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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/15 (Sun)

お題から横道にそれて出来たものです。

長くて、抑揚がなくて…う~~ん

時期はアカデミーから中忍試験にかけてかなぁ。

 

でもめっちゃ時間かかったぁ

題もセンスゼロです!

 

 

 

 

 

 

 

アカデミー生として通っていたとき、いつも俺の視界に入った奴がいた。
あいつの方が早くにアカデミーに入学していて、俺より上の学年だったから接点なんてその頃は何もなかった。
ただ…忍びらしくないオレンジのジャージを着ていて、変な奴だなと思っただけ。
自分でもわからない、ふと惹きつけられたんだ。
一人で歩くその姿に、なぜか。

それからしばらくして、あいつが二年留年して同じ学年でクラスメートになった。
教室でいつもうるさいくらい騒ぐあいつ。
そして教室の後ろの方でいつも寝ている俺。
半年たっても接点なんて生まれなかった。
あいつは騒いでも誰かと群れるような奴ではなかったから。
気にはなっていたけど、声をかけるのが俺らしくないような気がして。
半年たって知ったのは、あいつに対する周りの行動の違和感。
オトナはさげずむように、憎むように里人もアカデミーの先生でさえつらく当たる。
そしてその影響を受けた何も考えていない残酷な子どもたちは仲間はずれやいじめを繰り返す。
その中で、一人道化のように笑顔で馬鹿なことを繰り返すあいつ。
何が悪いのかなんて知らないけど。
俺は一人でも大丈夫だとでもいいたげなあいつの笑顔に気がついたとき、むしょうに自分自身に腹が立ったんだ。
それでも声をかけようとしないのは、俺らしくない、とちっせぇこと気にしてたから。
そんなこと思っていた俺があいつと話したい、そう思ったのは自分に嫌気が差したから。
声をかけて目立ちたくない、と考えた自分にむかついて。
情けなく感じたんだ。

 

 

それでもいきなり声をかけても、あまり話をしない自分と仲良くなってくれるか自信がなくて。
一番気楽そうなキバと幼馴染のチョウジと一緒にサボる計画を立て、計画に必要だとキバに無理やり連れてきてもらった。

「おぅい!連れてきたぞ!」
何がなんだかわからない顔で連れて来られたあいつは逃げたそうにしていたけど、キバががっちりと腕をつかんで離さない。
「な、なんだってばよ?」
「今お昼休みだろ?これから授業抜け出そうって計画たててんだよ。」
な、と肩に乗せていた赤丸という忍犬にキバが同意を求めると、キャン、と赤丸が応えるように吠えた。
シカマルとチョウジが座っている横に円になるようにキバは座った。
「でもそれって俺関係ないってばよ?だから腕はなしてってば!」
「うるせぇな。いいから立ってないで座れよ。この計画にゃどうしてもお前の力が必要なんだって。」
つかんだ腕を引っ張って、無理やり座らせた。
安心させるようにキバは肩をぽんと叩いた。
キバの話を聞き、口元にニヤァと何かをたくらんでいるような笑みを浮かべる。
「……ふぅん。それって面白そうってばね!次の授業イルカ先生だし」
「だろだろ?俺もシカマルにそう話し持ちかけられてそう思ったんだぜ?」
「シカマル?」
誰、とでもいうかのように俺たちの顔を見比べて。
そして俺の方を怪訝そうに見ながら
「あのぅシカマルだってば?」
「あぁ。俺がシカマルで、こっちがチョウジ。まぁ目立たねぇから、わからなくてもしかたねぇよ。」
シカマルの言葉に一瞬目を丸くした後、笑い出した。
「そんなことねぇってばよ!お前いつも寝てるし、先生が名前呼ぶのを聞いて覚えたんだってば!いつもうつ伏せだからちょっと顔が曖昧だっただけで…」
「確かにいつも呼ばれてるし、寝てるよねぇ。」
そうチョウジが言い、三人で笑いあう。
「くそっ!そんなに笑うことねーじゃねーかよ!」
悪態をつく俺を見て、更に三人は笑った。
「ったくしかたねぇなぁ。まーいいや。作戦説明すっぞ?まずは牙がこう動いて……でナルトがみんなの注目を引くんだぞ?」
「それ、うまくいきそうだってばね!」
「なんか面白そうだね。」
「だな。じゃあ4人でチームでも組むかぁ!」
あーでもない、こーでもないと考えながら、キバはチーム名を考え出した。
俺たちは悪戯餓鬼で…4人だから…
「よし!俺たちは今日から悪戯カルテットだぜ!」
「おまっ!それそのまんまじゃねぇかよ。」
呆れ気味でそういう俺に対して、またまた三人だけで盛り上がる。
「すげーいい名前だってば!キバ頭いいな!」
「うん!覚えやすいし、カルテットってかっこいいよね!」
乗り切れない俺を気にせず、三人の話は更にヒートアップする。
…暗黙の了解で無視られている気がするんだけど、気のせいじゃねーよなぁ。

