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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/24 (Tue)


この痛み、胸に秘め


ほろほろと。
胸がぎゅぅっと痛くなる。
あの人のことを考えると痛くて痛くて。
まるで心の中で雨が吹き荒れているようだ。
あの人は俺を選ばなかったけれど。
そのことを責めたことなんて一度もない。
笑って、おめでとうございますと。
そういえた俺を自分でほめてあげたい反面、どうしようもない無力感に襲われた。

それでも引く手数多のあの人は、旦那がいても前と変わらず噂は回る。


旦那を唯一と決めてくれたらいいのに。
そうしたら、俺もまだ諦めがついた。
本人から聞いたわけじゃないけれど。
回り、回ってその噂は、俺のところへ。
限界は近い。
これから俺はどうしたいんだろう。
どうすればいいんだろう。

それでも俺は副長の戌。
命令があれば、なんでもする。
感情を殺して、表情を抑えて。
たとえ恋敵のためであっても、
副長を悲しませるような事態には絶対にしない。


「あれ~ジミィくんじゃない?どうしたのこんなところで。」
「あれっ旦那じゃないですか。こんばんは。」
万事屋の旦那を見つけたのは、町のはずれの狭い道で。
両側から刀を持った男たちに挟まれているところだった。
何をしたのだろうか。
敵方の男たちはものすごい形相で銀時に暴言を吐いている。
「実はねぇ、コンビニに甘いもの買いに出たんだけど、からまれちゃって。すぐ帰るつもりだったから刀持ってこなかったんだよね。」
「へぇそうなんですか。大変ですねぇ。」
敵を間に挟んだまま、二人の会話は続く。
二人が平然と刀を振りかざした男たちを無視したからかなんなのか、突然怒りだした。
そして銀時と、山崎のほうに向かって刀を向けた。
「ごめんねぇ。巻き込んじゃって。」
「本当ですよ!俺今日非番なのに。」
と男たちの相手をしつつも会話は続く。
キーンと高く響く音をさせながら、振り上げられた刀を自分の刀で受け止めた。
力で押されては勝てないことを身をもって知っていたので、早々に刀を離す。
そして次の瞬間に山崎は男の首を刀で突き刺していた。
銀時はその姿に一瞬眼を奪われる。
戦えば俺のほうが強いだろう。
山崎の上司でもある土方や沖田も、1対1で戦えば山崎が負けると思う。
しかし小柄な体で刀を振り回す姿は、神とも死神とも見まがう神々しさだ。

ざっしゅ。
最後の一人に山崎が止めを刺した。
地には倒された男たちの屍と、その体から流れ出す赤い血がべっとりとついていた。
いくら町から離れたところとはいえ、これはまずいんじゃないのだろうかと考えていると、山崎がどこからともなくホースを持ってきて辺りを流し始めた。

「いやぁ銀さん一人だったら間違いなくやられてたよ!ほんとにありがとう。」
旦那は俺に大げさなくらい礼を言うと共に頭を下げた。
俺があんたを助けたのはあんたのためじゃない。
あんたがいなくなったらあの人が悲しむだろうから。


「いいですよ。それより、暇なら副長のところに行ってあげてくださいよ。最近全然あってないでしょ?」
「うーん、行きたいのは山々なんだけど、銀さんもいろいろ忙しくてねーそれに多串くんもいろいろ噂聞いてるしさぁ。」
そう旦那にとっても土方さんが唯一ではなく、他にも相手がいた。
何で相思相愛なのに、浮気をするんだろう。
何度考えても答えは出ない。
「…なんで二人とも浮気するんですか?唯一の人がいればそれでいいと思いますけどねぇ。」
「なんでかな。最初はそれでよかったんだけどねぇ。ジミー君はそういう相手いるの?」
ギュッと痛みを訴える心を無視して、俺は答えた。
「俺は…いませんねぇ。いるとすれば、新撰組…くらいかなぁ。」
はは、と山崎は淋しそうに笑った。
心に浮かぶのはあの人だけど。
この思いを伝えることなんてないだろう。
俺はそれでいいのだ。

痛む胸はそう繰り返し自分に言い聞かせるたびどんどん痛みは重くなっていく。
この胸の痛みが取れる日は来るのだろうか。

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ネタバレですので、本誌を読んでいない人、コミックはの方はご注意ください。

こっから先は、ただの私の感想です!

