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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/13 (Fri)

ども。久々の投稿です(汗

短編の興味の続きです。
そしておまけのようなものでかなり、短いです。
しかもナルトもシカマルも出てきません。
CP要素ゼロです。

本当にすみません!!!って感じです。

他の続きを早く書きたいのですが、なかなか筆が進みません(涙
気長にお待ちいただけたらと思います。

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<仮>瞳を開けば...。2昨日は不手際があり、本当に申し訳ありませんでした。
そしてご指摘下さった方には感謝の言葉しかございません!ありがとうございます!
そして早速、というほどではありませんが、再投稿させていただきました!
待っていただいたというのに、シカマルが全く出てきませんので大変心苦しいのですが…、
一刻も早く次が更新できれば、と思っております。

ナルト←カカシ話です。
    カカシ好きさんは見ないほうがいいと思われます。

 

 


--------------------------------------------------------------------------------

 

 

 


「なーんか、むかつくんだよねぇ。」

 

 

 

ポツリとつぶやくその姿はとても悲しそうで。

 

まるで何かを耐えるように。

 

グッと力を入れてこぶしを握りこんだ。

 

顔のほとんどは布やら額宛で隠されていたが。

 

 

唯一隠していない右の瞳の奥には、焦りのような、怒りのような感情が映し出されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.

 

 

 

 

 

 

 

それはシカマルが深い眠りから目覚め、解部へ向かい仕事に精を出し始める数刻ほど後のこと。

 

あたりは日が沈み、街灯がなければ道が見えないほどに暗くなっていた。

 

足元ですら、暗くて何も見えないほどに。

 

 

 

その闇を利用するがごとく、木の葉のはずれの森には二人の暗部が姿を現し、木の枝を飛び駆けていた。

その姿を目に留めるものは誰もいなかった。

 

 

いたとしてもその者に与えられるのは死か、記憶を消されるかの二択のみ。

暗部は通常仮面を被り、火影に与えられた名を名乗る。

何らかの特殊な事情がない限り、正体を明かすことはない。

しかしその通則を破り、全里に名を知られ、仮面が意味をなさない者がいた。

 

その名を畑カカシ。

 

齢13歳にして上忍へと昇格し、里内でも高い評価を得て天才忍者として噂にのぼる事が多い。

そしてカカシはうちは一族ではないものの、ある時期から瞳術を使うようになった。

里外でも知られるほどに有名になったうちは一族の一部のみが会得できる瞳術:車輪眼。

敵がある程度の知識と実力を持ち合わせているのであれば、カカシだと気付く者は少なくない。

そのためか、最近ではまったく仮面をつけなくなったようだ。

 

 

しかし天才と聞こえ高いカカシが後方に着き、息を切らしながら走っている。

 

…どうやらカカシは全力疾走しているようであるが、追いつけていない。

 

 

 

 

 

 

「ね~ちょ、待ってって!っ…弧葉ってば!!」

カカシの言葉に前方にいる忍びはやれやれ、とでも言うように足を止めた。

 「カカシ…まだ任務地にもついてないぞ。担当上忍になってから鍛錬が足りないんじゃないのか?」

 今のうちに…とでもいうかのようにカカシは急いで呼吸を整えた。

 「確かに最近サボってたけど…孤葉が早すぎるんだって!」

 呼吸の荒いカカシを尻目に、孤葉にはそれがよく耳にする内容だけに耳が痛かった。

 

なぜなら部下の…どの暗部の中にも孤葉のスピードに着いてくる者はおらず、カカシと同じようにスピードを抑えてほしい、と懇願されるのだ。

といっても孤葉は全力で走っているわけではない。

そして暗部の質が落ちているわけでもない。

孤葉一人が飛びぬけて、すごいだけの話だ。

 

だから孤葉はあまりスピードを出さないように走っているのだが、如何せん前方を走っていると、どうしても自分のペースで走ってしまう。

今日はいつもよりも足取りが軽く感じるから、余計に。

 

しかしカカシにしてみればたまったものではない。

任務地に着く前にエネルギー切れなんて、情けないことこの上ない。

 

それでも、カカシよりも弧葉の頭を占拠していたのは昨日の出来事。

 

 

早く帰って、アイツと。

 

シカマルと、話がしたいと。


そう は言っても、里に帰り着いた後シカマルに会いになんて行く勇気なんて持ち合わせてないのだけれど。

 

 

 