 

そんなこんなで、計画通りに事は進み、怒鳴り声のする教室から4人で抜け出して。
ギャアギャアと笑いあいながら、川岸の道を歩く。
「やったってばね!すんげー面白かったってばよ!」
「俺も俺も!スリル満点だったぜ!特にイルカ先生の後ろを通ったときとか!」
あぁあれ!と言い合いながら、二人はまた笑いあう。
その顔を見て…あの笑顔よりも少し違う笑顔だったから俺は嬉しかった。
その時からずっと。
その笑顔を守って生きたいと思ったんだ。
なぜだろうなんて疑問は浮かんでくるけど。
まだまだ子どもである俺には、とても難しくて、解けそうにない。

 

 


それからアカデミーにいる時には、一緒に悪戯をしては皆で怒られたけれど。
一人で馬鹿なことして笑うような姿を見ることはなくなったので、ほっとする。
卒業して下忍になってから、会う機会は減ってしまったけど。
たまに見かける7班にいるナルトは少し淋しそうに笑っていた。
俺はといえば、10班として下忍の任務を遂行する日々の繰り返し。
その合間にある休日に家で疲れを癒していると、あいつはどうしているだろう、とつい考えてしまう自分がいる。
俺が心配しても何も変わらないのに…面倒事が嫌いな俺にとって、それはとても珍しいことだった。







それからすぐにアスマに推薦され、俺たちは下忍一年目にして中忍試験を受けることになった。

中人試験では、任務を数多くこなし優秀な下忍だけが推薦され、忍びとして戦わなければならない。

ルーキーが推薦されるなんて、めったにないという親父の言葉を思い出し、アスマにわずかだが怒りがわきおこる。

「めんどくせーことしやがって。」
「いいじゃねーか。それに俺だって受かると思って推薦したんだぜ?」


本当かよ、と疑わしそうにシカマルが睨みつけると、アスマはすっと視線をそらす。
髭親父の額に小さな汗が光った。
絶対お前そんなキャラじゃねーだろうが。
どっちかっていえば、俺と同じように面倒くさいことは人に押し付けるタイプだろうが!
と怒りを露にしたものの、それが中忍試験出場に反映されるわけもなく…俺は死を覚悟して中忍試験へと向かわざるをえなかった。
仲間はお菓子を片手にいつまでも食べ続けるチョウジと、常に総合成績上位者ででリーダー格としてくのいちのまとめ役だったイノ。
小さい頃からの幼馴染なだけに、お互いの手の内は知り尽くしているし最も連携を取りやすい相手でもある。
それに俺とイノは気配を消すこと、察することにはかなりうまかった。
小さい頃、俺と同じようにイノも親とかくれんぼをよくしたと聞いたことがある。
上忍である親と遊びにしろかくれんぼをしたことによって鍛えられ、アカデミー生の頃から上忍の気配を探れるほどの腕を持っていた。
イノが自覚をしているかはわからないが。
しかし三人合わせても、他の下忍の班と較べると班全体の戦闘力はかなり低い。
俺とイノの能力はサポート系で相手の動きを止める程度だ。
チョウジのもつ技はかなり威力はあるはずだが、それを合わせても他の班と比べると天と地ほどの差があるだろう。
三人とも秘伝の術を親から教えてもらう家系なので、隠し技あるのかもしれないが。
もしあったとしても中忍試験中に使うことはないだろう、俺のように。

