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ここは日記+駄文しかおいておりません。 現在はnaruto・銀魂を主としております。 原作には全く関係ありません。 若干女性向けの表現がありますのでどうぞ注意してお入りください。 最初に案内をお読みいただけると助かります。
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2025/06/12 (Thu)

「コレ、いい酒だろ?」

「おやじにしては…珍しく、な。」







眠気眼のその奥に。




酒を口に入れ、うまい、とつぶやいた。

空には明るく輝く月が。
暗く、星の見えない空を照らしていた。

ここは木の葉でも旧家といわれる奈良家。
周りには奈良家の所有する山が広がっており、山と空の闇との境界が曖昧で。
どこからが森なのかなのか、判別することが出来ない。
空を見ることのできるベランダには二人の男が酒を飲みながら座っていた。
一人は髪を後ろで縛っていて、目つきがひどく悪い。目の上の傷が目つきの悪さを際立たせていた。
もう一人は同じように目つきが悪く髪を後ろで縛っていた、血縁者ではないかと思うくらいよく似ている。しかし少年といえる年齢ではないだろうか、それにしては酒を飲む姿が様になっている。眠そうに目をこすってはいたが。
前者はシカク、奈良家の現当主で前線からは引退している。若い頃は血の気が多く、けんかが絶えなかったらしい。
後者はシカマル、その容姿からも想像できるようにシカクの息子である。現在は下忍として任務につき、犬の捜索や、農作業など、忍びらしくない任務をこなす毎日を送っている。

「おい、何で起きてなきゃいけねーんだよ。いい子はとっくの昔に寝てる時間じゃねーか。」
入り口にかかっている時計を見ると、すでに2時を示している。
「駄目に決まってんじゃねーか。それに徹夜で本を読んでるの知ってるんだぜ?」
かあちゃんにばらしてやろうか、とうそぶくシカクを睨みながら、シカマルは酒に口をつけた。
確かに徹夜する事だってある。
それがばれるとまだ子どもでしょ、と母親に起こられる可能性は高い。
しかし今日はかなり眠気がひどくて。
シカクを無視してここで寝てしまおうか、と思わないでもない。

「後もう少しで、来ると思うんだけどよ。」
「?俺には関係ねーだろうが。」
いいからいいから、とシカクはシカマルの持つ杯に酒を注ぐ。
何かをたくらんでいるように笑うシカクをみて、シカマルは眠気も相まって腹立たちさを感じる。
こういう笑みを浮かべている時はきまって俺にとってめんどくさいことが多い。
嫌な予感が、頭から離れなかった。

「もうすぐだからよ。待っとけって。」
しぶしぶ、といった感じでシカマルは了承する。
どうせ勝てないのだからと。
シカクよりも実力を持っていれば、殴り飛ばして布団に入るところなのだが。
眠気で重くなった体を立ち上がらせて、部屋の方から本をとってくる。
どれだけ時間がかかるのかわからないのだ。
それほどの時間を何もせずには過ごせる自信はなかったから。

 


酒を注ぐ音と。

   本をめくる音だけが。


響くようになってから、しばらくして。
シカクがバッと顔を上げ、待ち構えたように立ち上がった。

「やっと来たか。」

嬉しそうに、森の中を見つめる。
暗くて何も見えない方向を。

「…何が、来たんだよ。」

シカマルは本のほうに頭をうつむかせたまま、シカクに問う。
眠くて仕方がないのか、身動き一つせず。
意識が遠のいていく瞬間「いてっ!!?」
後頭部を何かで殴打された。
誰がなんて、みなくてもわかる。
「何すんだ!」
涙が出るほど痛い。
母に今日のことを告げ口することを誓いながら、シカマルは振り向いた。

「…誰だ?」

目の前にいたのは全身真っ黒な忍び装束を身に纏い、狐の面で顔を隠しどっから見ても暗部で。
シカクの仕業だと思っていたシカマルには何がなんだかわからない。
しかし狐の仮面には思い当たることがあった。
それは木の葉のトップシークレット。