 

 

NARUTO  ナンバー338.人を呪わば…

先週まで、シカマルピンチ!だったので、どうなるかと思っていたときに、ナルトたち援軍登場!

二手に分かれていたので、もしかしてシカマルの方はどうなるのるのかと思っていたのですが、予想を見事裏切られました。

シカマルかっこいいしびれました~!見事策を講じて、敵を捕獲!アスマの敵をとることが出来ました。

アスマの火の意思はシカマルに受け継がれ、これからシカマルはますます逞しく成長する予感

次週はナルトが修行の成果を見せ、活躍しそうでますます見逃せません!

 そういえば、アニメの方も木の葉の恩返しみたいな感じで、おもしろかった!やっぱり女性との関わりが多いという設定があるのか、シカマル両手に花状態で面白かった(笑)テマリ、シカマルが助けに来てくれて内心嬉しいけど、その横にいる女は誰!?みたいな…だったらおもしろういのに。

 

銀魂 第百四十九訓 人生もゲームもバクだらけ

OWee争奪戦、三回戦。銀時、神楽vs土方、沖田でPRG!めちゃめちゃ笑ってしまった!

銀時と土方の扱いが面白すぎる!いきなり毒、死ぬって…棺おけ姿の土方、置き去りってっ!

ってか登場人物が武器ってどういうことって感じ(笑)笑いすぎて、お腹が痛くなりました。

 

REBORN 標的129.死ぬ気の零地点突破

なんか最高潮の盛り上がりを見せてます!段々ツナの顔がリーダーっぽくなってきました!零地点突破、改?ってどんな技なのかなぁ。この戦いのその後が気になります。

 

ONE PIESE 第441話.バナロ島の決闘

エース、火vs黒ひげ、闇。エース大好きなんですけど、闇の力…負けないと信じてます!それにしてもルフィ家系って皆すごい人ばっかりだなぁ☆

 

2007/01/24 (Wed) 感想 Trackback() Comment(0)
 
てくてくと。
いつもと違う道を歩く。
アカデミーが終われば、いつものんびりと帰途につくことができていた…今までは。
いつも平常心を保つ、というより感情の乱れが少ないと自覚していたシカマルにも、わずかだが体に緊張が走った。
いくら頭が人より数倍よく、実力を持っていたとしても、今は戦乱の世ではない。
何年も、戦のない木の葉でシカマルは生きてきたのだ。
戦乱の世であれば、実力さえあれば何歳であろうと、戦力として実力にあった任務につかされていた。
しかしその時代は当の昔に終わり、今のアカデミーでは規定の年数在籍し、試験に合格したものが忍びになるというシステムをとっている。
したがって、今回のシカマルの人事は異例のことなのだ。
しかしシカマルが緊張を感じたのは、その人事に対しプレッシャーを感じたからではなかった。
シカマルに人事に対し、面倒くさいとしか思ってはいなかっかったが、他人には知られたくなかった。
誰一人知る人のいない集団に入るに当たって、まず気をつけないといけないことは周りから付け入る隙を与えないことである。
もしシカマルが火影の推薦というだけで、暗号解析部に入ったと知られれば、それ相応の妬みを買うことになるだろう。
また足を引っ張ろうとするやからも出るかもしれない。
俺だけならば、そんな輩のことなんて気にも止めないところだが、これからイノとチョウジもここに入ってくるのだ。
居心地のいいところにしておかなければ…とそれだけがシカマルにとって唯一の気がかりだった。
まぁその気がかりも当然のものといえる。
本人たちが乗り気であってもイノとチョウジが解部に行くことになったのは、シカマルが巻き込んだせいなのだから。
 
 
 
 
 
シカマルは解部の部署のある棟の近くまで来ると、父を参考にしながら自分が大人になった姿を想像し、変化の術を使った。
「ち、これじゃぁ奈良家の血縁だってすぐにばれちまうな。」
モクモクと煙の中から出てきたのは、20代前半の黒髪を垂らした長身の男だった。
確かに髪型、顔つき、特に目つきなどは父のシカクの若かりし時代を思い出させるようなものだった。
若干、変化したシカマルの方が物腰が優しそうで頼りになりそうな感じがし、人をひきつけるような魅力を放っていたのではあったが。
「よし、髪をキバみたいに短髪にして、眼鏡を常時かけてりゃ、わからねぇだろ。」
印を組むと、スルスルスルと長くまとめられていた髪が、短くなり、ついには髪を結んでいたゴムも必要なくなるほどにまで短くした。
そして度の入っていない黒縁の眼鏡をかけて。
「こんなもんかな。」
最後に自分の装備してきた忍具などに不備はないかを確かめ、シカマルは棟の中に足を踏み入れた。
 
