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2025/06/15 (Sun)

其の四.ナルト、火影に感謝する

「え?そういう話に落ち着いたんだ!」

「そうじゃ。文句はあるまい。」

「う~ん。確かに…はっきり意思関係無しにじゃないし、俺次第だし、縁談もなくなるし…さすがじっちゃん!ありがとうってば!」

 

そういって満面の笑みで火影に久しぶりに抱きついた。

抱きつかれた火影はもうデレデレで孫バカ丸出しである。

この姿を里のものが見れば威厳も何も合ったものじゃない。

この部屋に二人しかいないことを心より喜ぶしかないだろう。

 

さてさて肝心の里へのお披露目だったのだが…

 

「そこでな。相手に迷惑がかからんようにおぬしのべた惚れで話がまとまったことにしてよいかのう。」

「えっっ!!それってちょっと恥ずかしくない?」

ちょっと嫌そうな顔で火影をにらむ。

しかしそこは知らん顔。

この先どうなるかわからないのだから…それにシカマルにはその気はなさそうだったしのぅ。

「じゃがシカマルがナルトに突然…というのは周りのものから恨みを買うじゃろう。それは避けねばならん。シカマルのためじゃ。」

「まぁいっかぁ。表立って迫れるし、ただしシカクには縁談を断る口実としか伝えておらんからの!後はおぬしがうまくやらねば行かんぞ。」

「は~い」

手を上げて元気よく返事をする。

こういう姿を見ると、昔と変わらない。

「とにかく候補者を全部一同に集めて、おぬしからシカマルに告白してもらうからのぅ。」

「えぇ!!みんなの前で!それすげぇはずいっていうかもろばれじゃない?!」

「大丈夫じゃ!そうでなければみな納得すまいぞ」

「うぅ~わかったってば。でどうするの?」

「とりあえずほとぼりが冷めるまでおぬしとシカマルで任務を組ませてやるからその間に何とかするのじゃ!その間は一緒に住むがよい。部屋はこちらで用意しておくでのぅ。」

「(ウルウル)ありがとう!!一生恩に着るってばぁ!!」

目を潤ませながら、ナルトは火影に心から感謝していた。

子供の頃は周りの目があるから表立って助けることは出来なかったが、それでも俺を支えてくれた人。

それが今は俺の幸せのためにできるだけのことをしてくれて…ほんとにありがとう。

 

その様子に火影は心を打たれていた。が今は縁談のことである。

「シカマルのことを知っているのは他にいるのか?」

「うん…サクラちゃんは気づいてる…気がする。言ってないけど…」

「ではどう告白するか、シカマルにどう接するか決めておきなさい。」

「うん!そうだってばね。ありがとぅvほんとに感謝するってばよ。」

「おぬしがそう笑っているのがわしにとって何よりじゃ。…がんばるのじゃぞ?」

「うん。応援しててね!俺精一杯がんばるから。」

「うむ。じゃぁこのことはわしの方からシカクに伝えておくからのぅ。」

「うん。お願いします。」

「また遊びに来るのじゃぞ?」

「は~い、じゃあまたね!」

 

もしかしたらほんとに手が届くかもしれない。

人に好きになってもらうのってとても難しいことだと思うけど。

でも応援してくれる人がいてくれるから。

認めてくれる人がいるから。

自分のために。

幸せのために。

周りの人のために。

がんばろうかなっていう思うことが出来る。

 

そのためにはまず相談に明日行こうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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其の三.火影とシカクの密談

シカマルが帰った後、ナルトにものすごくどやされ、人事を元に戻すことになった。
やっぱり手に余ったのか…と人々は噂したが、実際はその処理能力高さに火影は解任を渋ったのだ。
しかしナルトのお願い(脅し)により解任することになったのである。


シカマルが通常任務に戻ったので、任務に言っている間に奈良家の当主であり、シカマルの父であるシカクを呼び出すことにした。
こういう面を見ると火影に必要なのは行動力なのではないかと考えてしまう。

 

 

