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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/24 (Tue)
この前初めて検索サイト様に登録してしまいました!

こちらのサイト様です。
 土山土さーち。

いつも利用させていただいていましたが、このたび登録させてもらえて、本当に嬉しくて飛び上がりそうなくらいです。
その反面、そこから飛んでこられた方に、私の駄文をお見せすることがとても恥ずかしいなぁ、と。
ついついサイトのほうを覗くのを足踏みしておりました。

更新速度が遅くて、他のサイト様をいつもすごいなぁと尊敬しているだけの私でございますが。
文を見て、少しでも楽しんでいただけるように、文章能力を磨くため、文を書き綴っております。
一つのネタを短編でまとめることが未だ出来ていない私ですが、短い文章で簡単に、つたえることが出来るように日々努力したいと思っております。



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NARUTO
検索 

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同盟
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銀魂


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閉鎖されたサイト様方です。
お疲れ様です。
今までありがとうございました。


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何とか、誕生日に間に合ったかな?

 2月6日で~す★★私の好きなサイトの方々が誕生日企画をなさっててめちゃ嬉しかった

誕生日万歳

なので誕生日の行事をがんばってみましたぁ!

なんか文章がまとまってない感じがしますが。

それはいつものことなので。

 

 

そして若干BL的表現が含まれております。

CPは土山です。誕生日ネタです。

 

 

 

 

数ヶ月前。

恋人となった上司に、お前の誕生日いつだっけ?と聞かれて

「2月6日です。」

そう応えた。

「へぇ、なんか欲しいもんあるか?」

相手は何気なく言った言葉だったのかもしれないけど、とても嬉しくて胸が高鳴った。

嬉しくて嬉しくて、舌をかみそうになったけど。

「何にもないですよ。」

言葉に出し、もったいないことをしたかもと後悔する。

この人がこんなに優しくしてくれることなんてあまりないことだから。

「じゃあなんか考えといてやるよ。」

その瞬間、死んでもいいかも…本気でそう思った。

 

 

たとえあなたが忘れたとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

いつものように朝起きて、朝食を食べるために広間の方へと向かった。

屯序の空気がいつもよりも明るく感じたことに首をかしげながら。

 

 

 

 

 

「あ、おはようございます。副長。」

「おはよう。」

「おはようございます。今日は気持ちいい天気ですね。」

廊下で隊士とすれ違うたびに明るい表情で挨拶される。

鬼の副長と恐れられているだろうから、隊士にオドオドとした態度を取られる態度にはなれていた。

しかし今日はどの隊士も朗らかな笑みを浮かべている。

何かがおかしい。

そう感じながら朝食の膳の前に座って、周りを見渡した。

そこには皆に囲まれて、嬉しそうに笑う山崎がいた。

山崎に近づくな、と声を大にして警告したいところだ、というのも。

山崎には自覚は無かったが、隊士の内で人気があった。

笑った顔がかわいい、とか仕草が色っぽいなど、俺にとっては頷ける意見ばかりだった。

それを他のやつが言っているのを聞くと、妙にイラつく自分がいた。

それからだ、山崎を気にしだしたのは。

山崎を自分のものだと思っていたからだろうか、我慢できなくなった俺は山崎を部屋に呼び出し…関係を持った。

 

いいか、と問えば、はいと。

 

まるでいつもの仕事の報告のやり取りでもしているかのように自然で、色恋を感じさせない声色だった。

 

体に触れれば、かすかに聞こえる高い声と、ほんのりと赤く色ずく頬。

段々と乱れる山崎に、徐々に興奮を覚えた。

今まで抱いたどの女よりも。

 

一緒に朝を迎えてから、俺は山崎を手放すことが出来くなった。

何か用事があれば山崎を呼び、無くても用事を作って山崎を呼んだ。

呼びつければ、すぐに「はいよ」と返事をして飛んでくるから、それが当たり前になった。

 

そしてそれが当たり前となってから、山崎に近づく輩は全て敵だと感じるようになった。

だから、山崎の周りに人が集まっているというこの状況にとてもいらだっていた。

 

 

 

 

 

