やっと投稿できました!!
フリーでどんなだ!?と頭を悩ませつつ、コレでいいのかと迷いながら。
なんか、一番シカナルっぽく二人が絡んでるなぁと思いながら、やっぱり色味がないな、と嘆きつつ。
初のチマシカオトナル書きました!
シカ7歳。
ナル19歳の一回り違うカップルです!
とはいっても全然そんな話になってないけど。
ちまシカおとナルは以前他のサイト様で読んだときに、ちまシカかっこいい!!と奇声を上げてしまうほどの衝撃を受けたことのある設定です。
シカマルがかっこよくて、今日書いたのはあまりそんな感じが出てないけど。
そのシカマルにナルトがメロメロなんです!(本当は!)
設定をうまく活かしきれてないことに悔やんでも悔みきれませんが、続きを書けたらいいな、と思っています。
シカマルがご意見番に推薦されたという噂から数週間たって。
綱手様に弟子してから早五年。
死にそうなくらい辛い修行を乗り越えて生きてまいりましたが、これだけは耐えられそうにありません。
春野サクラ、綱手に弟子入りしたことを今日、心から後悔している最中です。
「サクラ、これお願い!」
「おい!春野!この書類はどこにあるんだ?」
「早く…!」
「あ~!もううるさい!!」
ばん、と机に書類をたたきつけるも、サクラを気にするそぶりは見せない二人。
それどころか早くしろ、との催促の嵐で。
本当にこの二人の神経って。
と思う。忙しいのはわかるけれど。
ナルトによって、暴露されてから、綱手の動きはとても早いものだった。
普段の綱手からは想像もつかないくらい。
シカマルに話をした後、すぐに動き出してはいたのだろうけど。
三代目と同じくご意見番へと復帰していた水戸門ホムラとうたたねコハルに、後継者としてシカマルを鍛えてほしいと綱手は話を通した。
もちろん早く引退したかった二人は喜んでその話を引き受けた。
いやいやながら綱手に呼び出されたシカマルは二人にご意見番としてのいろはを教え込まれ。
水を吸い込むかのように二人の教えを学び取るシカマルに二人は驚き、感心したという。
これでは綱手が無理やりにでも推薦するのは仕方がない、と。
そして木の葉にもなかなか有望な忍びが育っているのだな、と。
緊急時であれば、まだまだ教えなければならないことは山ほどある。
しかし通常の職務であれば、今のシカマルであれば何の問題もないだろう、と。
まだご意見番として正式に任命されたわけでもないのに、二人がそういうのなら大丈夫、と綱手にごり押しされて。
何で俺が、と思いつつも、シカマルは綱手の火影としての仕事を手伝うことになったのだ。
というのは、サクラが綱手に聞いた話で。
実際のところ、相当嫌がっていたというのは聞くまでもないことである。
問題は、なぜ自分がここに呼ばれて書類を手伝わされているのかということ。
今日はせっかくオフだったのに。
綱手に問えば、弟子だから、という理不尽な答え。
シカマルに問えば、同期の連中の中で役に立ちそうなのはお前だったから、という嬉しいんだか、ありがた迷惑なんだかわからない。
それでもこの部屋を出ないのは、寝る間も惜しむくらい忙しそうな二人がいたからだ。
一人は自分の師匠で、この人がいなければ自分はここまで強くなれなかった。感謝するくらいでは足りないくらい、感謝している。
もう一人は同期でアカデミーのころからの仲間だ。
あのころはこんなにすごいやつだなんて思わなかった。
イノは何でこんなめんどくさがりと仲良くしているんだろう、と疑問を持つくらい。
それでも木の葉崩しのとき、私たちを先に行かせるためにおとりとして残ってくれた。
サスケくんを連れ戻しに行くときも、命を懸けて仲間を守り連れ戻そうとしてくれたと聞く。
サスケくんは行ってしまったけれど、救出隊に参加していたみんなが口々にあいつはすごいやつだ、と話していた。
それからはデスクワークが主となったシカマルと任務を共にすることはあまりなかったけれど。
いざという時になれば頼りになるということは知っていた。
だからだろうか、シカマルが綱手の要請を断りきれなかったのは。
忍びとしてそれを甘い、という言葉で片付けるのは簡単だけど。
