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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/14 (Sat)



興味心







「や、やったわ~!!」

 

 

嬉々とした甲高い声が森の中に響いた。

 

その声には若干の疲れも混じっていたが、それを吹き飛ばすくらい大きな声だった。

 

少なくとも近隣の森の鳥たちが驚いて飛び去ってしまうくらいには。

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、そんなに大声出したら他の班に見つかっちゃうじゃねーかよ。」

 

「た、確かにそうだけど…うれしくて思わず声が出ちゃったのよ!」

 

呆れた用になだめてくるシカマルにそのとおりだと思いつつも、私は素直にそれを認めることができなかった。

 

いつもそう。

 

シカマルの言うことはほとんど正論なのに、シカマルの癖に…と思ってしまう。

 

その原因がアカデミーの成績なのか、幼馴染という関係のせいかはわからないけど。

 

まぁまぁ、とイノをなだめているチョウジの意見は素直に聞き入れることができるのに。

 

「仕方ないわね。さっさと塔に行くわよ!」

 

いつものことだとシカマルは気にしてないようで、一人歩き出した私の後をチョウジと一緒についてくる。

 

アカデミーに入る前から一緒だった私たち。

 

そしてアカデミーに入って少しだけ変わったように見えたシカマル。

 

なぜ変わったのか、それがわかればこの私の気持ちの原因がわかるかもしれない。

 

そんな風に思ったことなんてこの試験が終わる頃には忘れているかもしれないけど。

 

サクラと話したいな、って少しだけ思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギイィィ、と音をさせて。

 

森の真ん中に立つ塔の古びた扉を開けて、ほっと一息つく。

 

「結構時間かかったわね。」

 

ペタリ、と座り込みイノは息を整える。

 

「あぁ。この塔からかなり離れてたんだな。」

 

「僕おなかすいて死にそうだよ~。」

 

持っていたお貸しを全部食べてしまったのだろうチョウジはおなかを抱えて訴える。

 

訴えようとも食べ物なんて当に尽きていた。

だがそれを告げる元気もないくらいにシカマルとチョウジはつかれきっていた。 

 

しかし、それも仕方がないだろう。

 

あれから。

シカマルたちの班は他班の居所を察知し、何とか策を講じて相手方の巻物を奪うことに成功した。

 

そこまではよかったのだ。

 

肝心の…奪った巻物はシカマルたちの求めていたものではなかった。

 

それが2度も続き…その戦いの中でシカマルたちは疲労しきってしまった。

 

諦めようかと思ったくらいに。

 (シカマルは早く終われー、とすでに諦めていたようだが。)

そのたびにイノが持ち前の負けん気を発揮し、2人を引っ張ったのだ。

 


そして…

 

ついに目的の巻物を手に入れたのだ。

 

そのときばかりはそれまでの疲れも忘れ、イノだけでなくチョウジもシカマルも喜びを露にしていた。





 少し休憩を取った後、これからのことについて話し出した。

「で、この塔について何をすればいいのかな?」

  

「あー、どうだろうな?このまま奥の部屋に行っていいんじゃねぇの?」

 

「そうなのかしら?じゃあこの巻物も?」

 

「…おいとけば?集めたからこの門が開いたんだろうし、持って行かなくても

いいんじゃねぇの?」

 

どうでもよさげにぼーとしながら、シカマルは巻物を地面へおいた。

 

ずっと緊張続きだったのだ、正直なところ早く帰って休みたい。

 

「確かにあんたの言うことも一理あるわね。」

 

「僕も早く休みたいよ。」

 

「じゃあ、持ってる巻物を全部出してここにおいていこうかしら。」

 

ポケットやらバックから巻物を取り出して、ポンポンと床へと投げ出した。

 

ありがたみもへったくれもない。

 

正直なところ、散々困らせてくれた巻物を見たくなかったのかもしれない。

 
「やっと休める~。」
だらだらと
重い足取りで、次の部屋へと足を進めようとしたその時。

 

 

 

ボワワーン。

 

と煙とともになんとも気の抜けた音がしたと共に、一つの影が現れた。

 

「おめでとう!!!イノちゃんならできると信じていたよ!!」

両手を広げて涙ながらに喜びを全身で表現する男が。

 

その名を山中イノイチ。

 

山中家当主でありながらこの男、娘命な親ばかとしても有名な男だった。

 