 
 
 
 
 
中に入ってみると、壁や床の作りはアカデミーと同じだということがわかり、ほっと息をつく。
ただ、シカマルが火影に教えられた位置は地下へと続く階段を下りなければならなかった。
やっと「暗号解析部」と張り紙のされた、ドアの前にたどり着きほっと一息つく。
そして、火影に手渡された解部専用の鍵をドアの鍵穴に差し込んだ。
カチャリ、と小さいながらも音を立て、シカマルはゆっくりとドアを開けた。
そして、シカマルの目の前に広がったのは…
山済みとなって詰まれた書類が何束も机の上におかれどの忍びも無言で机に向かう、という光景だった。
俺、ここで働くのかよ。
とてつもなく面倒くさくなることをひしひしと感じ、このまま逃げ出したほうがいいのではないか、という考えが浮かび、ドアを閉めようと手が伸びた。
しかしその伸びた手をがっしりと握り締められ、シカマルは困惑する。
「君が火影様の言っていた人かい?」
「え!?あ、まぁ。」
「そうか、今は猫の手でも借りたいほど忙しいんだよ。調度いい時に来てくれた!ぜひ手伝ってくれ。」
がし、と片方の手もつかまれ、シカマルは涙ながらに懇願され、なんだこの暑苦しい雰囲気は…と火影の口車に乗ってしまった自分が情けないと思った。
「おさ~!参謀の方からお電話が来ていますよ!」
後ろの方から電話口を押さえた女が、この男を呼んだ。
男はちょっと待ってて、と俺に言い残すと急いで電話のほうへ向かった。
待っててといわれても、正直俺の頭の中は帰りたい、面倒くさそう、熱い、とこの部署に対して嫌なイメージでいっぱいだった。
というかさっきあの男、長とか呼ばれてなかったか!あんな疲れそうなやつが上司だなんて…
ここに来たことをホトホト後悔するシカマルだった。
 
「え?そんなこといわれても、こっちだって精一杯動いてて、そっちに回す人員なんて一人もいませんよ」
「だから、無理だって。一人でもいいなんて言われても…今日中に終わらないと困る?それはこっちだって一緒ですよ。」
「…わかりました。一人だけ回しますから、でも後でちゃんと返してくださいよ!」
話が終わったのか、長と呼ばれる男はシカマルの方に早足で歩いてきた。
ひどく申し訳なさそうな顔で。
「君、悪いんだけど、今人手が足りないって泣き疲れた部署があるんだけど、そっちのほうに向かってくれないかな?」
「…」
男の対応を聞いていた、シカマルは9割方そうなるだろうなと予想していた。
「ね!頼むよ」
お願い!と拝み倒すような勢いでその男に頼み込まれ、シカマルは仕方なく了承した。
「いいっすよ。」
しかしシカマルは憮然としないものを感じていた。
確かにこの場を離れることができるのはうれしい。
しかしアカデミー生の俺がわざわざここまで来させられたのに。
他の部署へいって手伝ってくれ、とは。
少しなめられているような気もしないではない。
それにあの長という人間は俺が何者のかも聞かなければ、その部署名さえも説明しない。
めんどくさいと思って俺は聞かなかったけど、これでよく長を勤めていられるな、と内心あきれていた。
「場所はここを上がって、右手にあるから。頼んだよ!」
「わかりました。」
イライラする感情を抑え、ドアをあけその男の教えた場所へと歩き出す。
しかし胸に感じるわだかまりは消えることはなかった。
 
 
 
