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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/14 (Sat)

何とか、誕生日に間に合ったかな?

 2月6日で~す★★私の好きなサイトの方々が誕生日企画をなさっててめちゃ嬉しかった

誕生日万歳

なので誕生日の行事をがんばってみましたぁ!

なんか文章がまとまってない感じがしますが。

それはいつものことなので。

 

 

そして若干BL的表現が含まれております。

CPは土山です。誕生日ネタです。

 

 

 

 

数ヶ月前。

恋人となった上司に、お前の誕生日いつだっけ?と聞かれて

「2月6日です。」

そう応えた。

「へぇ、なんか欲しいもんあるか?」

相手は何気なく言った言葉だったのかもしれないけど、とても嬉しくて胸が高鳴った。

嬉しくて嬉しくて、舌をかみそうになったけど。

「何にもないですよ。」

言葉に出し、もったいないことをしたかもと後悔する。

この人がこんなに優しくしてくれることなんてあまりないことだから。

「じゃあなんか考えといてやるよ。」

その瞬間、死んでもいいかも…本気でそう思った。

 

 

たとえあなたが忘れたとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

いつものように朝起きて、朝食を食べるために広間の方へと向かった。

屯序の空気がいつもよりも明るく感じたことに首をかしげながら。

 

 

 

 

 

「あ、おはようございます。副長。」

「おはよう。」

「おはようございます。今日は気持ちいい天気ですね。」

廊下で隊士とすれ違うたびに明るい表情で挨拶される。

鬼の副長と恐れられているだろうから、隊士にオドオドとした態度を取られる態度にはなれていた。

しかし今日はどの隊士も朗らかな笑みを浮かべている。

何かがおかしい。

そう感じながら朝食の膳の前に座って、周りを見渡した。

そこには皆に囲まれて、嬉しそうに笑う山崎がいた。

山崎に近づくな、と声を大にして警告したいところだ、というのも。

山崎には自覚は無かったが、隊士の内で人気があった。

笑った顔がかわいい、とか仕草が色っぽいなど、俺にとっては頷ける意見ばかりだった。

それを他のやつが言っているのを聞くと、妙にイラつく自分がいた。

それからだ、山崎を気にしだしたのは。

山崎を自分のものだと思っていたからだろうか、我慢できなくなった俺は山崎を部屋に呼び出し…関係を持った。

 

いいか、と問えば、はいと。

 

まるでいつもの仕事の報告のやり取りでもしているかのように自然で、色恋を感じさせない声色だった。

 

体に触れれば、かすかに聞こえる高い声と、ほんのりと赤く色ずく頬。

段々と乱れる山崎に、徐々に興奮を覚えた。

今まで抱いたどの女よりも。

 

一緒に朝を迎えてから、俺は山崎を手放すことが出来くなった。

何か用事があれば山崎を呼び、無くても用事を作って山崎を呼んだ。

呼びつければ、すぐに「はいよ」と返事をして飛んでくるから、それが当たり前になった。

 

そしてそれが当たり前となってから、山崎に近づく輩は全て敵だと感じるようになった。

だから、山崎の周りに人が集まっているというこの状況にとてもいらだっていた。

 

 

 

 

 