わかった、と言って孤葉は先ほどよりもややスピードを落として、任務地へと向かった。

 

後を追うカカシには孤葉が楽しそうに見えて。

それがなんだか、面白くなくて。

なぜなら孤葉の機嫌がいい理由に心当たりがあったから。

俺がその理由であったら、踊りまわってしまうくらい嬉しいんだろうけど。

 

…十中八九、原因は昨夜出会った少年、が原因だろうねぇ。

正体を知りながらも、受け入れてくれたこの子の仲間。

カカシ自身、とても驚かされたというのが素直な気持ち。

そして担当上忍と言う立場からすれば、理解者ができてよかったね、と一緒に喜ばなければならないのだろうが。

そんなこと、できなかった。

孤葉には仲間意識とも憧れとも違う、何か特別な思いを感じていたのだから。

 

 

 

俺の方が先に知ったのに。

 

もちろん、暗部からは引退していたので孤葉の正体に気がついたわけでもなければ、ナルトに必要以上かかわっていたわけでもない。

ただ、他の教え子と同じように担当上忍として接していただけだ。

 

だから。

 

知った時に無知だった自分に後悔とふがいなさを感じたのも事実。

 

 

だけど、それよりも。

 

孤葉という存在に、何者にも負けないナルトの強さに引かれたのもまた一つの事実だった。

 

それからのカカシの行動は早かった。

 

火影に直談判後、暗部へと復帰。

 

そして今へと至る。

 

 

 

 

 

それまでとの違いにおかしくなった、とよく言われるがそんなことはたいした問題ではない。

 

 

傍にいられれば、それでいい。

 

自分でもずいぶんと乙女チックな考え方だと思う。

 

それでも、青い瞳が自分を見てくれるだけでよかった。

 

昨日までは。

 

 

 

考えに没頭しつつも、向かってくる敵をなぎ倒す。

 

今日の敵は雑魚ばかりでたいしたことはないようだ。

 

何十といた忍びがあっという間に地へと伏していた。

 

 

ザシュッ

 

 

と最後の一人を孤葉がクナイで引き裂いた。

 

赤い血が広がり、あたりには鉄くさい血のにおいが立ち込める。

 

 

 

「………」

 

 

 

孤葉は無言で印をきった。

 

徐々にあたりに火の気が立ち上がり、10分もしないうちに焼け野原となる。

 

その中心で孤葉は書類を出して、何かを書き出した。

 

どうやら報告書のようだ。

 

その姿を見て、まじめだなぁ、と思う。そしてそこが可愛いとも。

 

 

 

そして。

 

 

 

ふと何かを思い出し、どす黒い感情が濛々と体の中心から沸き起こった。

 

きっとこの感情は嫉妬だろう。

 

ナルトに恋するまで知らなかった、とても汚い感情。

 

 

 

「ねぇ、仮面はずしてくれない?」

 

「…何ではずさなきゃなんねぇんだよ。」

 

心底面倒くさそうな姿に心が折れそうになるケド。

 

「顔、見たいんだよねぇ。」

 
と食い下がって。


「表でいつも見てるだろ。」

 

 

「…素顔が見たいんだケド。」


 食い下がっても。


「無理。」

 
…落ちた。


 

俺はショックで、ガーンと頭をしたたか打ち付けられたような悲痛な顔をした。

 

その表情に罪悪感を感じたのか

 

「今は任務中だ。正体を知られるわけにはいかない。」

 

 

 

と一応フォローらしきものが入る。

 

 

 

「誰もいないし、大丈夫でしょ。」

 

しつこく言い募るカカシに、ナルトは何もいっても無駄だと「はぁ」と深くため息をついて踵を返して立ち去ろうとした。

 

引き止めたくて、ナルトの興味を引くような話題を口にする。

 

「…ねぇ、昨日のことなんだけどさぁ。」

 

「…なんだよ?」

 
ほら、あの子のことなら話をしてくれるくせに。

 

そう思うと悔しくて悔しくて。

 

それでも今の俺にはこれしか彼を引き止めることはできないだろう、と自嘲しつつ。

 

「あの…アスマの班のシカマルって子、本当にナルトのこと秘密にしてくれるのかなぁ、と思って。」

はぁ?と弧葉のどすの聞いた声に、やばい、とカカシは口をつぐむ。

 

 「シカマルが俺のことばらすわけねーだろうが!」

 