全く…熊はそれほど俺たちを死なせたいのだろうか、と思いたくなるほどだ。
俺たちはいくつもの任務を遂行してはきたものの、実戦経験が極端に少ない。
他のルーキー達の班よりはチームワークはいいだろうが、それは訓練の中だけの話だ。
専ら里内での任務がほとんどで、後は演習ばかりだった。
里外の任務に就かなかったのは、俺達が本家の子供だったから、配慮されたのかもしれない。
試験が始まり、試験会場で久しぶりに同期の仲間に会った。
場所が場所だけにあまり話すことは出来なかった。
皆変わってない様に見えたけど、卒業してから下忍としての経験をつみ、強くなったと言う雰囲気がみんなから伝わってきた。
ナルトとサスケとキバからは特に感じられて。
忍びとして相手に手の内をさらすようなことをしていいのか、とシカマルは突っ込みたいのを必死に抑えた。
それを突っ込んでしまったら、木の葉のレベルが低くなったと、他の里に教えているも同然のような気がしたから。
一次試験は筆記形式で、解こうと思えば解けるレベルだったけど、イノが上手くやってくれるだろうと、俺はそのまま爆睡し、机の上に突っ伏した
「シカマルってば!いつまで寝てんのよ!ほら!皆行っちゃうじゃない!」
とイノに叩き起こされ起こされ、次の試験会場まで寝ぼけたまま連行された。
することねーし、暇だったんだっての!
そう言い返そうとするが、頭の中で繰り返されるばかりで、眠くて瞼が重たい。
段々と瞼が下がっていくのが止められない。
立ったまま寝るのが俺の特技だからな。
完全に落ちる瞬間、森の前で誰かが大声で話しているような…覚えがあるような、ないような…

 

気がつけばいつの間にか森の中に入っていて、俺のほほ赤く腫れていた。
ジンジンするほほをさすりながら、目の前には鬼のように目を吊り上げてにらんでくるイノ。
頭から角が生えているような気さえしないでもない。
イノの横にぶるぶると震えているチョウジの姿が確認できた。
チョウジでさえお菓子を食べようとは思えないようだ。
っていうか、俺も怖い。
辺りを見渡せば、根がずいぶんとでかい大木や見たことも無い植物ばかり。
どうやら試験会場の中に入ったようだ。
「今、私がなぜ怒っているかわかるかしら?」
「お、おぅよ。俺が悪かったよ。」
イノの怒りはまだ衰えることはなさそうだ。
その時のシカマルにはイノに逆らわずに、ただ頷くことしか出来なかった。
「そのとおりよ。試験管に巻物もらいに行った時本当に恥ずかしかったんだからね!」
その時のことを思い出したのか、イノの顔が更に赤くなる。
「ぼ、僕もあれは恥ずかしかったよ。横でシカマル支えてたんだけど、皆が笑ってて。」
あ、はは…そんなことがあったなんて…それじゃあイノがこんなに頭にきてても無理は無いかもしれない。
それにこれはそれだけの問題ではない。
他の忍びにかっこうの鴨だと思われたかもしれないのだ。
これから先、気配を消すことはおろか自分たちの痕跡すら消すことに注意しなければならないだろう。
そう考えると、我慢できなかったとはいえシカマルは少しだけ後悔していた。
もし時間をさかのぼっても、寝ることを我慢できたとは思えないが。