「やまざきぃ。」

皆自分の席に戻り、山崎の周りにいた隊士も食事を始めていた。

もう食べ終えたのだろう沖田が山崎の名前を呼ぶ。

「はいよ。」

と箸を止めて、山崎は沖田の方を見た。

「山崎おめでとうございやす。これプレゼントでさぁ。」

沖田の祝いの言葉に嬉しそうに笑った。そしてその後、困ったように笑った。

「そんな、悪いですよ!」

渋る山崎を気にすることなく、どうぞ、と沖田は小さな箱を手に載せて差し出した。

「気にしないでおくんなせぇ。いつもお世話になってる俺からの気持ちでさぁ。」

じっと青い瞳で捨てられた子犬のように山崎は見つめられた。

「わかりました。喜んで受け取らせていただきます。」

にこぉ、と本当に嬉しそうに山崎は笑った。

その顔を見て、沖田やその笑みを見てしまった一部の隊士達はぽかん、と一瞬時が止まったかのように山崎に見惚れた。

全く気にしてない風を装っていた土方も同様に、である。

そして土方は思う。

なぜ今日山崎にプレゼントを渡すのだろうか、と。

そして思い出す前に。

「山崎、バースディカードも作ったんでぃ。」

という沖田の言葉を聴き、土方は顔からサーと血の気が引くのを感じた。

そうだった。

今日は山崎の誕生日だった。

確か…何かやると約束したはず。

しかし何も用意していない。

しまった、と頭の中で自分への罵倒が飛び交う中、最近妙に機嫌のよかった山崎のことを思い出す。

そして何も用意をしていないことを思い出し、冷たい汗が背中をつたう。

「うわぁ。本当にありがとうございます。すごく嬉しいです。」

カードを受け取って、山崎は更に嬉しそうに礼を言った。

沖田もいつに無く無邪気に笑った。

プレゼントを用意していない土方は自分の方には話しが飛んでくる前に、さっさと食事を終わらせ席を立った。

広間の方では山崎の嬉しそうな声が響いていた。

後ろ髪を引かれながらも、その場を後にした。

 

頭の中では山崎に何をプレゼントしようかと思案しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつ行きましたぜぃ。」

「そうですか。」

食事をしながら、山崎と沖田は小声でひそひそと話す。

「やっぱりあのバカ絶対忘れてますぜぃ。」

ひどい男でさぁ、と仏頂面で沖田はつぶやいた。

「俺も忘れてるだろうな、と思ってはいましたけど。」

ニコニコと笑いながらも、山崎の目は怒っているということを物語っていた。

「その分、俺が山崎を祝ってやりますぜぃ。」

こっちに、と沖田は山崎を食べ終えたお膳の前から屯序の外へと連れ出した。

山崎は沖田に手を握られても、抵抗しなかった。

ただ、はいはい、と優しく返事をして従うまま。

去っていく二人の姿を他の隊士達はうらやましそうに眺めていた。

 

 

 

 

 

「どこ行くんですか。」

屯所を出て、数十分前を歩く沖田の足は止まらなかった。

それでも今一緒にいてくれる沖田が山崎には嬉しく、頼もしかった。

態度には出さなかったけど、誕生日を忘れられたことは事実だったから。

プレゼントを考えておくという土方の約束が嬉しかっただけに。

胸の奥が深く、えぐられたように痛い。

「今日はおめでたい日ですからねぇ、水族館でもいきませんかぃ。俺がおごるなんて珍しいですぜぃ?」

励まそうとしてくれているのか、その沖田の心遣いが山崎の心を和ませた。

「ほんとですかぁ?沖田さんがおごってくれる打なんて珍しいですね!楽しみだなぁ。」

歩く足取りが思わず軽くなる。

せっかく沖田さんが気を使ってくれているのに…

機嫌の悪いまんまじゃ、沖田さんにも悪いし、もったいない。

そう思い、今だけは上司のことを考えないことにした。

 

「じゃあ行きますぜぃ!」

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お題から横道にそれて出来たものです。

長くて、抑揚がなくて…う~~ん

時期はアカデミーから中忍試験にかけてかなぁ。

 

でもめっちゃ時間かかったぁ

題もセンスゼロです!