「やまざきぃ。」

皆自分の席に戻り、山崎の周りにいた隊士も食事を始めていた。

もう食べ終えたのだろう沖田が山崎の名前を呼ぶ。

「はいよ。」

と箸を止めて、山崎は沖田の方を見た。

「山崎おめでとうございやす。これプレゼントでさぁ。」

沖田の祝いの言葉に嬉しそうに笑った。そしてその後、困ったように笑った。

「そんな、悪いですよ!」

渋る山崎を気にすることなく、どうぞ、と沖田は小さな箱を手に載せて差し出した。

「気にしないでおくんなせぇ。いつもお世話になってる俺からの気持ちでさぁ。」

じっと青い瞳で捨てられた子犬のように山崎は見つめられた。

「わかりました。喜んで受け取らせていただきます。」

にこぉ、と本当に嬉しそうに山崎は笑った。

その顔を見て、沖田やその笑みを見てしまった一部の隊士達はぽかん、と一瞬時が止まったかのように山崎に見惚れた。

全く気にしてない風を装っていた土方も同様に、である。

そして土方は思う。

なぜ今日山崎にプレゼントを渡すのだろうか、と。

そして思い出す前に。

「山崎、バースディカードも作ったんでぃ。」

という沖田の言葉を聴き、土方は顔からサーと血の気が引くのを感じた。

そうだった。

今日は山崎の誕生日だった。

確か…何かやると約束したはず。

しかし何も用意していない。

しまった、と頭の中で自分への罵倒が飛び交う中、最近妙に機嫌のよかった山崎のことを思い出す。

そして何も用意をしていないことを思い出し、冷たい汗が背中をつたう。

「うわぁ。本当にありがとうございます。すごく嬉しいです。」

カードを受け取って、山崎は更に嬉しそうに礼を言った。

沖田もいつに無く無邪気に笑った。

プレゼントを用意していない土方は自分の方には話しが飛んでくる前に、さっさと食事を終わらせ席を立った。

広間の方では山崎の嬉しそうな声が響いていた。

後ろ髪を引かれながらも、その場を後にした。

 

頭の中では山崎に何をプレゼントしようかと思案しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつ行きましたぜぃ。」

「そうですか。」

食事をしながら、山崎と沖田は小声でひそひそと話す。

「やっぱりあのバカ絶対忘れてますぜぃ。」

ひどい男でさぁ、と仏頂面で沖田はつぶやいた。

「俺も忘れてるだろうな、と思ってはいましたけど。」

ニコニコと笑いながらも、山崎の目は怒っているということを物語っていた。

「その分、俺が山崎を祝ってやりますぜぃ。」

こっちに、と沖田は山崎を食べ終えたお膳の前から屯序の外へと連れ出した。

山崎は沖田に手を握られても、抵抗しなかった。

ただ、はいはい、と優しく返事をして従うまま。

去っていく二人の姿を他の隊士達はうらやましそうに眺めていた。

 

 

 

 

 

「どこ行くんですか。」

屯所を出て、数十分前を歩く沖田の足は止まらなかった。

それでも今一緒にいてくれる沖田が山崎には嬉しく、頼もしかった。

態度には出さなかったけど、誕生日を忘れられたことは事実だったから。

プレゼントを考えておくという土方の約束が嬉しかっただけに。

胸の奥が深く、えぐられたように痛い。

「今日はおめでたい日ですからねぇ、水族館でもいきませんかぃ。俺がおごるなんて珍しいですぜぃ?」

励まそうとしてくれているのか、その沖田の心遣いが山崎の心を和ませた。

「ほんとですかぁ?沖田さんがおごってくれる打なんて珍しいですね!楽しみだなぁ。」

歩く足取りが思わず軽くなる。

せっかく沖田さんが気を使ってくれているのに…

機嫌の悪いまんまじゃ、沖田さんにも悪いし、もったいない。

そう思い、今だけは上司のことを考えないことにした。

 

「じゃあ行きますぜぃ!」

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜遅く、遊び疲れた二人は静かに屯所に帰宅した。

玄関でばいばいした後、山崎は自分の部屋に向かう。

「あ~~楽しかった!沖田さんに感謝しなきゃね!」

楽しかった気分が徐々に落ち着いていく。

一人になると考えてしまう。

「…俺、恋人なのになぁ。なんか、悲しい。」

胸が締め付けられるような思いに駆られ、早く部屋に戻ろうと早歩きになった。

山崎の部屋には小さな明かりがともっているのが見えて。

「誰かな、もしかして副長…なんて、ありえないと思うけど…」

もしかして早くからここでずっと待たせてしまったのではないかと、不安になる。

副長だったらどうしよう、と。

今会ったら忘れられたことを責めてしまうかもしれない。

そんな女々しいことしたくないのに。

恋仲になる前に、馴染みの女の愚痴を嫌というほど聞かされていたから。

 

自分の部屋の前でどうしようかと右往左往していると、ガラッといき酔いよく障子を開けられた。

いきなり開けられて、山崎はびくっと肩が震える。

「入るなら入って来いやぁ!自分の部屋だろうがぁぁ!!?」

酒を並々と注がれた杯を飲みながら、すでに出来上がっている副長が座っていた。

「えぇぇぇl!!?何でこんなところで飲んでるんですか!」

「あぁ?おめぇが帰ってくるのが遅いからだろうがよ!!」

ぐ、胸倉をつかまれ、大きな声で怒鳴られ、思わずすみません、と山崎は謝った。

「全くだ。帰ったら山崎は総悟と一緒にどっか行ったとか聞くし、待ってりゃ全然帰ってこねぇし!しかたねぇから酒飲んで時間つぶしてたんだよ。」

と山崎に悪態をつきつく、酒を並々と注ぎ口に運ぶ。

土方の顔は赤らみ、すでに酒が全身に回っていた。

山崎は恐る恐る酔って遠くを見つめる土方の顔を伺いながら、許しを請う。

「本当に申し訳ありませんでした!俺が悪かったです!」

がばっと頭と両手を畳にこすり付けて土下座する山崎を見て、土方ははっと我に返った。

山崎の誕生日を忘れていたのは、俺の方だったのだ。

山崎の部屋で待つ中、沖田は山崎を労わって屯所の外に連れ出したのだろう、土方はそう推測していた。

しかしおびえる山崎を見て、酔いで理性が弱くなっていたことも関係し、ついかっとなってしまった。

本当は、謝ろうと思っていたのに。

 