「今回は試験中だからこれで勘弁してあげるけど、次は許さないからね!」
延々怒鳴られた後、ようやくイノはそういってシカマルを開放した。
やっと終わった、とシカマルは一息つく。
チョウジもイノの怒りが収まったのを感じ、やっと…という感じでお菓子の袋を手を伸ばした。
パリ、と音を立ててスナックがチョウジの口の中に消えていく。
すげぇな、とシカマルはそれを見ていたのだが、自分たちの方に近づいてくる気配に気がつき、イノに目配せした。
イノも近づいてくる気配に気づいたようだ。
小声でチョウジ、と呼び、手で合図を送った。
それを見たチョウジは手に持っていた御菓子の袋を元の位置に戻して、イノの合図の方向に動いた。
どうやら気配の持ち主はルーキーでも実力NO.1と噂されている日向ネジのようだ。
チョウジは顔を青くして、今にも逃げ出したそうだ。
イノは大丈夫だろうか、と視線を向けると、真剣な顔をして悩んでいる。
大丈夫か、と声をかけようとした瞬間、イノは背筋を伸ばして立ち上がった。
「私にいい案があるの。まかせて!」
堂々とそう言い残し、正面からネジのいる方向にイノは走り去った。
イノかっこよすぎ、ていうか俺たちかっこ悪すぎる。
シカマルは横で未だイノにポーと見とれていたチョウジのケツを蹴り飛ばした。
行くぞ、と声をかけ、立ち上がってイノの後を追う。

男が女に守られるなんて情けなさすぎるっつーの。
お前もそう思うよな。チョウジ。

と本人の了承も得ず、シカマルはチョウジのマフラーを引っ張る。
僕は行きたくない~!という声が聞こえたとか聞こえてないとか。


「あー!!こんなところで昨年度No.1ルーキーの日向ネジ様に会えるなんてー!」
イノは気づかれてもいないのに、ガサガサと音を立てて茂みの中からネジの正面へとでた。

「…誰だ!」

気配無く、いきなり現れたイノにネジは驚きと共に殺気を放つ。
班員が寝たままという気の抜けきった騒ぎを起こした10班はある意味非常に目立っていた。
この班に狙いをつけたものも多いのではないだろうか。
しかしネジの前に立つ忍びの気配の立ち方は一流で、目の前にいるのに気配をつかみきれていないことに驚いていた。
「私イノっていいまーす!今年下忍になったばかりの新米くのいちでーす!」
ネジは一年目にしては動きのいいイノに驚きもしたが、それよりも気になっていることがあった。
イノがピンクをまとっているように見えるのは気のせいだろうか。
幾分楽しそうにも見える。
隠れていれば見つからなかったはずなのに、女の考えることって本当にわからない。
それに他の仲間はどうしたのだろうか。
俺と同じように別行動をとっているのか、それとも…
「実は前から一度…お目にかかりたいなーーなんてー思ってたんです。」
ぱさぁ。と髪を止めているゴムをはずそうと手を頭の後ろにかざした時、背後からダァァァと派手にずっこけた音が聞こえた。

「それが、奥の手かよ!!」
顔を上げ、おい!と突っ込むシカマル。
そしてその後ろでは全力疾走がきつかったのか、息を切らして突っ伏しているチョウジ。

「お前たちは何なんだ?」
イノ、シカマル、チョウジを見ながら、ネジは呆れたように呟いた。
気配を悟らせずにここまで近づいてきたイノとシカマル。
イノは私のせっかくのアイデアが台無しよ!とシカマルに怒鳴っている。
そして後ろでもう嫌だー、とチョウジは伸びていた。
ネジはイノが一人でいたのはおとりで実は他の仲間が周りで俺を狙っているのではないかと考えていたのだが、その考えを断念するほかなかった。
三人全員が目の前に出てきている状態では…。