とカカシにいいながら、弧葉…もといナルトは昨夜のことを思い出すと、ほほが赤らむ。

幸い仮面をかぶったままだったので、カカシはその顔を目にすることはなかったが。

それはナルトに恋するカカシにとっては都合のいいことだったのかもしれない。

 

 

 

「アカデミーの時から知ってたのに…詮索もせず黙っててくれたんだから…」

 

 

 

そう、本当に昨夜は驚かされた。

あんなふうに自分を受け入れてくれた人なんて、なかったから。

 初めてだった。何も言わずに気づいてくれた人は。

 俺の裏の顔を知っているのは火影と…火影が認めた人達だけだったから。

 だから。

 

 「ってカカシに言っても仕方ねーよな。じゃあ報告書出してくるから。」

 解散、といい終えるとナルトは瞬身の術でその場から消え去った。

 「あ、…ったく帰るの早すぎでしょ。」

 脱力感にはぁーと深いため息がこぼれる。

 何度目のため息だっただろうか。

 

「仕方ない、てそんな俺が関係ないみたいな言い方しないでもいいでしょ。」

 

転がっていた岩に腰を下ろして、少しだけ休憩を取って。

ナルトが何処に行ったのか、とかいうことをいろいろ考える。

 

「……さすがに今日は…我慢するしかないか。昨日、追いかけてってかなり怒らせちゃったし…」

 

 

 

 

 

今からどうしよっかなー、と考えて。

 

空を見上げると、星一つ見えない真っ暗な暗闇が。

 

今日は薄い雲に覆われていて、何一つ指針となるべきものが全くといっていいほどに見えない。

 

空と同じように、カカシの心にももやもやとした何かが広がっていた。

 

出口を探して走り回っているかのように、胸がいっぱいになる。

 

「このままじゃ…ね。やっぱり、あの子とはきちんと話しておかないと。」

 

 

 考えてもこのままでは何も始まらない。

そう考えて、カカシは重い腰を上げて、んーと背伸びをして。

 

 

 

「解部に行くか!さすがに…今日は本人と話すの葉無理だろうけど、解部にいけば…。敵の情報収集は欠かせないっていうからね。」

 解部へ行こうとして「これじゃ…駄目でしょ。」と自身についた血と血の匂いに気付き、風呂に入ってから、とカカシは瞬身の術で自宅へと向かい去った。

 

 シカマルがいないだろう解部に顔を見せることは、カカシにとって情報収集以上の意味をもっていた。

 

一つ目は牽制。

そして、二つ目はカカシが解部にシカマルの情報を求めに行ったことを知った時のナルトの反応。

 

もちろん、カカシが解部にいったことを知れば、烈火のごとく怒るだろう。

カカシは現在暗部に属しており、会部にいく必要は全くといっていいほどない。
任務中に回収した暗号や巻物は報告の際に提出することになっているからである。
暗号を解読してほしい場合も、受付にて書類を提出した上で解読してほしい暗号を提出することになっている。
だから、解部に顔を出すということは何か特別な用事のある場合だけである。

そう、例えば何らかの、誰かの情報をしたいとか。

俺がナルトに執着していることを自覚しているのだから、誰を調べたいかなんて自然と想像がつく。

それでも、怒るだけならばいいのだ。

シカマルに友達以上の特別な感情を感じていなければ。

 

本当のことを言えば、自分以外誰にも好意なんてもってほしくないけれど。

ナルトはこれから木の葉を背負っていく人間だから。

そんな、馬鹿なことを考えるほど自分はおろかではない。

 

だから、思う。波打つ感情を抑えつつ。

ナルトにとって、よい理解者がもっと、もっと現れてくれればよいと。

 

そして、想う。

俺が一番の、理解者になりたい、と。

もちろん理解者という立場のみで終わりたくないとも。

ナルトの特別な、人になりたい、とも。

 

 

矛盾だらけなカカシの感情だが。

それは尽きることはないナルトへの想いの形。

 

恋情にかられた者にとって普通に考えればわかることでも、わからなくなるというのは世の常である。

わかっているつもりになる、ということも。

 

自分がおろかではない、というカカシの理性は…今はとりあえず働いているのだろう。

 

だが。

 

土壇場になれば、良心を裏切ってどのような行動に出るか、なんてこと誰にもわからない。

 

 

 

今はっきりしていることは、カカシにとってナルトが興味を示しているシカマルが、邪魔以外の何者でもないということ。
シカマルが何を考えているかはカカシにとってどうでもいいことなのだ。
敵の情報を知ることは後々役に立つことがあるかもしれない。