「パパ!??何でここに?!」

 

突然現れたイノイチに驚き、イノは思わず声を荒げる。

 

「はははは、そんなこと決まってるじゃないか?イノちゃんにおめでとうを言いたかったからに決まってるじゃないか。怪我はなかったかい?」

 

「怪我はない…わ。でも、そういうことじゃなくて…」

 

話を聞いて~!と叫ぶイノだったが、その言葉はまったく耳に届いていないようだ。

 

娘の言葉を無視して、再会の感動にひたる父親。

 

その姿といったらウザイことこの上ない。

 

 

そしてイノイチが突然現れたことにシカマルとチョウジもイノと同じように、いやそれ以上に驚いていた。

 

声には出さなかったものの、どこにいたのだろうか、という疑問が尽きることはない…がイノの父親が暴走することはよくあることだったので、いつものことか、と思うことにした。

 

思わなければイノの幼馴染なんてやっていけない。

 

イノイチに巻き込まれればどんなことになるかわかったものじゃない、ということがこれまでの経験上わかっていたのだから。

 

同じ思いをしているチョウジと顔を見合わせ苦笑しながら、ため息をついていると。

 

 

 

ポン、と背後から肩に手を置かれた。

 

バット振り返るとそこにはシカマル達と同じように疲れ顔の男が。

イノイチと一緒に現れたのだろうが、イノイチの印象が強すぎてまったく気づかなかった。

 

 

あぁ、この人も被害者か。

 

と胸の中で手を合わせた。

 

「君たち、お疲れ様だったね。」

 

イノイチに巻き込まれたのだろう、この人は律儀にも巻物の意味やこの状況の説明してくれた。

 

その話によると、俺たちの班の担当はこの人だったらしいのだが、そこにイノイチがごり押しして無理やりついてきたらしい。

 

顔に包帯を巻き、少しだけ人相が怖い印象を与えるが、根は優しい人なのかもしれない。

 

イノイチのことはイノに任せることにして俺たちはいろいろな疑問をぶつけてみた。

 

どうやらあの巻物を開くと、その班の担当者が出てくるように印が施してあるらしい。

 

巻物を広げずにそのままにして進もうとした俺たちにあせって、イノイチが出ようとしたので止めようとしたが止められなかった。

 

実際大半の受験者は巻物を空けようとするらしいが、特にあけなければならない、という規則はないようで。

 

そこまで話し、コテツと名乗った忍びは改めておめでとう、と言い、 その後、改めて床に並んだ巻物へと視線を向けた。

 


ルーキーの中でも特に予選突破が難しいだろう、と思われていた10班が…。 

いくら同種の巻物ばかりだったとはいえ、何本も奪うことができたとは…。


 奪った巻物の数三本、その数は合格者の中でも1,2を争うのではないだろうか。


イノイチは俺の娘なのだから当然だ、というかもしれないが

 

俺にははいそうですか、簡単に受け止めることはできなかった。

 

合格するためには二本の巻物を集めなければならない。

その過程で所持していた巻物を奪われるかもしれないし、奪った巻物が目的の巻物でない可能性も高い。

 

合格のための2本以外の巻物を所持するということは強豪の証なのだ。

 

しかしこの三人からそんな雰囲気は全くといっていいほど感じられなくて。

 

むしろ劣等性、といってしまった方がぴったりくるくらいだ。

 

だから、面白い、と思ってしまった。

 

こいつらの新の実力を知りたくなるくらい。

 

最初に受験者のプロフィールを見て、この班の売りはチームワークと記してあった。
新人にしては珍しい、それが第一印象だった。

 

いくら下忍として働いているといっても日が浅く、まだ子供といってもいいくらいだろう。

子供というものは自分の力を過信し、自己主張が多い。

現に7班においては個性が強く、チームワークは皆無といっていいほどだ。

8班もその点では同じだが、能力の系統が似ているため、比較的連携をとりやすいという情報だ。

だからチームワークを重視しているという10班が個人で戦ったとき、どういう結果をもたらすのか、非常に興味がわいたのだ。他の班と比べて、戦力的に弱かったとしてもだ。


 

こりゃ最後まで見学しねぇとな。

 

 

 

 

 

 

三人が仲良く談笑しているその後ろでは、イノが父親を足蹴にしてはぁぁと深いため息をついたとか。

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