コンコン。
「誰じゃ。」
「奈良家のシカクです。ご命令により参りました。」
「シカクか。入るがよい。」
「は!では失礼いたします。」
「うむ。」
ギイ、音を立ててドアを開けるが、入ってきたものに気配は感じられない。
さすがに旧家の当主だけある。
「それで今日は少し相談したいことがあってのぅ。」
「それは私のことですか。それとも先日解任になった愚息のことでしょうか。」
「いやいや、おぬしの息子には世話になった。非常に助かったぞ。」
「そうでしたか。それならばどのようなお話で…?」
「うむ。実はおぬしの息子のことでのぅ。息子には縁談は来ておらぬのか?」
何か不手際がおこって説教でもされるのかと思ったが、案外機嫌がよさそうなのでシカクは内心安心していた。
頭をぽりぽりとかき、苦笑しながら、
「まぁうだつのあがらない愚息にしては結構いい縁談が来てますが…本人にその気がないようで…まだまだ先にですね。」
「そうか。それはちょうどいいわぃ。確かおぬしのところには幼い娘がおったと思うが。」
「よくご存知で。今年で7歳になります。兄よりもやる気がありよく修行を付けています。」
「そうか。実はシカマルに進めたい縁談があるのじゃが。」
「は。それはどのようなお家の娘でしょうか。」
「まずは話を聞いてくれんか。実はわしの養い子であるうずまきナルトが多くの縁談を申し込まれていることを知っているかのぅ。」
「それはもちろん。よく存じております。何しろうずまきは里一番の稼ぎ頭。人気があるのは当然でしょう。」
うんうん、と頷きくシカク。
さらに話は続く。
「それが実は娘だけでなく息子を持っている家からも縁談が来てのぅ。困っておるのじゃ。」
「なんと!それはお困りですな。ちなみにどこから来ているのですか?」
「うむ、それが名家ばかりでのぅ。日向、犬塚、うちは、油女、カカシ上忍などだのぅ。カカシはよいのじゃが、他のものたちにはそれなりの理由が必要で、困っておるんじゃ。」
と困った顔つきでシカクに問いかける。
「それはお困りで、その候補の中によい方はおられなかったのですか…」
「うぅむ、それがナルトには想い人がいるようでのぅ。何とか穏便に断ってやりたいのじゃ。」
「そうですか…しかしよい方法でも?」
「そこでおぬしに頼みがあるのじゃが…幸いシカマルにその気はなさそうじゃ。じゃからちょっと婚約したふりをしてもらいたいのじゃが。」
火影の提案に、シカクは思わず声がうわずってしまう。
「あ、あのっそれはかまわないのですが、男でもよろしいのでしょうか?」
「その方が忍耐があってよかろう。なにせ相手にするのは男の方が多いからのぅ。」
「さようですか…愚息でよろしいのであればこちらとしては構いませんが…その想い人に勘違いされませんか?」
「それは大丈夫じゃ、この件のことは説明しておるといっておった。まだ片思いじゃが…おっとこれは内緒にしておいてくれ。」
「わかりました。じゃぁどのような形で発表すればよろしいでしょうか?」
「そうじゃのう。家の方に迷惑が行ってはいかんから、こちらから申し込んだ形をとってよいかのぅ。詳しいことは後ほどナルトと話し合って伝えるということで。」
「はいわかりました。じゃあ詳しいことが決まったら、シカマルに伝えるということで。」
「うむ。頼んだぞ。面倒なことを頼んですまんな。」
「いえいえ。そのようなことは…では失礼します。」


かちゃ。
シカクがドアを閉め、退室した。
ふぅうまくいったわい。
これくらいなら、ナルトも何もいわんじゃろ。
後はナルト次第じゃ。
話すのが楽しみじゃのぅ。

 

 

 

ふぅ、かなり長い間話したぞ。
あ~疲れた。
しかしこんなことを頼まれるなんて想像してなかったなぁ。
確かにうずまきの噂はすごいがここまでとは思わなかった。
まぁ男にしては綺麗なやつだとは思っていたが、なぜうちにこの役目が…
うずまきの想い人って、ひょっとして…
まさかな。うちの愚息をなんてありえないよな、あんなやる気無し。
あいつなら余計なことしないし、ちょうどよかったのかも。
先日の人事もこれのためだったのか。