ただ、それだけ。そう考えて、カカシは解部に向かうことを決めた。

 

 

 


これから面倒くさいことになる、と朝感じたシカマルの予感は今夜にでも当たることとなる。

感があたったことをシカマル絶対喜ばないだろうけれど。

 

とりあえず、シカマルに危険が迫っている、ということを教えるものはいない。

常人よりも忍びとして鍛えられたさすがの第六感も、生命の危機でなければ働かないのかもしれない。

 

ある意味、死ぬよりも面倒くさいというかもしれないが。

 まだまだこれから、である。

 

 

父に、友人に、恋敵に。

 

と一挙にいろいろな事柄が昨夜からシカマルに襲い掛かってきているような気がしないでもないけれど。

 

そういう星の下に生まれてしまった。
と何事も諦めることが肝心である。

 

すでに物語は始まってしまったのだから。

先日投稿しておりました仮2についてご指摘いただきありがとうございました!
途中で切れてると全く気づいていなかったもので助かりました。不思議に思ったかたもいらっしゃるかと思います(汗)せっかくこんな僻地に来てくださっているのに申し訳ありません。
できることならすぐにでも修正したいところですが…できる状況におりませんのでさげさせていただきました。
月曜日か火曜日にはできるのではないかと考えております。
少しだけお待ちいただければと思っております。

教えていただき本当にありがとうございました!



 

その少年は眠気に身を任せ、太陽の光を浴びて暖かくなっていたシーツへと体を預けた。

  すうすう、と。

 

ほどなくして、寝息をかきだした。

 

 

 

 

この少年の名を奈良シカマル。

 

眠りと平穏をこよなく愛する、自称イケてない派だ。

 

アカデミーでの成績は芳しいものではなかったので、この男に期待をかける教師は皆無といっていいほどだろう。

 

しかしつい先日一部の、といっても数人の間で評価を覆すような出来事が起こった。

 

その少年の父親や、上忍にしてみれば、自分がしたい、してあげたい、と思っていたことを。

ごく自然に、何も考えずにやりのけてしまったのだ。

 

その出来事は少年は孤独を背負った少年へ驚きと安堵を与え、

  青年には焦りと悔しさを、そして父親へは息子への賞賛を。

 

それぞれが何かを思い、考えた。

 



そして影響を与えた人物はといえば。

 

次の日目を覚ましその時のことを思い出した途端、頭を抱える羽目になったという。

 

 

 

 

 <仮>瞳を開けば…。1

 

 

 

 

 

親父にもらった酒が利いたのか、徹夜続きだったのが聞いたのか。
昨夜はいつになく睡魔に襲われていた。

 

だから言わなくてもいいことまで口走ってしまったような気が…。

 

ナルトに……あんな説教じみたことをいう気はなかったというのに。

 

あいつが受けた傷の深さなんて、どう考えたって俺にはわからないだろうから。

 

たまたま情報を知る立場にいたから俺が気づいただけで。

 

チョウジやキバが同じ立場にいれば、同じように考え、行動しただろう。

 

 

 

それに。

 

口にしてしまえば、ナルトのことを知るものへの仲間入りを意味する。

 

その仲間の中には…あの、カカシもいるのだ。

 

解部に出入りするようになって、つい最近、カカシの噂はよく耳にしていた。 

弧葉へのカカシの執着心の強さ、の噂はいくつもあり、とどまる事がなかったから。

 

かかわれば面倒くさくなることはわかりきっていた。

 

昨日も無理やり着いてきたというし。 

本当に、厄介なやつに目をつけられてしまった。

 

 

だが。

幸い班も違うし、意識しなければ会うことはないだろう。

 

と楽観視しておく。というかしたい。

 



 

明日も任務はないし、今日から明日まで解部に泊り込みになるだろうな、と。

 

いつものお泊りセットを持って、家を出る。

 

 

親父は昨日寝るのが遅かったらしく、まだ布団の中だ。

 

お袋に遅くなる、といって家を出た。

 

その時は。

 

またいつもの一日が始まった、と思っていた。

 

 

 

・・・

 

・・・・・・

 

正直、行くんじゃなかった、と後悔しています。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 まだ<仮>タイトルです。いい題が浮かばなかったので(汗
眠気~の次の日解部に行く、という話です。
最後に少しだけ犬塚ハナが出てきます。
医療班だったけど、今だけ手伝いで解部に属しています。
(解部ってイメージでくの一ってハナだけだったので)
三話くらいで終わるといいな~。またまた見切り発車です。