人として困っている人をほうっておけないということはとても尊敬できることだと思った。
でも、だからってねぇ。
次はこの書類、これ受付に持っていって、と二人に書類を渡され、てんやわんやのサクラ。
これでは単なる雑務処理係ではないかとさえ思ってしまう。
弟子だということだけで呼びつけられ、挙句の果てに師匠の雑務の手伝い。
今日ばかりは綱手に弟子入りしたことをものすごく後悔したという。
指示を出す他は独り言さえ呟かない静まり返った空間にサクラはもーいや、と心の中で叫び。
指示通りとはいえ部屋から出れることに喜びながら受付へと書類を持って出て行った。
「お、サクラじゃないか?火影様のお手伝いか?」
「あ、イルカ先生。」
受付所にいたのはアカデミー時代に担当教員だったいるかで、体中からほっと気が抜けたようにリラックスした。
「子供じゃないんですから、お手伝いって言わないでくださいよぉ!」
すまんすまん、と軽くイルカは頭を下げた。
「ところで、シカマルが火影様を手伝っているそうだが…大丈夫か?」
「あぁ。心配いりませんよ。二人とも無言でがんばっています。それよりも私今日オフなのに…」
「それは災難だったな。」
慰められるように頭をなでられ、少しくすぐったい気持ちになる。
イルカと会うといつもそうだ。
自由で楽しいだけだった子供時代を思い出す。
「しかし綱手様が一人でがんばってきたのにも、限界が来てな。処理し切れてない任務書やらが、倉庫いっぱいになっていると聞いているぞ。」
「え!?そんなに処理できてない書類があるんですか?」
「あぁ。シズクさんも少し前から任務に出ていないそうだし…噂では火影様がシカマルに泣きついたそうだ。手伝ってくれと。」
「へぇ。」
噂にしてはとても真実味を帯びていて、だからしずくがあの場にいないのかと少しだけうらやましく思った。
そして綱手とシカマルの間にどんなやり取りがあったのかさえ、想像できそうだ。
「それでも手が足りなかったから、サクラが呼ばれたんだろうな。」
まぁがんばれよ、と肩をたたかれ、サクラは憮然とする。
そんな事情があったのなら言ってくれればいいのに、と。
でも今そんなことを言っても仕方がない。
それよりも早く終わらせなきゃ。
「ありがとうございます!じゃあ私も手伝いに行ってきますね。」
「あぁ行ってこい!」
「はぃ!」
手を振りながらも遠ざかるサクラを見て。
俺の教え子たちはみんな俺を当に追い越したな、とさびしく思いつつも。
頼もしい人材が多いなと、これからの木の葉を考え柄にもなく夢をはせるのであった。
「俺もがんばらなきゃな。」
サクラの向かった先を向いていた顔を正面に戻し、書類へと目を走らせた。
木の葉はどうなっていくのだろうか。
それは誰にもわからないけれど。
イルカが感じた予感は後に現実となっていくのかもしれない。
「渡してきました!次は何をすればよろしいでしょうか?」
行き酔いよくドアを開けて、サクラはやる気をたぎらせて二人に問いかけた。
「あ、あぁ。これをコピーしてくれ。」
「俺のほうはこの資料を頼む。」
サクラの勢いに圧倒されつつも、二人はサクラへと次の仕事の指示を出した。
さっきまでやる気なさ全開だったのに、一体何が起こったのだろうと思いながら。
バリバリと書類を整理していた二人にサクラが加わり、先ほどよりも仕事の能率がどんどんと上がっていく。
部屋には書類に書き込むペンの音と、どたばたと走り回るサクラの足音だけしかしない。
それだけでも十分にうるさいと感じるだけの騒音ではあったが。
日が暮れ、それはだんだんと明らんで。
人の行きかいも少なくなり。
ぼぅ、っと街灯が道を明るく照らす。
星がいくつも光り、夕暮れに染まっていた空からいつのまにか太陽は消えていた。
アカデミーや職員たちが集う場にも人影は見えず、みな仕事を終え帰ったのだろう。
しかし仕事が終わらず、帰れないものが3人ばかり。
イルカに大まかな事情を聞いたサクラはやる気を出して、二人から出される指示へと専念したのだが。
正直、しなければならないことが多すぎる。
綱手はまだ続けるつもりなのだろうか、とサクラは視線を向けた。
書類の山の隙間から綱手らしきものが見えた、疲れ切った様子の。