 

 

 

 

 

 

 

アカデミー生として通っていたとき、いつも俺の視界に入った奴がいた。
あいつの方が早くにアカデミーに入学していて、俺より上の学年だったから接点なんてその頃は何もなかった。
ただ…忍びらしくないオレンジのジャージを着ていて、変な奴だなと思っただけ。
自分でもわからない、ふと惹きつけられたんだ。
一人で歩くその姿に、なぜか。

それからしばらくして、あいつが二年留年して同じ学年でクラスメートになった。
教室でいつもうるさいくらい騒ぐあいつ。
そして教室の後ろの方でいつも寝ている俺。
半年たっても接点なんて生まれなかった。
あいつは騒いでも誰かと群れるような奴ではなかったから。
気にはなっていたけど、声をかけるのが俺らしくないような気がして。
半年たって知ったのは、あいつに対する周りの行動の違和感。
オトナはさげずむように、憎むように里人もアカデミーの先生でさえつらく当たる。
そしてその影響を受けた何も考えていない残酷な子どもたちは仲間はずれやいじめを繰り返す。
その中で、一人道化のように笑顔で馬鹿なことを繰り返すあいつ。
何が悪いのかなんて知らないけど。
俺は一人でも大丈夫だとでもいいたげなあいつの笑顔に気がついたとき、むしょうに自分自身に腹が立ったんだ。
それでも声をかけようとしないのは、俺らしくない、とちっせぇこと気にしてたから。
そんなこと思っていた俺があいつと話したい、そう思ったのは自分に嫌気が差したから。
声をかけて目立ちたくない、と考えた自分にむかついて。
情けなく感じたんだ。

 

 

それでもいきなり声をかけても、あまり話をしない自分と仲良くなってくれるか自信がなくて。
一番気楽そうなキバと幼馴染のチョウジと一緒にサボる計画を立て、計画に必要だとキバに無理やり連れてきてもらった。

「おぅい!連れてきたぞ!」
何がなんだかわからない顔で連れて来られたあいつは逃げたそうにしていたけど、キバががっちりと腕をつかんで離さない。
「な、なんだってばよ?」
「今お昼休みだろ?これから授業抜け出そうって計画たててんだよ。」
な、と肩に乗せていた赤丸という忍犬にキバが同意を求めると、キャン、と赤丸が応えるように吠えた。
シカマルとチョウジが座っている横に円になるようにキバは座った。
「でもそれって俺関係ないってばよ?だから腕はなしてってば!」
「うるせぇな。いいから立ってないで座れよ。この計画にゃどうしてもお前の力が必要なんだって。」
つかんだ腕を引っ張って、無理やり座らせた。
安心させるようにキバは肩をぽんと叩いた。
キバの話を聞き、口元にニヤァと何かをたくらんでいるような笑みを浮かべる。
「……ふぅん。それって面白そうってばね!次の授業イルカ先生だし」
「だろだろ?俺もシカマルにそう話し持ちかけられてそう思ったんだぜ?」
「シカマル?」
誰、とでもいうかのように俺たちの顔を見比べて。
そして俺の方を怪訝そうに見ながら
「あのぅシカマルだってば?」
「あぁ。俺がシカマルで、こっちがチョウジ。まぁ目立たねぇから、わからなくてもしかたねぇよ。」
シカマルの言葉に一瞬目を丸くした後、笑い出した。
「そんなことねぇってばよ!お前いつも寝てるし、先生が名前呼ぶのを聞いて覚えたんだってば!いつもうつ伏せだからちょっと顔が曖昧だっただけで…」
「確かにいつも呼ばれてるし、寝てるよねぇ。」
そうチョウジが言い、三人で笑いあう。
「くそっ!そんなに笑うことねーじゃねーかよ!」
悪態をつく俺を見て、更に三人は笑った。
「ったくしかたねぇなぁ。まーいいや。作戦説明すっぞ?まずは牙がこう動いて……でナルトがみんなの注目を引くんだぞ?」
「それ、うまくいきそうだってばね!」
「なんか面白そうだね。」
「だな。じゃあ4人でチームでも組むかぁ!」
あーでもない、こーでもないと考えながら、キバはチーム名を考え出した。
俺たちは悪戯餓鬼で…4人だから…
「よし!俺たちは今日から悪戯カルテットだぜ!」
「おまっ!それそのまんまじゃねぇかよ。」
呆れ気味でそういう俺に対して、またまた三人だけで盛り上がる。
「すげーいい名前だってば!キバ頭いいな!」
「うん!覚えやすいし、カルテットってかっこいいよね!」
乗り切れない俺を気にせず、三人の話は更にヒートアップする。
…暗黙の了解で無視られている気がするんだけど、気のせいじゃねーよなぁ。

 