 
解部の長が教えてくれた場所のドアには解部と同じように張り紙がされていた。
「参謀部」と。
「…まじかよ。」
参謀部といえば、任務遂行のために戦略を練ったり、ランク別に分類された任務の編成チームを決定するような部署だと聞いたことがある。
もちろん、最終的には火影や上層部の意向に沿わなければならないのだが、忍びの生き死にを握っているといってもいいといえる。
そしてこの部署に勤めることは木の葉の忍びたちの中で、とても名誉なことであると考えられていた。
なぜかといえば、この部署に勤めるには頭がいいことはもちろん、ある程度の強さも求められる。
なにしろ里の機密の一切を握っているのだ。
弱い忍びに守りきれるようなものではなかった。
その参謀部が、解部に頭を下げてまで人を貸せと頼んできたのにはわけがあった。
参謀部内で風邪が流行し、優秀な人材の多くがダウンしていたからである。
普段であれば、15人前後が出勤し、部屋の中も活気に溢れていたが、今は休む暇もない、みなが仕事をし続け殺伐とした雰囲気が彼らを覆っていたのだった。
ガチャ、とドアを開けても誰一人として書類から顔を上げるものはいなかった。
入り口に一番近い位置に座っていた女性が仕方がないとばかりに立ち上がり、はぁ、と完全にやる気のうせたシカマルの方に向かった。
その女性の頭にはキラキラと綺麗な細工の施されている櫛が光っていた。
木の葉ではもっとも多い黒髪を綺麗にまとめていて、とてもよく似合っていた。
その姿が本物であるかはわからないが、年は20代、雰囲気がとても大人っぽくて、並の男なら話しかけられただけで魅了されてしまうかもしれないほどだ。
もちろん、この女性も自分の魅力をよく知っていたし、実際男に振り回されたこともなかった。
「こんばんは。あなたは…ひょっとして解部のほうから回されてきた人かしら?」
「そうなんすけど…俺、参謀だって聞いてなかったんで…」
声をかけられ、一瞬帰ればよかった、と後悔の念が沸き起こる。
さっきから後悔してばかりだ。
「で、長の方はいらっしゃいますか?」
「今ちょっと書類を出しに出てていないのよ。もう少ししたら帰ると思うんだけど。」
「そうっすか。わかりました。」
シカマルは抑揚なく返事した。
「でも手伝いに来たんで所来た以上手伝ってもらうわよ?」
「はぁ、お願いします。」
「こちらこそ。よろしくね。ところであなたのお名前は?私は瑠姫っていうんだけど。」
「俺は黒雲といいます。何を手伝えばいいんすか?」
なんだか、新人っぽい助っ人ね?
それが瑠姫がシカマルに感じた第一印象だった。
眼鏡もダサいし、やる気なさそうだし、押しが弱そう。
ついでにいえば、かなりのめんどくさがりに見える。
「そうねぇ。」
ちら、とデスクの方に視線を向けるが、皆自分の仕事に精一杯でこちらに気を回す余裕はなさそうだ。
しかしいくら解部から来てくれたといっても、重要な書類を外部のものに任せることは出来ない。
ここは期限の迫っている、可もなく不可もない書類をお願いしようかしら、と自分の机の上からシカマルに任せてもよさそうな書類を選ぶ。
「じゃあこれを…そこの空いている机でしてもらっていいかしら?」
「わかりました。」
「わからないことがあったら何でも聞いてね?それと責任者の欄には…黒雲と書いておいてね。」
「はい。」
100枚以上あるかと思われる書類を受け取ると、すぐいすに座って、シカマルは仕事を始めた。
瑠姫は自分に対して、シカマルが顔を赤くしたり、じっと見つめたりしなかったので少し驚いていた。
見られることは瑠姫にとって、日常だったからだ。
しかし新人をいつまでも気にしている暇はなかった。
期限を迫られている仕事は他にいくらでもあるのだ。
渡した書類もかなりの量があり、すぐには終わらないだろう、そう高をくくっていた。
 