「って~~!」

その忍びは俺と同じように頭を抑えて、痛みを訴えていた。
よほど痛いようだ。
まぁ声を出さないだけで、俺の後頭部もかなり痛いけど。

「やっと来たか!」

今まで散々待たせていた息子を無視して、シカクはその忍びに駆け寄った。

「珍しいな。お前がそんなドジを踏むなんて。」
「あぁ、ちょっとつけられてな。巻くのが大変だったんだ。それより…何であいつも一緒なんだよ!」

所在なさげに忍びはシカマルのほうをちらりと見て、シカクに講義する。

「いや、あいつがどうしてもってうるさくてな。」
「そんなわけねーだろうが!俺のこ…「見っつけた~!!こんなところにいたんだ!見失っちゃって心配したんだよ!」

「「はぁ?」」


いきなり出現した男によって、馬鹿馬鹿しさからか、3人は体から力が抜けるような気がした。。

「…畑か?」
しかし気配を消して現れた男に若干の驚気を感じていたシカクは、頭に浮かんだ名前を思わず漏らした。
現役を退いてから幾年もたつ。
その頃からとても強くアカデミーを飛び級して卒業した、というこの男の噂を聞くことが多かった。
そのとき聞いた噂はこんな男ではなかったはずなのだが。

「てめぇはついてくんなって言ってんだろうが。」
「え~!だって心配なんだもん。」

目の前にいるのは乙女ぶったしぐさで、駄々をこねる子どものような大人だけだ。
見ているだけでも、少々気分が悪くなる。
同じ気持ちだったのだろうか、ひっついてくるかかしをべりッと離しながらほほに一撃を放つ。
グハッという声と共に、ひっくり返ったカカシを見るだけでもその威力の想像がつく。


一部始終を見ていたシカマルは、この場にいる自分がとてもアンバランスで。
眠気を我慢してまでここにいる必要性を感じられない。
しかも突然飛び込んできたカカシにはあきれを通り越して、うざいくらいだったから。

「あのぅ。俺もう寝てもいいっすか?」


「駄目に決まってんだろうが!お前に会わす為にわざわざ呼んだんだから。」
「はぁ?やっぱ、さっきのうそじゃねーかよ!」

シカクはせめよられ、いや、と言葉につまる。
確かに事の発端はすべて自分にある。
シカマルがこの男のことを知るはずもない。
この男もシカマルに会うことすら罪と感じているのではないだろうか。
少しでも息子に接点を持たせようと、この場を設けたのだが。
この男のせいで…と多少恨みごとを思いつつ、睨みつけるが。

「どういう関係なの?俺がいるでしょ?!」

と俺を無視して、カカシは何で?と迫り来る勢いで問いただし始めた。



あいつも面倒くさい奴に好かれちまったなぁ。
どうしようかと、首筋をぽりぽりとかく。
背筋に怒りの視線を感じつつ。

「わりぃな。もうしばらく待ってくれよ。」

な、と振り向くと、シカマルは眠そうに、額にしわを寄せて睨みつけてくる。
さきほど後頭部を打ち付け、眠気が引いたかに見えたが。
再び眠気に襲われたようで、我慢できないようだ。

「あほらし。あれがすぐに終わるのかよ。」

くぃ、とあごをカカシの方に向けて、シカクを静かに批判する。
どう見てもあの言い合いは終わらない、と。

「だがこの機会を逃すとなぁ。あいつだって警戒してもう来ないかもしれないし。」

シカマルの言い分もわかるが、せっかく二人の接点を作ることが出来たのだ。
もう少しねばりたい。
「話なら後でいくらでも出来るだろ?俺は眠いからさっさと寝るからな。」
そう言いながら、シカマルは部屋の方へ入ろうとした。
そのシカマルの腕をシカクは驚きながらもつかむ。
「ま、待て。後でって、お前あいつのことしらねぇだろ?」
しまった、という表情を顔に浮かべて、シカマルは面倒くさそうにシカクの手を振りほどく。
「あ、あぁ。しらねぇに決まってるだろ。親父がまたつれてくるかと思ったからだよ。」
「…俺たちの話し聞いてたらわかるだろうよ。次はねー。」
「…わかったっつの!…俺はねみぃんだよ。…あいつナルトだろ?だったらいつでも話せるじゃねーか。」