そんなこんなで、計画通りに事は進み、怒鳴り声のする教室から4人で抜け出して。
ギャアギャアと笑いあいながら、川岸の道を歩く。
「やったってばね!すんげー面白かったってばよ!」
「俺も俺も!スリル満点だったぜ!特にイルカ先生の後ろを通ったときとか!」
あぁあれ!と言い合いながら、二人はまた笑いあう。
その顔を見て…あの笑顔よりも少し違う笑顔だったから俺は嬉しかった。
その時からずっと。
その笑顔を守って生きたいと思ったんだ。
なぜだろうなんて疑問は浮かんでくるけど。
まだまだ子どもである俺には、とても難しくて、解けそうにない。

 

 


それからアカデミーにいる時には、一緒に悪戯をしては皆で怒られたけれど。
一人で馬鹿なことして笑うような姿を見ることはなくなったので、ほっとする。
卒業して下忍になってから、会う機会は減ってしまったけど。
たまに見かける7班にいるナルトは少し淋しそうに笑っていた。
俺はといえば、10班として下忍の任務を遂行する日々の繰り返し。
その合間にある休日に家で疲れを癒していると、あいつはどうしているだろう、とつい考えてしまう自分がいる。
俺が心配しても何も変わらないのに…面倒事が嫌いな俺にとって、それはとても珍しいことだった。



 

サスケ好きな人をは注意してください!

若干サスケに対し、ネガティブな表現があるかもしれません。

下の文を読んで不快な気分になるかもしれませんので、サスケ好きの人は読まれない方がよいかもしれません。

 

 

  ■ 片想い中の 20 のお題

 05の続き

綱手を木の葉に連れ帰りシカマルたちと顔を会わせた後、面倒くさがる綱手をなだめすかしてナルトは木の葉の病院に連れて行った。
木の葉崩しやイタチの襲撃によって、重症のものや昏睡状態の忍びがまだ多くいたからだ。
綱手の医療忍術をもってすれば、大抵の怪我であれば完全に治すことが出来る。
意識不明で重症患者の筆頭に名を連ねていたカカシとサスケも同様に。
そして。
綱手の治療により意識を回復させ、二人は一命をとりとめた。
しかし……イタチに再び会ったことによってサスケの中にあった憎しみは誰にも止めることが出来ないほど大きなものに育っていた。
ごうごうと音をたて。
憎しみの火は大きく燃え上がり、誰であっても消すことは出来なかった。
 
 
 

「ナルトのおかげよ、本当にありがとう!」
「よかったってばね。サクラちゃん!」
「えぇ!一時はどうなることかと思ったけど、ナルトが綱手様を連れ帰ってきてくれたおかげよ!」
「まー俺にかかれば楽勝だってば!」


そう言葉を交わしたのはつい最近のこと。
綱手の治療のおかげで意識を取り戻したサスケを見て、サクラはよかった、と喜びの涙を流した。
しかし意識が戻ってもサスケの口はぎゅっと閉じて宙をじっと睨んだまま、何も話そうとしない。
その時のサスケの表情に、綱手は以前に感じたことのある危機感を覚えた。
そう、それはとても昔のこと。
大蛇丸が木の葉を抜ける少し前のことだった。
その時の大蛇丸もこんな、狂気と憎しみを灯した瞳をしていた。
大蛇丸とは少し違うけれど、この子もうちは一族の生き残りとして復讐を糧としていると聞く。
ナルト達のように親身に思ってくれる仲間がいるのだから、そんな心配をする必要はないはずだけど。
無性に胸がざわざわと騒いだ。
 

「なぁ、ナルト。あの子は大丈夫なのかい?

綱手が火影に就任して数日後、ナルトは綱手に呼び出され、そう質問された。

「何が?あんたのおかげで元気になっただろうが?
「そうじゃなくて、心がだよ。私の治療で体は治っただろうが、心は違う。かなり危なそうな目をしていたよ。」

そう言われ、ナルトは面倒くさそうにしながら、考え込みだした。
ナルトにとってあの子達は数少ない仲間のはずだ。
だから私も里に帰ってすぐに治療のために病院に向かったのだ。
ナルトのために。
ナルトは望んではないかもしれないかれど、この子のために何かをしてあげたいんだ。
この子に会ったことで、私は自分の無力感と罪の重さに気がつくことが出来たから。
里のものは未だその罪に気づくことはないけれど。
綱手が木の葉に残って三代目の手助けをしていれば少しは違う未来になっていたかもしれない、という後悔を感じながら。
だからなのかもしれない、ナルトには信頼できる仲間を持ってほしいと願うのは。
しかし
「大丈夫じゃないかもね。あいつ自分が一番強いと思ってるし、兄貴との実力の差に愕然としたんじゃねぇかな。」
とナルトはあくまでも冷静で、その言い方には敵意さえ感じるものがある。

「あんたそこまでわかってるなら、何とかしてあげたらいいじゃないの。」
「だってあいつのこと、嫌いなんだよね。なんかすかしてて、不幸自慢してる感じで。」
「確かにあんたから見りゃそうかもしれないが、同じ班同士だろ?