カチ、カチ、カチ。
時計が時を刻む音と、書類に書き込む音が、部屋を支配した。
どれだけ時間がたっただろう、と瑠姫は時計を見るが、5時半、まだ10分とたっていない。
当然だ、目の前に詰まれた書類の山も全く減っていないのだから。
しかし溜まりに溜まった疲労は簡単に瑠姫から集中力を奪う。
そして段々とまぶたが落ちそうになっては、頭を振り、必死に意識を取り戻す。
なんとか意識を取り戻し、書類を固唾家用とした瞬間、背後から肩を叩かれた。
「すみません。さっき渡された書類出来上がったんですけど、チェックしてもらっていいですか?」
え、ととっさに時計を見る。
さっき見て、意識がなくなって…それでも書類を渡してから20分くらいだ。
「あ、いいわよ?ありがとう。」
どうぞ、と渡された書類に目を通し、私の体がさっと冷たくなった。
あんなに短時間でこんなに大量の書類を処理したのに、どの書類にも的確に、そしてわかりやすく書かれていた。
いくら処理能力が高くても、このスピードは速すぎる。
私なんて比べ物にならないくらい。
ピシり、と瑠姫は自分のプライドにひびが入るのを感じた。
頼りなさそうな新人、そう思っていた奴に、劣等感を感じさせられ、かぁっと胸が熱くなる。
しかし、それを表に出すわけにはいかない。
「えぇ、助かったわ。ありがとう。」
「いえ。それで、俺はもう帰ってもいいんでしょうか?7時までには帰りたいんですけど…」
ピクリ、と瑠機の口元にゆがみが走る。
「そうねぇ。後もう少し手伝ってくれたら帰ってもいいわよ。」
ちら、と自分の書類の方を見ながら、書類をより分ける。
書類をより分ける最中に瑠姫は黒雲にちょっと痛い目にあわせてやりたい、と思っていたので。
書類の中でも、かなり難しそうな部類の書類の束二山をシカマルが座っていた机の上に置いた。
「じゃあこれ頼むわね!これ終わったら、今日は帰っていいわよ。」
先ほど渡した書類とは違い、難度がかなり高いものばかりだ。
瑠姫はいくら早く処理しても一日はかかるだろう、そう確信していた。
瑠姫の脳裏には国運が申し訳なさそうに誤る姿が映っていた。
せいぜい頑張って、と瑠姫は心の中でエールを送る。
「はい、わかりました。」
書類の量を見ても、表情を変えないシカマルに瑠姫は中を見たら仰天するだろう、とかすかに笑う。
しかしシカマルに私たぶんだけでかなりの量だったが、自分の仕事はまだまだ残っている。
そう、思い直し、自分のデスクに腰を下ろすと、自分の世界に入り込むように集中力を高めていった。
 
 
そしてまた、部屋に沈黙が続いた。
誰も彼も、下を向き、会話をするものはいない。
シカマルは自分の任された書類に目を通して、先ほどと内容の差を感じ、脱力する。
さっきはめんどくせーからてきとーに処理したのに、何で難しくなるんだか…
しかしこれを仕上げないことには帰れない、と思い直す。
そして先ほどよりも、真剣に集中し、書類にすばやく清書しながら、書いている手を止めないように頭を働かした。
シカマルの書類を見る眼光が鋭くなり、書き込むスピードも徐々に速くなる。
書き込まれた書類が横に詰まれ、どんどん山へとなっていく。
そして…
 
 
 