「ぬぁにぃぃ~~~!??」


大声叫んだかと思うと、ばたっとシカクは後ろに倒れるようにしりもちをついた。
お、おま…とシカマルを指差す手を震えさせながら、驚きで声がでないようだ。
「どうしたんだ?」
いきなり大声を出したシカクに驚き、カカシを放り投げてシカクの方に駆け寄った。
シカマルのほうを指差して、本当に驚いたように座り込んでいる。
こんなに驚いているシカクを見たのは初めてで、興味津々といった感じでシカクを覗き込んだ。

「い、いや…こいつが…」
「こいつが?」
「お前のことを」
「俺のこと?」
「ナルトだって。」
「……」

「「えぇぇ!!??」」

 

んなわけねーだろ!??とシカクの胸倉をつかみ、思わずせめよった。
シカマルの方へ詰め寄らないのは、自分のことを知っているのだという事実を認めたくなかったから。

そう、この漆黒の忍び装束をまとう男の正体はうずまきナルトだった。
幼少より暗部として任務に就き、今では押しもおされぬ暗部総隊長殿である。
シカクもつい先日までこの事実を知らなかった。
火影に正体をばらすよう言われて、しぶしぶといった様子ではあったが俺に教えてくれたのだ。
無知は罪であると、よく言ったものだ。
里がナルトに憎しみを与え続けてきたことの事実。
そして考えればわかることなのにそれを放置してきた俺たち大人の罪を。
その日は眠れなくなるぐらい、胸の中は後悔の渦に飲み込まれていた。
その日からだ。ナルトを息子と会わせたいと思ったのは。
偽りの姿ではなく、本当のナルトを。

なのに。
本人がそれを知っているといるのはどういうことなんだ?!

「うるせぇな。寝かせてくれよ。眠ーんだから。」

飄々としたシカマルを見て、本当に知っているのかという疑念の消えないカカシ。
本人から知っていると聞いたわけではないのだ。

「ねぇ。それって勘違いじゃないの?この子驚いているようでもないし。」
「でもシカクが…」
「あ、あぁ。確かに今こいつはそういったぞ。」

カカシに言われ、もしかしてと思いシカクの方へと確認の意をこめて聞き直したが。
返ってきたのは、期待はずれの返答。
シカクがそんな嘘をつくわけがない。
一緒になって驚いていたし。
疑問を感じながらシカマルに視線を向けると。




「目つぶってるし!」






眠気が最高潮まで達したのか、シカマルは立ったまま寝ていた。
さすがのカカシも呆れて言葉が出ない。

「寝てんじゃねーっつの!」

なれた仕草で、シカマルの頭に拳を振り下ろした。
いつもの事のなのだろうか。殴ったシカマルを気にすることなく、シカクはふんぞり返ってる。
そこにはいてぇと頭を抑えてのた打ち回るシカマルの姿があった。
確かに勢いに乗ったシカクの拳は痛そうだ。少し可哀想にさえなるくらい。

「何すんだよ!いきなり!」

シカマルの怒りは当然のものだろう。
いきなりといっていいくらい、突然殴られたのだから。

「うるせぇ!それよりなんでナルトのこと知ってんだよ!」
「あぁ?それぐらい知ってて当たり前だろうが!」

何当たり前の子と聞いているんだ、と言わんばかりのシカマルに3人は戸惑い気味。
ナルトは隠し通せていると思っていたし。
シカクはつい先日知ったばかり。
そしてカカシは毎日へばりつき、やっとの思いで正体を教えてもらったのだ。
どこが当たり前なんだよ!とつっこみたい気持ちが高まるが。
そこは大人としての意地、また暗部としての意地もあって声に出せない3人だった。