サスケへの敵意を感じ、綱手はもしかしてナルトはあまりいい感情を持っていないのかもしれないと思う。

「同じ班でもサスケとサクラは違う。最初はサクラもサスケのことばっかり気にして嫌な女だったけど、中忍試験からいい方向に変わってきた。でもサスケはいつまでたっても憎しみばかりだ。ライバルとして突っかかるのも正直疲れるよ。」
「そうか

仕方がない、と綱手は思う。
ナルトだって木の葉のことを恨まなかったことなんてないだろう。
ナルト自身に責められるべき点なんてない。
それどころか、本来ならば九尾を封印してくれてありがとうと礼の一つでも言っていいくらいだ。
だから、いつもは生意気なくらい大人ぶったナルトも。
憎しみで雁字搦めに縛られているサスケを見ていると、自分が惨めだと思ってしまうのかもしれない。
憎しみを言葉にするどころか、強くなることさえ認められていない現在の状況を。

「確かにドベ演じながらサスケにつっかかるのは疲れるかもしれないねぇ。そういえば、木の葉に帰って来た時、目つきの悪い餓鬼となんか約束してたねぇ。あんたが誘うなんて珍しい感じがしたけど。あんたにしちゃ珍しく慌ててなかったかぃ?
「へ?そんなわけないだろ?俺はいつも冷静だっつーの!」
さっきまで平静だったナルトのほほに赤みが差す。
それを見て、綱手は驚き、ナルトを面白そうに観察する。
旅先で会ってからずっとナルトを見てきたが、こんなに子どもらしいナルトを見たのは初めてだった。
シカマルとあったときもこんな風にナルトが動揺していたから、面白がって自来也と一緒になってアドバイスなんてしたのだけど。

「へぇ。そんなふうには見えないけどねぇ。」

綱手が面白がっている様子を見て、ナルトはヤバイ、と思った。
生まれてからずっと自分を偽ってきた。
演じるということに関しては自信を持っていたのに、シカマルのことが絡むと簡単に崩れてしまう。

「別に表の俺だったら新技のことを自慢するだろうと思って誘っただけだ。」
「ふぅん。じゃあ螺旋丸見せたんだ?驚いただろうねぇ。」
あぁ。」

歯切れが悪そうなナルトに綱手ははて、と首をかしげた。

「驚いたにしては元気がないねぇ。」
「螺旋丸の威力を見せて、あいつも驚いたようには見えなかったけど、……俺の方が驚かされたっつーの!」

ナルトの驚かせたという発言に、綱手は興味をかきたてられる。
いつも生意気なことばかり言って、周りを振り回しているナルトが、と。
しかし綱手にはナルトが何に驚かされたのか、予想ができなかった。

「それは珍しいねぇ。いったい何が起こったんだい?

興味津々、という感じの綱手にナルトはぐっと口をつぐむ。
綱手に知られれば、面倒ごとになることは免れない。

……
「ナルトったら!」

何度もしつこく質問してくる綱手に、ナルトはついに根負けし、事の顛末を話した。

「ったくしつけーな。話せばいいんだろ、話せば……あの日シカマルにあれ見せたんだけど
「うんうん。」
「一回見ただけでその構造見切られた。」

「へ?」

「だから見せただけで螺旋丸会得されたんだって!」
「はぁ!??なんだって!?あの術は確かに印もいらなくて単純な術だけど、そこらの中忍が見切れるようなレベルの術じゃないんだよ!」
「そんなこと言われなくたってわかってるでも、チャクラが足りなかったとはいえ木枯らし程度だけど発生させたんだ。」

その時のことを思い出したのか、ナルトの眼差しに熱がこもる。

「でもあ、あんな餓鬼が見ただけでなんて、信じられないよ

綱手は予想の範疇を超えたナルトの話に動揺を隠せない。
カカシやサスケの持つ車輪眼ならば、可能かもしれない。
しかし奈良一族にはそんな目もなければ、秘術も伝わっていないはず。
何をどうやって理解しえたのだろうか。