 

と一人納得すシカクの姿があった。

 

 

 

 

 

 


 

其の二.火影とナルトとシカマルと


さてさてなるとの思い人が判明したのはよいが、里中から縁談を申し込まれているような状態である。
火影は前にも増して頭を悩ませていた。
申し込んできたのは里の中でも旧家、名家の面々ばかりである。
体裁よく断るにはどうしたらよいか。
そして奈良家にはどう話せばよいのだろうか。
奈良家はこの件にかかわっていないので、直接ナルトの気持ちを言うわけにもいかないということだい。
それにもしこのように実行すれば、シカマルは間違いなくほかの候補者から恨まれるだろう。
はぁ、なんとも頭の痛いことである。


とりあえず、今日の仕事を終わらせるとするか。

 

 

 

 


まずはシカマルの気持ちを確かめなくてはのぅ。
そのためには…シカマルを臨時の補佐官に任命するかのぅ。

この人事には忍びの間に波紋を起こした。
一回の中忍であるシカマルが、他のものを押しのけて一時的とはいえ火影の補佐官になったのである。
付き人役として選ばれるにはある一定の水準の実力が必要であり、前にこの役職についたのは現在火影のご意見番をしているお二方だ。
二方が引退した今は、上忍が当番制で火影の雑務を手伝うよう配置されている。
だから中忍であるシカマルが付き人になったことで、今回の人事は家の力によるものではないかと噂された。
最も一部の仲間の間では、シカマルがめんどくさいって嫌がってるだろうなと予感していた。
そして火影にお願いをした当の本人は、あまりに直接的な動きにちょっぴり怒っていた。

 

「のぅ。シカマル、おぬしは動機の中で一番に中忍にあがったのに、なぜ上忍の試験を受けないのじゃ?」
「…その実力が私にはまだないからです。」
「ふぅむ。そうは見えないがのぅ。」
書類を次々と処理しながら、火影はシカマルに次々と質問を投げかけた。
シカマルはいきなりの抜擢に疑問を感じつつ、これでは何かの試験の面接だと思いながら言葉を選び答えた。
ナルトにとっては優しいおじいちゃんでもシカマルにとっては縁の遠い里の最高権力者である。
今回の人事は確かにめんどくさいことであるが、直接任命されれば不平を言うことも許されない。
シカマルはふてくされつつも、素早く書類を分類していた。
初日ではあったが、慣れた手つきでさっさと終わらそうとする様子がありありと感じられた。
「で、おぬしもいい年じゃ。何かいい縁談は来てないのか?」
「まぁそれなりにきてますけど、まだそういう気分じゃないので…でも将来は普通の嫁さんをもらって平凡に暮らしたいっすねぇ。」
「ふ~む、そうか。」
シカマルのその言葉にあせる火影。
ナルトのことはまるで眼中になさそうである。
カカシのようにくらいつくかのようにナルトにアタックされるのも困ったものだが、ここまでナルトに無関心だと少し悔しくなってきた。
ちょっと鎌をかけてみるかのぅ。
「わしのとこにおるナルトにものう。いい縁談がたくさん来ておってのぅ。どうしようか迷っておるのじゃ。」
「へぇ、ナルトってもてそうっすもんね。ヒナタとかっすか?」
「まぁそんなとこじゃ。じゃが男の方からも来ておってのぅ。困っておるんじゃ。l
「あ~そりゃ困りますよね?同期の連中っすか?」
「そうじゃ。どうかのぅ同期のもの達はよいとおもうか?」
「そうっすねぇ。サスケ、カカシは駄目っすね。サスケは里抜けしてナルトを裏切ってますし、カカシに至っては嫌われていますから。その点キバやシノならば、仲良くやっていくんじゃないっすかねぇ。ま、女の子の方がナルトもいいんじゃないですか?」
ナルトの状態を的確に判断し、火影に迷いなく言った。
そのシカマルに動揺は見られなかった。
ナルトのことをそういう意味で意識してないようじゃのぅ。
まぁ変態じゃないだけよいのだが、これではナルトが浮かばれない。
「まぁヒナタなら長い間ナルトを思ってきたし、奥ゆかしいからあってるんじゃないですか?」
「うぅむ。そうじゃのぅ。…そういえばおぬしはどうなのじゃ?男の立候補が多いから、ナルトの魅力はすごいのかと思ったのじゃが…」
「そうですねぇ。昔はいたずら小僧で騒ぐだけだったかもしれないですけど、今のあいつには色気が出てきてもてるのはわかる気がしますね。でも俺にはちょっと高嶺の花過ぎます。もうちょっと普通でもいいです。それにライバル多いし、うらまれそうでめんどうっすよ。」
なるほど、よく状況を理解しておるゎ。
じゃが脈はなさそうじゃ。
ナルトに何か思うところがあっても、これでは理性が働いて抑制しれぬ。
これは親の方から内々に話を通した方がよいかもしれぬのぅ。

