

「この話は私から頼んでいるわけじゃないんだ。里長の命令は忍びにとって絶対、免れられるものではない。」

「…わかってますよ。火影様が俺に選択させて、穏便に事を運ぼうとしていた事も。」

淡々と話すシカマルに、綱手は顔をしかめる。

もともとシカマルに選択肢など、無いも同然だ。

しかし火影がこうして本人に頼む形をとったのは、シカマルに対する風当たりが少しでも減るのではないかという配慮からだ。

「なら、断りきれるものではないという事もわかっているだろう。」

「えぇ。それでも、俺には荷が重過ぎますよ。」

ふぅ、と疲れたように、シカマルはため息をついた。

「確かにお前はまだ若い。この人事が難しい事もわかっている。しかし今のご意見番ももう年だ。誰か、後任を決めなければならないのだ。そして一番適任者だと私が感じたのはお前なんだよ。」

「お願いします。シカマル君なら、大丈夫ですって。私もお手伝いしますから。」

二人に頭を下げられ、シカマルは仕方が無い、と肩を落とした。

女に頼まれると、どうも弱い。

親の教育の賜物なのか。

父から男は女を守るものだ、と常日頃から言われ続け、シカマルもそうあるべきだと思っていた。

だから綱手としずくにそこまで言われては、断れない。

シカマルも断りきれるとは思っていなかった。

この豪傑のことだ、何が何でもごり押しするだろう、とシカマルは予想していた。

しかしその予想に反し、綱手はシカマルに頭を下げてまで、頼み込んできたのだ。

仕方が無い、そう思った。

 

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