「俺だって未だに信じられないけど目の前で見たんだ。」

そう呟くナルトの姿を見て、シカマルもナルトと同じなのではと綱手は思った。
ナルトも綱手と同等かそれ以上の力を持っており、現在暗部で働いていると聞く。
一人そんな存在がいれば、もう一人いてもおかしくない。
今感じた驚きは、ナルトの話を聞いた時の感覚と似ているような気がする。
実力を隠しているところとか、ナルトも暗部に属しているのだからありえない話ではない。

「それならあんたと同じように暗部に属しているとかじゃないのかい?」
「そんなわけない!はずだ。それにあいつはアカデミー時代も俺とドベ争いするくらいの成績だった。わざと手を抜いているのは気づいていたけど
「でも見て螺旋丸の構造を理解できるなんて、それ相当の実力を持っていなきゃ出来ないんじゃないかい?

綱手にそう諭され、ナルトは黙りこくる。
シカマルの知らなかった、気づけなかった一面を知って、ズーンと気分が重くなった。
確かに悪戯を一緒に計画した時とか、妙に鋭い意見を言うやつだな感じたことはあった。
自称いけてない系だと言っているが、影で人気があることも知っている。
いつからそんな実力を持っていたのだろうか、全くといっていいほど想像がつかない。

「それにしても、木の葉の忍びのレベルは落ちたのかと思ったけど、こんな餓鬼がいたなんてねぇ。木の葉も捨てたもんじゃないねぇ。」

しみじみと、綱手はこれからの木の葉のことを思い、そうつぶやいた。
確かに、そうなのだろう。
これがシカマルでなければ俺もその意見に何の異論もなく同意していただろう。
これは頼もしい味方が出来た、と。
シカマルでなかったら。

「今回の中忍試験で中忍に昇格したんだろ?やっぱり実力のある奴は頭角を現すんだねぇ。三代目も見る目があるじゃないか。」

「なんだい?元気がないねぇ。」
「うるせーつうの。用がないなら任務あるから行くぞ。」

背を向けて、ナルトは部屋から出ようとした。
どことなく暗い面持ちで。

「ちょ、ちょっと待ちなって!その任務のことで話したいことがあったから呼んだんだよ!」
綱手は去ろうとしたナルトを慌てて引き止めた。
「あんたが暗部としてどうするのかを今後どうするのかを聞いておきたくてね。」
「なんだ、そんなことかよ。今までと同じでいいよ。俺もまだ下忍のままだしね。」
「わかった。それとさっきの話の小僧は暗部になる気はないのねぇ?」

ナルトは少し考え、静かに呟いた。
「あいつはこんな血なまぐさい世界なんて似合わないよ。それにあいつに出世しようとか、そういう欲はないんだ。」
「それは残念だねぇ。そんなに才能があれば、すぐに実力なんてつくと思ったんだけど。」
「まぁ。表で温かく見守ってやってよ。」

綱手には背を向けているナルトの表情を読み取ることは出来なかった。
しかしナルトの雰囲気が和らいだことが感じ取れた。

「あぁ、わかったよ。」

ナルトにとってシカマルは特別な存在らしいということが綱手にも伝わってきた。
そしてナルトのいうように実力があるのならば、それ相応の仕事を与えてやらなければとならないと、綱手は火影として考えた。
裏でなく、表で

「じゃあ、任務に行ってくる。」
「あぁ。気をつけてな。」
 
綱手はふっと息を吐き、椅子にバタッと座り込む。
目の前のデスクに並べられている溜まった書類の束を見て、ウンザリしながら。
窓の方を眺めると、すでに日も落ち暗くなっている。
綱手は木の葉の将来を思いながら、火影として何が出来るかを考える。
考えて、まず最初にしなければならないのはナルトを表で活躍させてやることだと。
その時のことを考えると年甲斐もなく、胸の奥が暑くなる。
そのためにナルトの仲間をもっと増やさなくては、と考え先日治療した少年のことを思い出す。
大蛇丸と同じような目をしていたあのうちはの少年のことを。
 
 
 
 
後日サクラの思いも虚しく、イタチに再び会って燃え上がったサスケの憎しみは消えることはなく。
綱手の心配していたとおり、サスケは大蛇丸の手下に連れられ木の葉の里を抜けることとなった。

 

 

2007/01/26 (Fri) お題 Trackback() Comment(0)
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