 

 

 

 

 

2007/09/27 (Thu) NARUTO/短編 Comment(6)



興味心







「や、やったわ~!!」

 

 

嬉々とした甲高い声が森の中に響いた。

 

その声には若干の疲れも混じっていたが、それを吹き飛ばすくらい大きな声だった。

 

少なくとも近隣の森の鳥たちが驚いて飛び去ってしまうくらいには。

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、そんなに大声出したら他の班に見つかっちゃうじゃねーかよ。」

 

「た、確かにそうだけど…うれしくて思わず声が出ちゃったのよ!」

 

呆れた用になだめてくるシカマルにそのとおりだと思いつつも、私は素直にそれを認めることができなかった。

 

いつもそう。

 

シカマルの言うことはほとんど正論なのに、シカマルの癖に…と思ってしまう。

 

その原因がアカデミーの成績なのか、幼馴染という関係のせいかはわからないけど。

 

まぁまぁ、とイノをなだめているチョウジの意見は素直に聞き入れることができるのに。

 

「仕方ないわね。さっさと塔に行くわよ!」

 

いつものことだとシカマルは気にしてないようで、一人歩き出した私の後をチョウジと一緒についてくる。

 

アカデミーに入る前から一緒だった私たち。

 

そしてアカデミーに入って少しだけ変わったように見えたシカマル。

 

なぜ変わったのか、それがわかればこの私の気持ちの原因がわかるかもしれない。

 

そんな風に思ったことなんてこの試験が終わる頃には忘れているかもしれないけど。

 

サクラと話したいな、って少しだけ思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギイィィ、と音をさせて。

 

森の真ん中に立つ塔の古びた扉を開けて、ほっと一息つく。

 

「結構時間かかったわね。」

 

ペタリ、と座り込みイノは息を整える。

 

「あぁ。この塔からかなり離れてたんだな。」

 

「僕おなかすいて死にそうだよ~。」

 

持っていたお貸しを全部食べてしまったのだろうチョウジはおなかを抱えて訴える。

 

訴えようとも食べ物なんて当に尽きていた。

だがそれを告げる元気もないくらいにシカマルとチョウジはつかれきっていた。 

 

しかし、それも仕方がないだろう。

 

あれから。

シカマルたちの班は他班の居所を察知し、何とか策を講じて相手方の巻物を奪うことに成功した。

 

そこまではよかったのだ。

 

肝心の…奪った巻物はシカマルたちの求めていたものではなかった。

 

それが2度も続き…その戦いの中でシカマルたちは疲労しきってしまった。

 

諦めようかと思ったくらいに。

 (シカマルは早く終われー、とすでに諦めていたようだが。)

そのたびにイノが持ち前の負けん気を発揮し、2人を引っ張ったのだ。

 


そして…

 

ついに目的の巻物を手に入れたのだ。

 

そのときばかりはそれまでの疲れも忘れ、イノだけでなくチョウジもシカマルも喜びを露にしていた。





 少し休憩を取った後、これからのことについて話し出した。

「で、この塔について何をすればいいのかな?」

  

「あー、どうだろうな?このまま奥の部屋に行っていいんじゃねぇの?」

 

「そうなのかしら?じゃあこの巻物も?」

 

「…おいとけば?集めたからこの門が開いたんだろうし、持って行かなくても

いいんじゃねぇの?」

 

どうでもよさげにぼーとしながら、シカマルは巻物を地面へおいた。

 

ずっと緊張続きだったのだ、正直なところ早く帰って休みたい。

 

「確かにあんたの言うことも一理あるわね。」

 

「僕も早く休みたいよ。」

 

「じゃあ、持ってる巻物を全部出してここにおいていこうかしら。」

 

ポケットやらバックから巻物を取り出して、ポンポンと床へと投げ出した。

 

ありがたみもへったくれもない。

 

正直なところ、散々困らせてくれた巻物を見たくなかったのかもしれない。

 
「やっと休める~。」
だらだらと
重い足取りで、次の部屋へと足を進めようとしたその時。

 

 

 

ボワワーン。

 

と煙とともになんとも気の抜けた音がしたと共に、一つの影が現れた。

 

「おめでとう!!!イノちゃんならできると信じていたよ!!」

両手を広げて涙ながらに喜びを全身で表現する男が。

 