「じっちゃ~~ん!!おはようってば!」
バーンとドアを開けて(ぶち破り)、ナルトが入ってきた。
シカマルがいるのを確かめ、おはようと挨拶をした。
「何でシカマルが補佐官なんだってば?(シカマルとずっと一緒なんてうらやましすぎるってば!)」
「優秀なデスクワークの達人が必要だったのじゃよ。」
ナルトはちらっとシカマルの方を見ながら、
「仕事中だし、また聴きに来るからそのときよろしくね!」
と機嫌がよさそうに顔には笑みを浮かべていたが、目には怒りのようなものが見えた、ような気がした。

後が怖いのぅ。

その後姿から疲れが感じ取れるようで
「火影ってたいへんっすね。」

とシカマルは自分をこき使ってくれている張本人ながら、火影にちょっと同情した。
自業自得だ、と思いながら。

 

 

 

 


其の一.縁談が多数、火影のもとに来たる。
 
火影、それは木の葉の里の中で最高の忍びであることを意味する称号である。
そして現在火影と呼ばれるのは三代目である猿飛
歴代の火影の中でも最強といわれ、プロフェッサーの異名を持つ。
そんな火影にも悩みというものは存在する。
 
 
「ふぅ~どうしてかのぅ。」
ため息をつきながら書類に次々に判を押す。
ものすごい速さで目を通している。
 
 その悩みの種となっているのは、いい年になったのにいくつになっても結婚しない養い子にあった。
火影には実子が何人もおり、孫もすでに生まれている。
しかしそれとは別に実の子供のように可愛がっている子供がいたのである。
その子は昔は里中から嫌われていたが、今では押しも押されぬ里一番の忍者として認められており時期火影の最有力候補である。

その名前をうずまきナルトという。

今年で20という節目を迎え、いい縁談が次々と火影のところに舞い込んできていた。
縁談の候補として、大名の娘や木の葉でも名家として名高い日向家でさえ名乗りを上げていた。
しかしナルトは、くのいちからだけでなく男にも人気はあった。
なぜならナルトの容姿は美麗で男ながらも、その所作は色っぽく十分に色の任務にも就けるほどであった。
もちろん火影が頑として反対したので、惜しまれつつもその手の依頼を受けることはなかったが。
そのせいだろうか、縁談の候補が女より男から多数申し込まれている。
 
「あやつにいくら話しても、返事は無しのつぶてじゃし…はてさて相手にどのような対応をすべきか…」
うぅんと頭を悩ますが、答えは一向に出てこない。
頭を抱えだした火影に、驚いたのは横にいたお付の忍びである。
先ほどまでは悩みつつも、手を動かしていたので仕事は進んでいた。
しかし今は悩みに心を奪われつつあり、進み具合が怪しくなってきたからだ。
「火影様!お手がおとまりになっておりますぞ。」
その叱咤により、火影は意識を取り戻したが頭の中は縁談のことでいっぱいである。
縁談の候補がどれも家柄の高いものばかりなのでどう返事をすればよいか悩んでしまうのだ。
 