「まぁ、同期の連中はしらねぇだろうけど。」
「っていうか、俺の正体を知っているってことは…」
「あぁ、暗部の総隊長で弧葉だってことも知ってるぜ。」

ふぁぁ、と欠伸をしながら、シカマルは何をいまさら、と応えた。
平然と応えるシカマルにシカクとカカシは驚くばかり。
当人のナルトでさえ、正体を知っていたというシカマルに恐怖さえ感じていたのだから。
いつから知っていたのか。
それを知って俺のことをどう思ったのか。
何で、何もいわなかったのか。
様々な疑問が渦巻いて。

「…な、何でそんなこと知ってるんだよ。」

聞きたくないけど、聞かずにはいられなくて。

「あ~、それは教えられねー。」
「はぁ!?俺の正体だけ知っておいて、それはないだろうが!」

肩をつかんでガクガクとシカマルの頭を揺らした。
あんなに揺らされたら応えられないでしょ。と思いながらも。
さすがにカカシには突っ込む勇気はなかった。
それでも面白くない、とカカシは思う。
任務で一緒になったときに、弧葉に一目ぼれしてから。
自分が散々追い回して、しつこいぐらい聞きまくってやっと得た真実。
それなのに。
ナルトのことを当然のように知っていて。
今もナルトから熱い?視線を向けられて。
最初は驚きだけだったけど、今は嫉妬の方が大きくなっている。
シカマルがなぜ知っていたのかを知りたいから、今はあえて邪魔をしないけど。
後で覚えていろよ、そう心の中で誓った。

「ったく、まぁいいか。機密って訳じゃねーしな。俺もたまにだけど暗号解析部のほうに手伝いに行くんだよ。」
「はぁ?!何で下忍のお前が手伝いに行くんだよ。」
「俺だって行きたくねーけど。図書館で知り合った解部の奴にどうしても手を貸してほしいっていわれて。本当に困っているときは…な。」

あれだけ頼まれたら行かねー訳にはいかないよな、と多少あきらめ気味のシカマル。
それほど切羽詰っているのだろうか。
きっかけは暗号解読の資料を探している奴を見つけて、何度かその場所を教えてやったこと。
それからわからない部分を質問されるようになって。
段々と解部ぐるみで質問をしに来るようになった。
今では名前こそ正式においていないが、れっきとした解部の一員として数えられている。<シカマルは納得していない。>
シカマルの存在が表立っていないのは、知られて他の部署と取り合いになるのを防ぐためである。
最近の解部の仕事の速さに疑問を抱いている、勘の鋭いものは何人かいるが。

「ナルトが実力を隠しているのはアカデミーの頃から知っていたし、弧葉のこれまでの経歴と俺の知識とを照らし合わせたら…自然とわかったんだ。」
「自然とわかる…わけねーだろうが!」

そこでシカクがビシッとシカマルに突っ込む。
シカマルが解部に言っていたのは知らなかったが、それは気にしていないらしい。
息子が気がついていたのに、自分が気づけなかったということに少しだけ不甲斐無さを感じていたようだ。
もちろんそれを顔に出すようなへまはしなかったが。
「で、でも俺のこと知っていたなら、なんで…聞かなかったの?」
完全に隠せていたという自信を打ち砕かれた。
しかしそれはもういい、とナルトは思う。
問題はなぜナルトに対し、何も言わなかったのか、ということ。

「あー、別に詮索する気もなかったし。隠したいことを無理に暴き立てることもねーかなぁと思って。時期が来ればわかることだろうし。」
「そ、そっかぁ。」

ほのかにだが、照れているような笑みを浮かべるナルト。
自分を知っても、何をするでもなく受け入れてくれていたシカマルのことが嬉しかったのだ。
その様子を見て面白くないのはカカシ。
確かに教えてもらうまで気がつかなかったのだけど。
知ってから、ずっと傍にいたのは自分だと思っていたのだ。
こんなふうに自分以外の誰かに無条件に心を開くナルトは見たくなかった。