そういえばこんなに机にかじりつく綱手を見るのは初めてのことではなかろうか。
ここで会うことが多かったが、綱手は息抜きと称して自分の修行によく付き合ってくれた。
あれは本当に息抜きだったんだ、サクラは理解した。
シカマルはといえば、少し疲れが伺えるものの平然とした表情で、一向に処理速度が衰える動きは見られない。
綱手もシカマルの手前休みたいといえないのではないだろうか。
そう思うくらい、綱手の疲れ具合は尋常ではない。
目の下にくまができ、いつも美しいと賞賛される美貌が台無しである。
今ここで言えるのは私しかいないわよね。
「ねぇ。そろそろ休憩を取らない?その方が能率が上がると思うんだけど。」
「お!いいな「とらない。」
うれしそうにサクラに便乗しようとした綱手を一刀両断するかのように、容赦のない言葉が飛び交う。
「でも疲れてないの?疲れたままじゃあまりはかどらないと思うんだけど。」
「疲れてるけど、終わらせてから休みたい。今寝たら、俺二日位起きねー自身があるんだけど。」
「それは困る!お前がいないと!」
「そうでしょうね。火影様が一枚書き終わる間に俺は3枚くらい終わらせてますから。」
え、そうなの。どうりでシカマルからの指示が多いと…じゃなくて!
私はどうなるのって感じなんですけど。
「でもお茶飲むくらいいいと思うわよ。」
「お茶飲んで、だらだらして話して。どんだけ時間使うんだろうな。」
図星を指されたように綱手とサクラはむせたようにゴホゴホと咳を漏らした。
しかし綱手に鍛えられ以前よりも強く成長したサクラはそれだけでは止まらない。
「うるさいわね!私はすごく疲れたのよ!」
それ以上言ったら殺す!というかのように殺気を撒き散らし、サクラはシカマルを睨みつけた。
外へ出て、備え付けのポットにお湯を沸かし、コーヒーとお茶菓子を用意した。
「やっとゆっくりできる~!」
うきうきと鼻歌を歌いながらカップとお菓子を載せたお盆を持って部屋に入った。
「美味しそうだな!疲れが取れるよ。ありがとう、サクラ。」
綱手は疲れていたのもあいまって、とても幸せそうにお菓子を味わった。
「ったく、甘いんだから。」
ずず、とお茶でも飲むかのようにブラックのままコーヒーを飲み干した。
実はシカマルもかなり疲労が溜まっていた。
しかしやる時はやる、というのが心情のシカマルには途中で休憩を取れば、自分がだらけるのがわかっていのだ。
「文句言うなら飲まなくてもいいのよ?」
私が休みたかったの、と自分の椅子に座り、背伸びをして、ここ何時間かの疲れを癒した。
本当に、素直じゃないんだから。
いくら表情に変化があまり見られないとはいっても、コレだけの時間、ずっと集中していたのだ。
疲れないはずがない。
少しならいいじゃない、と心の中で文句をはいていると。
「でもありがと。少しだけ疲れが取れたよ。」
「え?」
とシカマルのほうを振り返えると、コーヒーを飲み終え仕事に戻っていた。
ったく照れ屋なんだから。
それがシカマルらしくて、少し面白かった。
「どういたしまして。」
おう、と小さくではあったが、返事が返ってきて。
少しだけ、だけどかわいいかも、と思ったのは勘違いだと思いたい。
それからのことを考えると。
かなり仕事のスピードは速かったが、それまでと非にならないくらい。
書類を仕上げる速度が加速していく。
綱手が自分の手を止めて、見とれるくらい。
もちろん、自分の仕事へ集中するようにと注意した。
「あれ、こっちに。」
「それはあっち。」
とかなり抽象的な言い方になり、段々と単語のみを発し始めるシカマル。
話す暇もないのはわかるけど、せめて主語と述語は使ってほしいと思う。
さすがに、コレはきつい。
お茶をしてからずーっと、書類整理や資料集め。
かなりの量を処理したはずなのに、終わる気配を未だ見せず。
後どれだけあるのだろうか、想像もつかない。
事の発端の綱手は疲れて先ほどから机の上にしみを作っている。
書類を汚していないのはせめてもの気遣いなのか。
それをとがめもせず、もくもくと仕事に没頭しているシカマルになんだか熱いものを感じた。