 

「ったくもう!せっかく私のお色気の術にかかりそうなところだったのに!」
「それはありえねーだろ!」
シカマルが言い返すとイノはチッ、と舌打ちをし、シカマルの首に腕をクロスさせて、ぎゅ、と締めた。
シカマルの顔が徐々に青白くなる。
その様子を見て、ネジははぁ、とため息をつく。
こんな馬鹿な集団が近づいてきたことへ気づくことの出来なかった自分の不甲斐無さに。
「おい、お前たち!見逃してやるからとっとと去れ。」
くるり、と背を向けネジはその場から離れようとした。
ちょっと待ちなさいよ!とわめく声も聞こえたが、ネジは聞こえなかったことにした。

 

 


「おいおまえ本当にあれで乗り切れると思ってたのか!」
「当たり前よ!私の色気を舐めんじゃないわよ!私のファンって結構いるんだから!」
「確かにお前がもてんのは知ってるけど、相手を考えろよ!」
「そうだよ!ネジ先輩って硬派でラブレターも絶対受け取らないって噂だよ~」
先ほどのショックから立ち直ったのかチョウジは御菓子の袋を取り出し、ボリボリとまた食べだした。
「何言ってんのよ!この私が断られるわけ無いでしょ!あんたたちが邪魔したから帰っちゃったのよ!それにまだ髪も全部下ろしてなかったんだから!」
まだいうか、と内心思ったが、言葉に出せばもっと面倒くさい状況になる、とシカマルは口をつぐんだ。
実際戦闘にならずにすんだのだから、結果的には万々歳なのだから。
怒り出すイノをなだめ、シカマルは長時間同じ場所にいるのは危ないからと敵に見つかりにくい場所に移ろうと提案した。
移動する道筋で。

「これからどうするよ。」
「決まってるでしょ!私たちより弱くて確実に巻物を奪えそうなチームを探すのよ!
「俺たちより弱いって…そんなのいねーだろ?ナルトチームでもどっこいって感じじゃね?」

勝ち目の薄い戦いだと改めて自覚し、シカマルは目頭が熱くなった。
こんなにひどい目に合わせてくれた熊には絶対に仕返しだと誓いながら。
そう心で強く誓いを立てていたシカマルの耳にイノの怒声が高く響く。

「バーカ!何言ってんのよ!ナルトとサクラは確かに戦力外でうちといい勝負かもしれないけど、あそこには超~天才のサスケくんがいるでしょォ~!!」

サスケがけなされたと思ったのか、イノはものすごい勢いでまくしたてた。

「フンどうだか…実践じゃあその天才も案外モロいもんだぜ。」

いつになく反抗的な態度のシカマルにイノはギロリと更に目を吊り上げてにらみつけた。
これは限界だな、と感じたシカマルは悪かった、と謝った。
しかし…と自分たちの戦力とほかのチームとの戦力の差を考える。
実際問題、俺たちのチームで戦えるのはなると立ちのチームだけではないだろうか、と。
イノが持ち上げるようにサスケに実力が備わっているということはわかる。
アカデミーでは常にトップだったから。
そしてイノがけなすようにサクラとナルトの実力は低くは無い、ということもわかっていた。
サクラは実技は苦手でも筆記はいつも一番だった。
チャクラの使い方、練り方もうまい。あれに応用力があれば、化けるかもしれない。