「しごと終わったってばよ!」
元気な声でノック無しに入ってきたのは、火影の頭を占領していたナルトであった。
ナルトの顔を見て、これ幸いと仕事をほっぽりだして縁談の写真をかき集めた。
横の忍びはその仕草に渋い顔をするが、火影は気にせず部屋を少しの間退出するように言った。
「おぉ!よい所に着たのぅ。この前話したじゃろぅ。ほれ!縁談の事じゃ。たくさん来ておる。ちょっとだけでも見てはくれぬか。」
「えぇ!俺ってばそういう話はお断りだってこの前言ったてばよぉ。」
いやそうな表情を作り、腕を振り上げ顔の前で罰の形を作った。
「そういうでない。相手はどれもいいとこのお嬢様じゃ。木の葉のものもたくさん立候補しておるぞ。」
「えぇ!!ほんとぉ~?誰がいるの?」
「まず日向家のヒナタ、こちらはハナビでもよいそうじゃ。犬塚家のハナ、少し年上じゃの。それから山中家も立候補はしておるがこちらの娘はそれほど乗り気ではないらしい。木の葉よりも他の里からの縁談の方が多いのぅ。火の国、水の国、風の国など大名や富豪の娘が目白押しじゃ。こんなにもててうらやましいのぅ。」
「ふーん、そんなにうらやましいなら変わってやるってばよ?ほ・か・げ・さ・まv」
思わず顔を赤らめそうになるほど魅惑の表情で見つめてくるナルトだが、火影の背中には大粒の汗が流れていた。
ナルトが怒っているのが、空気を伝わってわかるのである。
「で、その中で選べって?」
「出来ればそうしてほしいのじゃが…それとは別に息子を持つ家からの縁談もあるぞ。一応耳に入れておくが。」
「え?そ、それって誰?」
先ほどとは違い、少し期待のこもった眼差しのナルト。
ひょっとしてそっちの方向に好きなものでもおるのかと火影は察す。
孫が見られないのは残念じゃが、この子が少しでも寂しさを感じないのであればたいしたことはない。
火影は一抹の不安を感じつつも、そう納得することにした。
 
「まず犬塚家と日向家じゃ、保険としてキバとネジも候補に入って折る。そして油女シ、うちはサスケ。他の里ではあるが、砂の里からも来ておる。砂影本人からじゃから、無理だとは思うがのぅ。最後にお前の担任のカカシじゃな。あやつだけは勘弁してほしいが…」
名前を聞き終わった途端がっかりしたナルト。
どうやらあげた人の中に、気になる人はいなかったようである。
「それだけぇ~!俺ってば。それありえないってば!ましてや最後のカカシって…きしょすぎ!ぜってぇやだ!」
はっきり、きっぱり、すっきりとカカシ全否定をするナルトに少し安心する火影。
正直カカシを選んだら、カカシをどこか遠くにでも飛ばしてやろうかと思っていたのだ。
カカシは忍びの中でも上ランクの実力の持ち主ではあるが、長時間の遅刻をする、18禁の本を道端で読むなど、人としての常識が足りぬどころか、おかしすぎるところがある。
火影は実力は評価してるが、性格に難ありと思っていたのだ。
そんな男と付き合えば、ナルトが苦労するのは目に見えているのでもとより反対する気だったのだ。
そう決意していたので火影が安心するのも無理はないだろう。
「ふぅむ。この縁談に乗り気なのはもと7版と8班とガイの班か…まぁおぬしの班だったサクラはお主にとって姉のような存在じゃしのぅ。しかし10班のメンバーはおらんのぅ。まぁあそこのもので候補者になりそうなものは山仲イノくらいじゃが。その娘も乗り気ではないというし…」
チラッとナルトの方にやると、ふいっと目をそらされた。
ふむ…これはどうやら元10班に好いておるものがいるのではないだろうか。
その中で…考えられるとすれば、あやつしかおらぬじゃろうな。
頭もよいし、下忍時代も仲がよかったらしいし。
確かにあやつならばナルトも幸せになれるかもしれん。
じゃがあやつは中忍の試験を一発で通ったのはいいが、その後上忍試験を受けるでもなくのらりくらりとやっておる。
才はあるんじゃがのぅ。
やる気がどうにも足らんのだが、常識だけはありそうだのぅ。
この場に立候補してない点も奥ゆかしいし…興味がないだけかもしれんが。
あやつの班のものが率先して立候補していない点から見ても、あやつには底知れぬ魅力があるのかもしれんのぅ。
「ナルトよ。気になったものはおらんようじゃのぅ。じゃがもうそろそろ身を固めてもらわんことにはきりがないぞ。この際男でもよいので周りに発表してしまうのじゃ。まぁその男はみなに恨まれるかもしれんがのぅ。」
ナルトの考えを見越した火影の提案に驚きつつも、暗い表情で答えた。
「でもそいつってば立候補していないし…俺に興味がないのかも」
そういいながらどんどん落ち込んでいった。
全く普段はいらぬときまで自信満々なのにこういうときは普通に不安になるナルトであった。
 