「でも暗部のことは抜きにしても実際お前がドベを装っていることに気がついているやつって結構いると思うぜ。アカデミーのときに悪戯仲間だったチョウジとキバは何かしら気づいているだろうし、イノもあれで鋭いからな。何かおかしいと感じているような気がするし。」
「そ、そうなんだ。」

先ほどまでの嬉しさとは別に俺って全然気がつかなかった、と冷や汗を流した。
自分の知らなかった、全く新しい事実に。
確かに留年三年目ですでに落ちこぼれと認識されていたから、悪戯とか結構好きにやっていたし。
特に最近は、普通に付き合ってくれる奴が多かったから、気を抜き過ぎていたのかもしれない。
何も言わないから、全く気がつかなかったけど。

「暗部のことまで言えとはいわないけど、素を教えてやったら喜ぶと思うぜ。」
「う、うん。ありがと。」

今まであまり人を頼りにすることなんて出来ないと思っていたけれど。
自分がそう思い込んでいただけで、実は周りに結構いるのかも。

「考えてみる。」

それまでは正体をばらそうなんて考えたこともなかったけど、いいかもしれないと思うことが出来た。
シカマルに言われ、素直に返すナルトを見て。
嫉妬心を大きくしていたカカシを背に、シカクはやっぱり合わせてよかったと思った。
考えていた計画とは180度違うものだけど。
嬉しそうなナルトを見て、俺の息子は意外にすごい奴かもと思った。
多少癪に障る気もするが。



和やかに話していたシカマルとナルトの間にカカシが乱入して。
うざい、と殴られカカシは地に伏す。
すぐに復活するのだけど。
それを何度となく繰り返し、カカシはナルトの注意を自分の方へと向かせるのに必死だ。
何度となく繰り返されるその動きに、シカマルは段々と眠気がぶり返してきた。

「じゃぁ俺そろそろ寝るわ。明日も早いし。」

すくっと立ち上がり、手を振りながら部屋の方へと急ぐ。
眠くてたまらないのだろう。足取りがふらついて、危なく見える。
その後姿を、少し残念そうにナルトは見つめつつ。

「う、うん。またね。」

ばいばい、と手を振って見送った。
やっとお邪魔虫が消えたとカカシは喜ぶが、ナルトの視線は未だ部屋を見つめたまま。
シカマルの姿が暗い部屋の中へと消え、ナルトはふぅとため息をついた。
いきなり知らされたその事実に驚き、動揺するだけだったけど。
嬉しかったのは本当だから。
今日招いてくれたシカクに感謝した。

「ありがと。今日は呼んでくれて。」
「あぁ。俺もこんなことになるとは思わなかったけど。よかったな。」
「おぅ。」

照れているのだろう、目を合わせることはなく。
近寄ってくるカカシをナルトはぶっ飛ばしながら。
見たこともないほど晴れやかな表情を浮かべていた。

「じゃあ俺帰るから。」
「あぁ。また来いよ。」
「…ありがと。また来る。」
「おぅ。」


タトン、とベランダの手すりを足でけり上げ、森の中へと飛び降りた。
あっという間にその姿は見えなくなり、静寂が戻る。


「お前は帰らねーのか?」
「もう帰りますよ。それより…お宅のお子さん、ちゃんと管理しといてくださいよね。」

ナルトのいた時と打って変わってギスギスとした雰囲気。
年上であろうシカクに、いつもへらへらと笑うカカシにはありえないほど真剣な顔で。
失礼な奴だと思いながらも、その心がわからないわけではなく。

「じゃあ失礼しました。」

お辞儀をした後、カカシはナルトの消えた方向へと降り立った。
その後姿を見ながら。
息子が面倒な奴に目を付けられたな、と思いながら。
そしてこれから面白くなりそうな予感をびしびしと感じた。
一人きりになったベランダで。
先ほどまで飲んでいた酒を片手に。

月を見ながら。

いい夜だった、今日はよく眠れそうだな、と。
そう思いながら、酒をグイ、と飲みほした。

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