ドベだったナルトにもある種の才能を感じることがあった。
アカデミーの時に一緒にいたずらを計画したときに。
誰も考えもしないようなことを死角とも取れるようなことを考え付くことがよくあったのだ。
そして…術を使うタイミングがかなりうまい。
使う術はアカデミーでも初期に習う簡単な術だったが、その術の効果が2倍にも3倍にも広がるような使い方だった。
下忍になってからはあまり会えなかったが、アカデミーの頃から成長したと考えれば俺たちよりも強くなっているかもしれない。。
しかし知っている下忍の中ではなるとのチームが一番弱いとシカマルは感じていた。
成長したことを考慮しても、アカデミー時代にあれほど一匹狼を装っていたサスケがチームワークが出来るようになったことは考えられないからだ。
キバ達のチームは俺たちと同じサポートタイプではあったが、俺たちよりも戦闘能力が高かった。
そして探索能力を持っているので今回の試験を早く合格するかもしれない。
先ほど会ったネジ達のチームは学年が一年下の俺たちの間でも噂になるほどのチームなのだ。
戦って勝てるわけが無いだろう。
そこまで考え、はぁぁと大きな大きなため息をついた。
ナルトと戦いたくは無いけど他と戦っても勝てないだろうし、負けた方が楽なのでは…という考えがシカマルの頭にちらつく。

「ちょっとシカマル?何ため息ついてんのよ。大丈夫?」

顔を上げると、心配そうに繭尻を下げたイノの顔。
自分のせいで俺がため息をついているとでも思ったのだろうか。
心配するなら言わなきゃいいのに、と思いつつ、しかたねぇかとイノの頭に手をぽんと載せた。
何でもねーよ、といい、イノはほっとしたように笑った。
そして載せられた手に気がつき、ばっとはずして、フン、とそっぽを向く。

「大丈夫ならいいのよ。」
「シカマルは全然大丈夫だよ!めんどくさがってばかりだけど、結構丈夫だしね。」

そうよねー!とイノはチョウジと言い合った。
その横で話がまったく進んでない、と再びため息をつきたくなったシカマルだった。




ドガガァァ!
ボコォォ!


「おい、遠くで音がしなかったか?」
「えぇ。確かに聞こえるわ。音のした場所の近くに……サクラがいるわね。」
徐々に大きくなっていく騒音の音にイノは深刻そうな面持ちで、シカマルと目をあわす。
「確かに何か大変なことが起こってそうだね。」
チョウジも心配そうに音の聞こえてくる方向へと視線を向けた。
「どうするよ?」

「行ってみるに決まってんでしょ?ね!チョウジ。」
「え~!いくの?」
「そういうこった、行くぞ!チョウジ。」
ピュッと風を切って三人は音のする方へと走り出した。
目的地はここから遠くはないとわかっていたので、気配を消しながら。

 

 

「うそ~~!何よこれ!信じらんない!?」

イノの絶叫があたりに響いた。
気が折れていたり、地面が盛り上がって穴が開いてた。
それらは激しい戦闘を物語っていた。
イノの絶叫を聞き、隅のほうにいた誰かが立ち上がった。

「イ、イノ?何でこんなところにいるのよ?」

イノのほうへと近づいてきたのはアカデミー時代からお互いに競い合っていたサクラだった。
元気そうな声の雰囲気とは違い、サクラの自慢だった神は無残にもばらばらに切られ,体のあちこちが傷だらけだ。
イノはサクラの状況を見て、頭がかっと熱くなった。
「あ、あんたこそ、その格好どうしたのよ?」
返答によっては相手をぼこぼこにしてやる。
「あ、これ、ちょっとね。」
サクラは切られた髪を誇らしげになでた。
その姿を見て、イノは少し溜飲を下げたようだ。
「こっちに座りなさいよ。私が髪を整えてあげるから。」
「…ありがとう。」
普段であれば口論しているかもしれないが、サクラにはイノの心遣いが嬉しかった。

「気にしないでいいわよ。髪は女の命だから。」


シカマルは仲良く話し出した二人を見て、大丈夫だと胸をなでおろした。
何があったのか、それを聞く必要はない。
今は試験中で、誰とどこで戦闘になってもおかしくないのだから。
辺りを見回すと少し離れた場所で横になっているナルトと、そのナルトから更に離れた場所に座っているサスケを発見した。
寝ているナルトに近づこうともしないサスケ、そして寝たままのナルトに不安を覚える。
「チョウジ。あそこにナルトが寝てるみてーだから、様子見に行こうぜ。」
「うんいいよ~。」
チョウジをつれてナルトの様子を見に行くと、幸せそうな顔で寝ていたのでつい笑ってしまう。
こんな敵陣の真っ只中で寝るか、普通。
でも俺も寝てたし、強いこといえねぇよなぁ。