その名を山中イノイチ。

 

山中家当主でありながらこの男、娘命な親ばかとしても有名な男だった。

 

「パパ!??何でここに?!」

 

突然現れたイノイチに驚き、イノは思わず声を荒げる。

 

「はははは、そんなこと決まってるじゃないか?イノちゃんにおめでとうを言いたかったからに決まってるじゃないか。怪我はなかったかい?」

 

「怪我はない…わ。でも、そういうことじゃなくて…」

 

話を聞いて~!と叫ぶイノだったが、その言葉はまったく耳に届いていないようだ。

 

娘の言葉を無視して、再会の感動にひたる父親。

 

その姿といったらウザイことこの上ない。

 

 

そしてイノイチが突然現れたことにシカマルとチョウジもイノと同じように、いやそれ以上に驚いていた。

 

声には出さなかったものの、どこにいたのだろうか、という疑問が尽きることはない…がイノの父親が暴走することはよくあることだったので、いつものことか、と思うことにした。

 

思わなければイノの幼馴染なんてやっていけない。

 

イノイチに巻き込まれればどんなことになるかわかったものじゃない、ということがこれまでの経験上わかっていたのだから。

 

同じ思いをしているチョウジと顔を見合わせ苦笑しながら、ため息をついていると。

 

 

 

ポン、と背後から肩に手を置かれた。

 

バット振り返るとそこにはシカマル達と同じように疲れ顔の男が。

イノイチと一緒に現れたのだろうが、イノイチの印象が強すぎてまったく気づかなかった。

 

 

あぁ、この人も被害者か。

 

と胸の中で手を合わせた。

 

「君たち、お疲れ様だったね。」

 

イノイチに巻き込まれたのだろう、この人は律儀にも巻物の意味やこの状況の説明してくれた。

 

その話によると、俺たちの班の担当はこの人だったらしいのだが、そこにイノイチがごり押しして無理やりついてきたらしい。

 

顔に包帯を巻き、少しだけ人相が怖い印象を与えるが、根は優しい人なのかもしれない。

 

イノイチのことはイノに任せることにして俺たちはいろいろな疑問をぶつけてみた。

 

どうやらあの巻物を開くと、その班の担当者が出てくるように印が施してあるらしい。

 

巻物を広げずにそのままにして進もうとした俺たちにあせって、イノイチが出ようとしたので止めようとしたが止められなかった。

 

実際大半の受験者は巻物を空けようとするらしいが、特にあけなければならない、という規則はないようで。

 

そこまで話し、コテツと名乗った忍びは改めておめでとう、と言い、 その後、改めて床に並んだ巻物へと視線を向けた。

 


ルーキーの中でも特に予選突破が難しいだろう、と思われていた10班が…。 

いくら同種の巻物ばかりだったとはいえ、何本も奪うことができたとは…。


 奪った巻物の数三本、その数は合格者の中でも1,2を争うのではないだろうか。


イノイチは俺の娘なのだから当然だ、というかもしれないが

 

俺にははいそうですか、簡単に受け止めることはできなかった。

 

合格するためには二本の巻物を集めなければならない。

その過程で所持していた巻物を奪われるかもしれないし、奪った巻物が目的の巻物でない可能性も高い。

 

合格のための2本以外の巻物を所持するということは強豪の証なのだ。

 

しかしこの三人からそんな雰囲気は全くといっていいほど感じられなくて。

 

むしろ劣等性、といってしまった方がぴったりくるくらいだ。

 

だから、面白い、と思ってしまった。

 

こいつらの新の実力を知りたくなるくらい。

 

最初に受験者のプロフィールを見て、この班の売りはチームワークと記してあった。
新人にしては珍しい、それが第一印象だった。

 

いくら下忍として働いているといっても日が浅く、まだ子供といってもいいくらいだろう。

子供というものは自分の力を過信し、自己主張が多い。

現に7班においては個性が強く、チームワークは皆無といっていいほどだ。

8班もその点では同じだが、能力の系統が似ているため、比較的連携をとりやすいという情報だ。

だからチームワークを重視しているという10班が個人で戦ったとき、どういう結果をもたらすのか、非常に興味がわいたのだ。他の班と比べて、戦力的に弱かったとしてもだ。


 

こりゃ最後まで見学しねぇとな。

 

 

 

 

 

 

三人が仲良く談笑しているその後ろでは、イノが父親を足蹴にしてはぁぁと深いため息をついたとか。

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