 
「じゃあ終わったんで、帰らせていただきます。」
「え、えぇ。どうもありがとう。とても助かったわ。」
唖然としている瑠姫に礼をし終えたシカマルは早々にその場を去っていった。
「なんて、なんて奴なの?!」
瑠姫はただただ、シカマルの仕上げた書類の山を見つめる。
そこには自分では到底考えもつきそうにないだろう、驚くべき戦略ばかり。
時計は6:50を指していた。
最初に渡した書類とは比べ物にならないほど難しいものばかりなのに、それを難なくあいつは終わらせてしまった。
瑠姫はその応えに対し感心するばかりだった。
始めは少し悔しいとも思ったけど、私の相手になるような奴じゃなかった。
それがわかったから。
ふっと笑いがこみ上げ、シカマルの去ったドアの方を眺める。
「仕事…しなきゃね。」
瑠姫はそういうと、机に、書類を片付けに戻った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
バタン、とドアを閉めて、シカマルはほっと息をついた。
別に緊張したわけではない。
あの、切羽詰った雰囲気が、とても面倒くさかったんだ。
それに今日が初日だというのに、たらいまわしにされ、シカマルは頭にきていた。
俺がわざわざ手伝いに来なくてもいいんじゃないか、という考えが何度も頭に浮かぶ。
手伝うといったからには仕方がないとはいえ、扱いがひどすぎる。
「さてと、帰るか。…今日のお礼をしなきゃなぁ。」
…火影様に。
そう考えながら、シカマルの口元はにやりと、意地悪げにゆがむ。
絶対に何か恐ろしいことをたくらんでいる表情だ。
その表情をチョウジやイノが見ていたら、ものすごい勢いでシカマルに考え直すよう説得を試みただろう。
しかしそのシカマルを見ているものは誰一人いなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
ぶるっと何かが背筋を走った。
「何じゃ?何か悪い予感が…」
「火影様。どうなされたのですか?」
解部ではいきなり火影が来たことで、皆騒然としていた。
なぜこんなところに!?
火影の接待をしている解部の長も内心ひどく動揺していた。
「いや、なんでもない。それより今日からここに配属されたものはどうかのぅ。様子を見に来たのじゃが」
きょろきょろと部屋の中を見回すが、お目当ての者が見つかないようだ。
「まだ7時になってないからここにいるはずなんじゃが…」
「えーと、どなたのことでしょうか?」
「ほれ、先週よさそうな者がおったからこちらに回すと言ったじゃろう。」
しばらく考え込んだ末、はっと頭を上げた。
あは、と顔に薄笑いを浮かべながら、胸の中でやばい、と呟いた。
火影の方を見ると、若干表情が引きつっているように見える。
「黒雲という名なんじゃが…」
「はい、先ほど来ましたが…」
そういわれ、火影はほっと安心する。
「そうかそうか、来たならいいんじゃが…で、そのものはどこにおるんかのぅ。」
「はは、あのぅ…実は、参謀の方で人手が足りないといわれまして…」
「ほう、それで?」
「はぁ、そっちの方に回ってもらいました。」
火影の迫力におされ、段々と言葉の語尾が小さくなる。
そんなに重要な人物だったのか、と詳しく聞かなかったことを悔やみつつ、火影の怒声に耐える覚悟をした。
「ばっかも~ん!!!せっかく配属を了承させたというのに!わしの苦労を無駄にしおって!」
すみません!と土下座でもしそうな勢いで頭を下げた。
大きい声を出し、疲れたのだろう火影ははぁはぁと息を切らした。
「して、参謀にいってからこっちには帰ってないのじゃな?」
「そうなんですけど…私が見てきましょうか?」
「もうよい!わしの方からフォローを入れておくから、次はよろしく頼むぞ。」
そういうと、ドアの方へ振り返り、火影はさっさとその場を退出した。
「申し訳ありませんでした!」
謝りながら、再度深々と頭を下げた。
その頭の片隅で、あれほど火影を慌てさせる人物っていったい何者なんだろう?という疑問が長の頭を占領する。
長の後ろでも、皆謎の人物についてそれぞれ思いついたことを言い合っていた。
あれほど火影が入れ込んでいるのだから実は隠し子だ、とか現実じみていない想像ばかり。
しかし解部に属しているものはどいつも探究心の高いものばかり。
この日からその謎の人物がここに再び訪れるまで、皆の話の種はこの謎の人物のことで持ちきりになることになった。
 
 
原作には全く関係ありません。
私の想像上の人物です。
話の流れで作ってしまったので、今後増えていくのかわからないという無責任な代物であります。
 
 
 
 
オリジナルキャラ
 
 
 
瑠姫<ルキ> 20歳
 黒髪を頭の上で結び、背中の開いた忍び装束を着ている。和風美人。プライドが高く、参謀に所属していることを誇りに思っている。紅と同期で仲がいい。性格は基本的に明るい。相手に対し高飛車な印象を持たせるが、相手がそれでもいいと感辞させてしまう女王様のような風格を持ち合わせている。
2時間半かけて、一気に書きました。
なので、誤字脱字、かなり多いと思います
最初シカマル視点で書いていたら、アカデミー時代から始まって中忍試験まで書いていた途中で、これは話しつながらないだろ!と思い、書き直した
そっちは、別ので完成させたいと思います。
でもなんかボキャブラリーが少ないので、文章が思い浮かばない!
明日は早いからこれでねまーす、(つ∀-)オヤスミー
片想い中の 20 のお題 
05.瞳に焼きついた
 
 
 

 

 

 

玄関は靴を置く場所とは別に、少し高さのある床が部屋の中に続いていた。

座るのにちょうどいいその高さにナルトは腰をかけて、シカマルが出てくるのを待つ。

先ほどのシカマルの父との掛け合いを思い出しながら。

 

あんなに暖かく知らない人に迎え入れてもらったことなんてなかったから。

シカマルの父親が俺に対して、自然に接してくれただけでも奇跡なのに。

すまなかったと謝罪までしてくれて。

あぁ、この人にシカマルは育てられたんだな、と感じた。

俺はこの腹に封印された九尾のおかげで、里中から憎まれて育ったから。

幼い頃に傍にいた人たちも皆俺を汚らしいもののようにさげずみ、扱われるのが日常で。

大人は皆、本当に信じることなんて出来ないと…思っていた。

その考えを今も変えることはできない。

俺を守ってくれた今は亡き三代目火影でさえ、必要とあらば俺を切り捨てただろうから。

もしその決断をじっちゃんがしていたとしても、俺は恨まなかった。それは火影としての責任の上に成り立つ判断なのだから。

じっちゃんは俺に様々な知識、強さ、そして感情を教えてくれた。

そしてじっちゃんなりに俺の居場所を作ってくれた。

…でももし、俺の本当の力を知ったらどう思われるのだろうか?