「シカマルみたいだね。」

くすくす、とシカマルとナルトを交互に見ながらチョウジは笑った。
同じことを考えたようだ。
チョウジはつぼにはまっているらしく笑いが止まらない。

「このやろ~」

じろ、と睨むがチョウジは未だ笑いから開放されないようだ。

「あははは!」

と笑い続けている。
仕方がないので俺はチョウジをほっといてナルトの肩をゆすった。
その時なぜかサスケの視線が突き刺さるように感じたのは気のせいだったのだろうか。
「おーい!ナルト!」
「うーん、ほぇ?あ、あいつはどこいったんだ!」
辺りを見回したかと思うと、体を伏せて逃げろ、と騒ぎ出した。
「おーい、もう敵はいねぇって。」
ポンポンと頭を軽く叩き、ここにいる皆が思っていることを代弁した。
「あれぇ?シカマルだってばぁ!」
パァァと嬉しそうな表情を浮かべ、飛びついてくるナルトを受け止めきれずシカマルは腰を落とした。
「うわ!びっくりすんなぁ。」
「いいじゃん!この前はあまり話せなかったし、あえて嬉しいんだってば。」
「ま、まぁな。」
直球過ぎるナルトの言葉にシカマルは照れてにやけそうになる口元を手で覆い隠す。

「おい。ドベ。さっさと起きやがれ。」
威圧的で低い声。
機嫌が悪いのか、何が気に入らないのかはわからないけど、それを聞いていたシカマルでさえ気分を害した。
「なにぉぉ!ドベじゃないってばよ!」
ガッと立ち上がり、ナルトはサスケを睨みつけた。
想像通りのチームワークのなさにシカマルは担当上忍に不安感を抱く。
この状態のチームに試験を受けさせたのか、と。
サスケとナルトはそんなこと気にしないだろうけど。
立ち上がったナルトは再度辺りをきょろきょろと見回し始めた。
サスケの言動はいつものことのようで、ナルトもあまり気にしていないようだ。
ナルトはイノと一緒に座っているサクラを目に留め、変わりように目を細めた。

「サクラちゃん、その髪どうしたってば!!」
「……イメチェンよ。イメチェン。試験中で、邪魔だしね。」
とってつけたような理由だったが、ナルトは納得したのだろうか。
イメチェンといったサクラをイノとサスケが複雑そうに見つめる。

「そういえばイノ達会場に入る前、もめてたでしょ!かなり目立ってたわよ!」
話題を変えようと、サクラは試験前の10班の奇行について話した。
「あ、はははは!まぁね!」
ははは、と薄笑いを浮かべながら、イノはこちらをギロと睨んだ。
そのことで怒られまくったことを思い出し、シカマルの背中には冷や汗が流れる。
この場を一刻も早く去らなければ。

「じゃあ俺たちはこの辺で。」
「そうねぇ。私たちも巻物集めなきゃいけないし。」
「うんうん。じゃあまたねー!」

バイバイ、と手を振る10班の面々はすでに表情の見えないところまで移動していた。
そのすばやさに目を点にしながらも、つられた様にバイバイと同じようにサクラとナルトも手を振った。
あっという間に姿は見えなくなり、沈黙がその場を支配した。

「あの班って結構やるかもしれないわね。」
「お、おう。俺もいつあんな遠くまで移動したのか見てなかったてばよ!」
「………」

リーを回収しようと近くにいたネジも同じことを考えていた。

「あいつらは一体…?」

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