「…これ。」

土方は胸元から小さな箱を取り出し、畳の上においた。

スーと山崎の方に箱を手で押して。

「…おめでと。」

「え?」

土方はちらっと時計を見た。Pm11:55。

あと5分で7日になる。

間に合った。よかったと思う。

「あの…本当にごめんなさい!副長は誕生日忘れてると思ってまし…たぁ~」

「そ、そんなわけねぇだろうが!?」

「はい、俺の勘違いです。ごめんなさい!」

「いいから、それやめろ。こっちこい。」

実は忘れていたということを言いたくない土方は、ややどもりながらもその事実を拒否した。

土下座をやめない山崎の腕を引っ張って、体を起こさせる。

案の定、山崎の目からは涙がとめどなく、こぼれていた。

ごめんなさい、といいたいのだろうが山崎の口から出てくる言葉は意味を成さず、嗚咽が聞こえてくるだけ。

「うぅ~~!」

心の中で、何度も何度も繰り返す。言葉にならない言葉を。

ごめんなさい、ありがとう、嬉しい、ごめんなさい…

もう今日はあきらめていたから。

仲間に祝ってもらえて嬉しかったけど、やっぱり一番言ってほしかった俺の特別な人に。

おめでとうって言ってもらえて。やっぱり胸がぎゅーってなる。

約束を覚えていてくれたのかな、プレゼントまで。

嬉しくて、涙が止まらない。

「ったく、いい加減泣き止めって。お前の誕生日後もうちょっとで終わっちまうぞ?早くプレゼント開けねぇか!」

「は、はいよ!」

土方に強く言われ、涙が止まらないのにいつもの癖で反応してしまう山崎。

それを見て、心の中で馬鹿な奴と思う。それがかわいいんだけど、と思った自分を恥ずかしく思いながら。

鼻をずるずるさせながら、部屋に置いてあったタオルで山崎は顔を拭いた。

どうやら涙は止まったようだ。目と鼻はまだ赤かったが。

「あ、これ……」

箱にはシルバーのブレスレットが入っていた。

もしかして副長が俺に買ってくれたの?

山崎は目頭が熱くなるのを感じながら、土方の方を見上げた。

「なんだよ?いらねぇのかよ。いらねぇなら「いります!!ほしいです!!ありがとうございます!!!」

返せ、といいかけた土方の言葉をさえぎり、山崎が矢継ぎ早に言い切った。

わぁ、と嬉しそうの山崎は目をキラキラさせて、ブレスレットを手に取って見つめる。

ブレスレットはとてもシンプルなデザインだったけど。

端にH to Yと彫られているのを見つけ、山崎は今までになく幸せを感じた。

嬉しそうに目を潤ませている山崎を見て、土方は満足そうに笑う。

何をあげようかと迷いに迷って。

どうせならいつも身につけてくれるものがいいと、選んだのだけど。

「なくすんじゃねぇぞ?」

いいな、と念を押しながら、山崎の左手に土方はブレスレットをつけてやった。

はい、とブレスレットを大切そうに触りながら、山崎は返事した。

 

「ほんとうに…ありがとうございました。」

土方の肩にぽんと頭を乗せ、甘えるように体を寄せた。

こんなふうに甘えてくる山崎は初めてで、土方は驚くが、嬉しいと思う。

「山崎…」

肩に乗せられた山崎の頭をなで、さらさらの髪の感触を楽しむ。

もう終わってしまった誕生日を惜しみつつ、土方と出会えた事を神に感謝した。

 

部屋から明かりが消え、寄り添う二人の影も夜の闇の中に消えた。

閉じられた山崎の部屋の障子は朝まで開くことはない。

 

ひんやりとした冷気が漂い、隊士は布団の中で寒くて身震いする。

しかし肌を寄せ合い、お互いの熱を共有するものたちは、それに気づくことはない。

 

ただ、その日を境にジャラ…と金属の擦れあう小さい音が、山崎の部屋からするようになった。

 

 

 

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