やはり、危険視されるのだろうか。

そんな未来は容易に想像できて、心の中に黒いものが沸き起こる。

未来について考えている時にふと頭に思いついた。知られなければいいのだ、と。

誰も知られなければ、俺の日常は壊されることはないはずだ。

ここまで考えて、あっとうつむいていた頭を上に上げる。

 

生まれた時から、虐げられてきた生育環境からか。

ナルトは常に何か危険があるかもしれないということを頭に入れて行動をするようにしていたので、ついつい悪い方向ばかりに向かってしまう。

そしてその悪い方向に考えたことが、大概当たってしまうので、余計に疑い深くなったのであるが。

ぼんやりと部屋の方を見つめながら、そんなことを考えていると、上の方で大きな音がした。

ナルトは上で動く気配を察知し、思わず立ち上がった。

ドタドタとどこからか音がして。

そんなに急がなくてもいいのに。

そう思いながらも、なるとの口元はゆるんでしまう。

シカマルらしくなくて…それが俺のせいだったら、嬉しい、と。

 

 

「すまん、待たせた。」

 

 

そう言いながら、玄関の方にシカマルは早足で駆け寄ってきた。

ナルトはシカマルの声を聞いて、遅い、と文句の一つでも言ってやろうと、シカマルの方に向いた。

 

見た瞬間、息を吸うのを忘れるくらい。

 

自分でも自覚できるくらい目を見開いて、じっと見つめていた。

 

 

いつもは上で一つ結びにされている頭も、今日は下に降ろされていて。

服装もいつもと違い、全身黒で統一されていてかっこいい。

髪も瞳も黒で暗くなってもおかしくないのに、影を操る家系だからか黒をまとうその姿はとてもよく似合っている。

今まで何で気づかなかったんだろう、ってくらい、男前で。

サスケをかっこいいって、女の子は叫んでいたことに疑問が浮かぶくらい、決まってる。

誰かの容姿をほめるなんて初めてだったけど。

言葉にならない言葉がのどから出てくるのを押さえるだけで精一杯だった。

ほほが赤く染まってないかがとても心配で。

誰か鏡を貸してほしいくらい。

 

 

「おはよう。待たせたな。」

「うぅん。朝早くにごめんってば。寝てるかもなぁってちょっと思ったけど、やっぱ寝太郎だってばよ。」

 

ジーと見とれそうになりながらも、何とか視線をずらす。

俺はどんなに動揺することがあっても、演技だけは完璧にしなければならない。

シカマルにだって、それを悟られてはならないのに。

 

「情けねーけどその通りだな。起こされねーと寝たまんまだ。」

「あははは!シカマルっぽいってば。」

「売るせー。じゃぁ修行の成果を見せてもらいますか。」

「おう!びびるなってばよ?」

 

ナルトは見惚れそうになるのを抑え、シカマルから必死に目を離そうとした。

でも頭の中で先ほど瞳に焼きついたシカマルがチラチラと浮かび。

普通にいつもと違う格好の事を聞くのって、普通だよなとナルトは思い直す。

振り払うようにシカマルに話しかけようと見たら

 

「今日いつもと服装違うから大人っぽいな。似合ってるじゃん。」

 

カァァァと。

絶対に顔が赤くなってる!

くそっ!!感情がコントロールできないなんて初めてだ。

ほほがほてるのが押さえられない。

仕方がないから、シカマルの顔と逆の方向を向いて、崩れそうになった顔を隠す。

そしてこんなことくらいで動揺するな!と己自身を叱咤して。

 

「やっぱりぃ~?俺もそう思うってばよ。」

 

軽口をたたきながらも、シカマルのほうを見ることが出来ない。

ぜってぇ、こんな顔見せられない。

それに俺がそれ言いたいと思ってたのに…と落ち込みつつ。

そして動揺しているナルトの横では、不思議そうにシカマルがナルトを見つめていた。

俺、そんな変なこといったかな、と思いながら。

 


2007/01/12 (Fri) お題 Trackback() Comment(0)
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