同じように付き合わされて貫徹してしまった仲間への同情なのか、感動なのかはわからないけれど。
一刻も早く終わらせるために、サクラは奔走した。
窓から空を見上げると、まぶしくて顔をしかめる。
あぁ、朝になってしまった。
せっかくのオフが…。
がく、と疲れて体が下に落ちそうになるが、窓枠にしがみつき何とか立て直す。
危なく床と激突するところだった。
はぁ、とため息をつきながらも、シカマル一人に任せて、綱手と一緒に寝るというわけには行かず。
何とか神経を張り詰めて、書類をかき集めるのだった。
グデー、となりながらもなんとか集めた資料をシカマルに渡した。
「ありがと。」
礼を言うと、その資料を見ながら、シカマルが書類にさらさらと書き記した。
「終わったぞ~~!!」
ポン、と持っていたペンを床に放り出した。
ウー、と奇声を発しながら、腕を伸ばして、座ったままで固まった体の凝りをほぐす。
「ほんと!?」
「あぁ、お疲れさん。」
「やったぁ。お疲れ様!!」
それまでの疲れから、やっと終わったという開放感に爽快な気分になる。
何かハイな気分になり、すごく嬉しい。
「ありがとー!!」
となぜかお礼を言いながら、サクラはシカマルに抱きついた。
「お、おい!」
焦ったように言葉を発すシカマルに、サクラは正気に戻る。
「あ!ご、ごめん!何かテンションが上がっちゃって!」
慌てて離れようとしたが
「サ、サクラちゃん!?」
声の下方向へと二人は視線を流すと、そこには青ざめたようなナルトが呆然と突っ立っていた。
「あ、その!…お邪魔してごめんってばよ~~!!」
踵を返して、ダダダダと足音をさせて去っていくのだった。
もし効果音をつけるとしたら、ウワーンと書けるくらい、可哀相な後姿だったという。
「何だったんだ?」
「どうしたのかしら?」
呆然とナルトの後姿を見送った二人が、その後慌てて離れたのは言うまでもない。
銀時の扱いがかなりひどいです。銀時好きの方は注意してください。
急いで書いたので、かなりの短文です。
しかも話もあまり進んでないよ~!
という感じなのですが、お付き合いいただければと想っております。
それでは下のほうからどうぞ。
第6話 焦り
近藤の部屋を出てから、山崎は最高速度で走っていた。
ビュンビュンと肩が風を切った。
なぜ気がつかなかったんだ、旦那は危ないってわかっていたのに…と山崎の頭の中には自分を責めることばかりが浮かぶ。
どうしようもない焦りから、早く早くと気持ちばかり急いてしまう。
しかし何かあってからでは遅いのだ。
もし銀時が土方に何かしていれば、山崎は迷うことなく銀時を切るだろう。
土方が止めても、自分が切腹することになっても。
早く、早く、と。
副長の部屋が視界に入り、心配で気持ちが急く。
副長!
バット障子を開けたそこには…
ヤバイ!ヤバイ!ヤバすぎる!!!
目の前には天敵である銀時、そして畳の上に鮪のように俺は横に寝かされていた。
頭の中に後悔と怒りがふつふつと湧き起こる。
なぜ俺は銀時と二人きりなのか。
なぜこいつに押し倒されなければならないのか。
なぜ、山崎と沖田を二人で行かせてしまったのか。
っていうか、腕が動かないんですけど!!
「くそっ!冗談はやめろって!」
「俺はいつでも本気なんですけど、せっかく二人きりなんだから楽しもうよ?」
銀時は笑いながらも、土方の腕をがっちりと拘束し、土方の耳に口を寄せてふーと息を吹きかけた。
「うわっ!!」
土方の背筋にゾゾゾと悪寒が走った。
マジでキモすぎる!
銀時に息を吹きかけられ、土方は全身に鳥肌をたてた。
土方はこの瞬間、銀時を殺すことを決意した。
「このくそエロ野郎!さっさとどきやがれ!」
腕を押さえられ動かせないので足を振り上げて抵抗するが、銀時はヒョイヒョイと器用に避ける。
「抵抗されると俺って燃える方なんだけど。」
土方は銀時の下でかなり暴れていたので、着ていた隊服の前がはだけてしまった。
土方はそれを慌てて治そうとしたが、銀時が腕をつかんで離さない。
「往生際が悪いんじゃない?」
でもそこがかわいい、と顔を近づけてきた銀時。
土方が離しやがれ、と暴れようとしてもいっこうに気にする気配がない。
くそ~!!駄目か!!?