「そやつとはどうなのじゃ?気持ちを伝えたことはあるのかのう?」
「ううん。そんなの俺からなんて恥ずかしいし~まぁちょっとくらいはあるけど…」
照れた表情でぽつぽつと話し出す。
それはナルトに惚れている者たちが見れば襲い掛かるような表情だったかもしれない。
「そいつのこと最初はなんとも思ってなかったんだけど…何度も助けてもらううちにかっこいいかなぁて思うようになっちゃって!まぁ顔もそんなに悪くないし、一番常識人っぽいってば。」
「そうか、そうかそんなにシカマルはいい男であるのだのぅ。」
バッという音が聞こえるくらいの勢いでナルトの顔は高潮した。
顔がほてってきたのを自覚したのか、腕で顔を隠そうとする。
そのまだまだ幼い様子に最近大人びてきて淋しいと感じていた火影は少しだけ安心する。
「……なんでわかったんだってば?」
じろりと火影をにらみつけるが、先ほどと違い赤い顔をした様子では迫力はあまりない。
「候補に上がっていない男で、親しいものといえばあやつしかおらんじゃろ?
まぁあやつならばおぬしのことを理解してくれるかも知れんのぅ。
ただやる気がなさ過ぎる。
おぬしの横に立つならばそれ相応のものでなければ許可は出来んぞ?」
「うぅ~ん、あいつもやる気出せば、かなりやれるんだけど…たぶんガチンコでやっても、どうなるかわかんないかも。」
「何!そんなにあやつは強いのか?
意図的に上忍試験を受けてないとはいっても、まだ中忍じゃぞ?」
「だって下忍の頃から何回も助けてもらったし、今でも任務とかで相談に乗ってもらってるってばよ?」
「ほぅ。そうなのか?そんなにおぬしに親切ならば脈ありかも知れんぞ?」
「え?で、でもあいつってば誰にでも親切だし、めんどくせーとかいいつつも困ってる人いたら助けてるし…わからないよ。」
話しているうちに、不安になってしまったのだろうか。
さっきまで赤かったナルトの顔がいつの間にやら切なくゆがんでいる。
「ふ~む。まぁその件はわしにまかせい!おぬしの幸せのためじゃ。いざとなったらわしの権限で何とかしてするわぃ。」
ほっほっほと、笑う火影にナルトは心配そうに聞き返す。
「でも…そんな無理やりは嫌だってば。俺のこと何にも思ってないなら一緒になっても楽しくないってばよ?」
「う、まぁ大丈夫じゃ!一緒におれば情がわくかもしれんし、第一!ナルトを嫌がるやつなんておらんじゃろう。」
「そうかなぁ。」
「そういうことじゃ。ほれ、いつもの自信を取り戻さんか!じゃあ他の縁談は断ってよいのじゃな?」
「うん…お願いします。…でもあいつに無理はしないでくれってばよ?」
手を合わせながら、頼みますと頭を下げた。
礼儀も何も気にしないナルトなだけに、どれだけシカマルのことを本気で思っているのかが伺える。
 
ふぅ。一応縁談の件は決まったが、これからが大変じゃ。何しろ里内だけでも縁談を持ってきた家の数は多いのじゃから。まぁこれも未来の火影様のためじゃ。
 
 
それまでわしは生きておるかのう。
その姿を見たいわぃ。
未来を思い、たそがれる三代目火影であった。
 
 
 
 
 
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