と覚悟を決めた瞬間。
バタン、と障子が開けられて。
俺と銀時は驚いてそちらの方を見た。
顔をそちらの方に向けると同時に耳の辺りにシュ、と鋭く風を切る音を感じた。
その直後に壁をぐさりと突きたてる音が響く。
え?今横を何かが通った?
恐る恐る、後ろを向くと、見事壁に突き刺さっている短剣が目に止まる。
ははは、と苦笑いを浮かべて前を向くと、同じように怯えたような笑いを浮かべた銀時がいた。
俺と銀時の間をあの短剣が通ったんだよな。
それを実感して、更に背中に悪寒が走る。
こえぇ。
それが二人の思いだった。
数センチ間違えば銀と気と土方どちらに当たっていてもおかしくなかったのだから。
それくらい二人は顔は近づいていたのだ。
しかし、それだけで短剣を投げてくる男も恐ろしい、銀時はそう思った。
短剣を投げられてから、ずっと殺気のような冷たい視線を背中に感じていた。
本当に、怖い…ここに来たことを後悔したいくらい、それは心の底からの恐怖だった。
「副長!大丈夫ですか!?」
局長室から全力疾走でここまで走ってきた山崎は少しだけ息を切らしていた。
息を切らしつつも、二人の体制から瞬時に何が起こっているのかを察知した。
考えるまもなく、胸元から担当を取り出して、二人の間に放った。
本当に無意識の行動だった。
無理やりであろうと、合意の上であろうと(絶対それはないと思うけど)許せない光景だった。
「あ、あぁ。大丈夫だ。」
壁に刺さった短刀を見ながら、何とか声を絞り出した。
先ほどまで銀時に襲われるかもしれないという恐怖から、短刀へと移って。
緊張していた体にやっと安心感がいきわたる。
本当ですか、と心配そうに気遣う山崎にふっとほほが緩む。
「ありがとう。助かったよ。」
くしゃ、と髪をなでると、山崎もほっとしたように微笑んだ。
なんかいい雰囲気だなぁ。
横目で二人を見て、そう感じた。
しかし先ほどの山崎を思い出し、ブルリと体が震える。
普通、短刀なんて投げねーって。
しかもすぐそばには土方もいたのに。
いくら腕に自信があっても普通の神経ならそんなこと出来っこない。
いつも地味で皆から派知られて大変そうだな、としか思っていなかったけれど。
さすが新撰組にいるだけあって、一癖も二癖もありそうだ。
しかしここにこのままいれば、この後どんな目に合わされるか…
逃げなくては!
こそこそ、と体を小さくしながら出口を目指す。
しかし狭い空間内のことだから、逃げ出そうと動く銀時に気づかないはずがない。
出口の方へ向かう銀時の服をガシッと掴み
「どこに行かれるんですか?」
あくまでも静かに…しかし怒りを感じさせる山崎の言葉に、思わず後ずさってしまう。
「え、いや。銀さん、用事思い出したから帰ろうと思って。」
ははは、と頭をかきながら、銀時には笑うしかなかった。
自業自得だ、とでも言いたげな土方を背に、山崎はさわやかな笑みで近づいてくる。
この笑みの裏でどんな恐ろしいことを考えているのか。
愛想笑いを浮かべるものの、背中に冷たい汗が流れた。
「副長はこのままゆっくりと休んでください。」
笑顔に押されるように、あぁと土方は小さくうなずいた。
「じゃあ俺は一仕事してきますんで。本当に休んでくださいね」
土方に念を押すと、山崎は銀と気を引きずって部屋から出て行った。
「ね、ねぇ!仕事するんなら、俺はもう帰ってもよくないですか!?」
「何言ってるんですか?人の話し聞いてました?復調に仇なすものを消すのが俺の仕事ですよ?今から一仕事するって言ってるじゃないですか?」
ね、と前を歩く山崎が振り返る。
何をされるのか考えると、心身恐恐の銀時だった。
「……優しくしてね?」
「…死なない程度に。」